2000年度発掘調査報告

日本発掘:秋田県秋田市 手形山南遺跡

住居発掘風景 遺構の乾燥を防ぐため水を撒いています

7月22日から9月9日まで約一ヵ月半調査を実施しました。この調査は表土からトレンチを入れるなど、発掘調査のほぼ全工程を学生の手で行ないました。確認された遺構は平安時代の竪穴住居跡1軒、時期不明の土坑3基、明治時代の堀跡、溝状遺構などです。住居跡からは土師器、須恵器、内黒土師器、砥石などが出土しました。土師器は酸化炎で焼かれた赤褐色の素焼きの土器、須恵器は還元炎で焼かれた青灰色の硬質の土器です。内黒土師器は内面が黒色処理された土師器です。また、土師器に墨で文字を書いた墨書土器も見つかりました。

住居跡は須恵器や墨書土器から識字層クラスの「官」とつながりのある人物の住居が想定されます。また、堀跡からは時代を判定する遺物は見つかっていませんが、地元の方の話や文献資料から明治時代の演習用塹壕であったと考えられます。