BACK(「ことばの溜め池」表紙へ)
MAIN MENU
ことばの溜め池
ふだん何氣なく思っている「ことば」を、池の中にポチャンと投げ込んでいきます。ふと立ち寄ってお氣づきのことがございましたらご連絡ください。
拂底(フツテイ)。〔元亀本224七〕〔静嘉堂本257三〕〔天正十七年本中57ウ六〕
薄帋拂底之間所反故也〔至徳三年本〕
薄紙拂底之間所用反故也〔宝徳三年本〕
薄帋拂底之間所用反故也〔建部傳内本〕
薄紙(ハク―)拂底ノ之際所下用‖反故(ホウコ)ヲ|候上也()ノ_。-〔山田俊雄藏本〕
薄紙拂底之間所∨用‖反故|也〔経覺筆本〕
薄紙(ハク―)拂底(フツテイ)之間所∨用‖反故(ホウク)|也〔文明本〕
拂底(フツテイ/ハラウ、ソコ)[入・上] 。〔態藝門649七〕
拂底(―テイ) 。〔弘・言語進退183一〕
拂底(フツテイ) 。〔永・言語149八〕〔尭・言語139七〕
拂底(フツテイ) 。〔言辞152二〕
406薄紙拂底之間所∨用‖反故|也 古文ヲ、又來書ノ内ニ書ク。別ノ非‖反故ニ|來レル書也。〔謙堂文庫藏四〇左@〕
とあって、標記語を「拂底」とし、その語注記は、未記載にする。
拂底(フツテイ)ノ之間所ロ∨用‖反故(ホンコ)ヲ|也更ラニ非ス 拂底トハ。ソコヲハラフトヨムナリ。悉(コト/\)ク数(カス)ヲ尽(ツク)シハテタル事也。反故(ホンコ)トワホウグノ事也。餘所(ヨソ)ヨリ状ナンド來ルニハ。必返事(ヘンジ)ヲスル也。紙(カミ)若シ無クハ。反故(ホンゴ)ノ裏(ウラ)ニテモ用。サモ無ハ其文ヲウラガヘシテ可シ∨書。抑人ノ許トヨリ來ル文ニ返事せザル事不∨可∨有。翌日(ヨクジツ)ニモ返事スベシ。翌日(ヨクジツ)トハ。明(アク)ル日ノ事ナリ。〔下十五ウ一〜三〕
白紙(はくし)拂底(ふつてい)の際(あいだ)/白紙拂底ノ之際 花紙を薄帋(はくし)と書たる本もあり。何れにても聞ゆれとも下の反故といふに照合(てりあわ)すれハ花帋と書たる方を是(ぜ)とす。拂底ハそこをはらふと訓す。数をつくして給(たへ)たるを云也。〔54オ七〜八〕
白紙(はくし)拂底(ふつてい)の間(あいだ)反故(ほうぐ)を用(もち)ゆる所(ところ)也(なり)更(さら)に輕賤(けいせん)之(の)儀(ぎ)に非(あら)ず。抑(そも/\)申(まう)し入(い)れら被(る)る用物(ようもつ)の事(こと)目録(もくろく)に任(まか)せ之(これ)を下(くだ)さ被(る)る所(ところ)也。用(よう)竭(つき)て後(のち)者(ハ)急(いそ)ぎ持參(ちさん)せら被(る)可(べ)き也(なり)/白紙拂底ノ之間所∨用‖反故ヲ|也更非‖輕賤之儀|抑被‖申入|用物之亊任‖目録|所∨被∨下也。用竭(ツキ)テノ後者急可∨被‖持参|也。▲拂底ハ遣(つか)ひ尽(つく)して残なきをいふ。〔40ウ八〜41オ二〕
白紙(はくし)拂底(ふつてい)之(の)間(あひだ)所(ところ)∨用(もちふる)‖反故(ほうご)を|也(なり)更(さら)に非(あら)す‖輕賤(けいせん)之(の)儀(ぎ)に|抑(そも/\)被(るゝ)‖申入(まうしいられ)|用物(ようもつ)の亊(こと)任(まかせ)‖目録(もくろく)に|所(ところ)∨被(るゝ)∨下(くださ)之(これ)を也(なり)。用(よう)竭(つき)て後(のち)者(ハ)急(いそぎ)可(べき)∨被(る)‖持参(ぢさん)せら|也(なり)。▲拂底ハ遣(つか)ひ尽(つく)して残(のこり)なきをいふ。〔72オ二・三〕
Futtei.フツテイ(拂底) Socouo faro<.(底を払ふ) すっかり使い果たす,あるいは,全く無くなる.例,Saqe,come nado futtei itaita.(酒,米など拂底致いた)酒,米などが無くなっている.〔邦訳286r〕
ふッ-てい〔名〕【拂底】又、ほてい。底を拂ひて無きこと。物の甚だ乏しきこと。闕乏。易林本節用集(慶長)下、言辭門「拂底、フッテイ」庭訓往來、七月「薄紙依‖拂底|、所∨用‖反故|也」宇津保物語、嵯峨院75「馳走せむと思ひ侍りつれど、かくのごとく(板本、とかくのこと)ほてい(拂底)に侍りつるほどに、云云」〔1764-5〕
左衛門尉大中臣〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕〔建部傳内本〕〔山田俊雄藏本〕〔経覺筆本〕〔文明本〕
大中臣(ヲホナカトミ) 。〔黒川本・姓氏中70ウ七〕
大中臣 。〔卷六・姓氏376三〕
405進上宮内少輔殿 {司農尚書} 兵衛尉大中臣{往左衛門尉}〔謙堂文庫藏四〇右I〕
とあって、標記語を「大中臣」とし、その語注記も未記載にする。
左衛門尉大中臣(ヲホナカトミ)/進上 宮内(クナイ)ノ少輔(セウ)殿。〔下十五七〕
左衛門(さへもん)の尉(ぜう)大中臣(おほなかとミ)/左衛門尉大中臣。〔54オ五〕
左衛門(さゑもん)の尉(せう)大中臣(おほなかとミ)/左衛門ノ尉大中臣▲大中臣ハ天兒屋根命(あまつこやねのみこと)廿五代乃孫(そん)中臣清麻呂(なかとミきよまろ)右大臣(うだいじん)に任(にん)するとき初(はじめ)て大の字を加(くハ)へらると云々。清麻呂ハ人皇(にんわう)五十代桓武(くはんむ)天皇延暦(ゑんりやく)七年に薨(こう)ず。〔40ウ七〜八〕
左衛門(くない)の尉(せういふ)殿(どの)▲大中臣ハ天兒屋根命(あまつこやねのみこと)廿五代乃孫(そん)中臣清麻呂(なかとミきよまろ)右大臣(うだいじん)に任(にん)するとき初(はじめ)て大の字を加(くハ)へらると云々。清麻呂ハ人皇(にんわう)五十代桓武(くわんむ)天皇延暦(えんりやく)七年に薨(こう)ず。〔72ウ二〜三〕
左衛門(――) 唐名/左金吾。〔元亀本274七〕 尉(セウ)。允(同)。〔元亀本358七〕
左衛門(――) 唐名/左金吾(―キンコ)。〔静嘉堂本313八〕 尉(ぜウ)。允(同)。〔静嘉堂本436二〕
左衛門尉大中臣〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕〔建部傳内本〕〔山田俊雄藏本〕〔経覺筆本〕〔文明本〕
左衛門(サエモン) -―大夫。-―尉。-―佐。〔弘・官名210七〕〔尭・官名164七〕
左衛門(サヘモン) -―大夫。-―尉。-―佐。〔永・官名175六〕
左衛門佐(―エモンノスケ) 金吾右-―尉(ぜウ)。-―督(カミ)。-―大夫。〔官位176四〕
405進上宮内少輔殿 {司農尚書} 兵衛尉大中臣{往左衛門尉}〔謙堂文庫藏四〇右I〕
とあって、標記語を「兵衛尉」とし、その語注記も未記載にする。
左衛門尉大中臣(ヲホナカトミ)/進上 宮内(クナイ)ノ少輔(セウ)殿。〔下十五七〕
左衛門(さへもん)の尉(ぜう)大中臣(おほなかとミ)/左衛門尉大中臣。〔54オ五〕
左衛門(さゑもん)の尉(せう)大中臣(おほなかとミ)/左衛門ノ尉大中臣▲左衛門ノ尉ハ正月の返状に見ゆ。〔40ウ四・六〕
左衛門(くない)の尉(せういふ)殿(どの)▲左衛門ノ尉ハ正月の返状に見ゆ。〔72オ六〕
さ-ゑもん〔名〕【左衛門】ゑもんふ(衞門府)の條を見よ。
さゑもん-だいふ〔名〕【左衛門大夫】〔大夫は、五位の稱なり〕五位の左衛門ノ尉の稱。相當は、六位なるが、特に、五位に叙せられたるに、規模として、稱するなり。職原抄、下、左右衛門府「大尉、相當、従六位上」枕草子、八、九十一段「大夫は、左衛門の大夫」「福島左衞門大夫正則」〔0869-5〕
宮内卿(クナイキヤウ) 唐名/尚書。〔元亀本349六〕
宮内卿(――) 唐名司農/尚書。〔静嘉堂本222五〕〔天正十七年本中40ウ六〕
進上宮内少輔殿〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕〔建部傳内本〕〔山田俊雄藏本〕〔経覺筆本〕〔文明本〕
宮内省(クナイせイ/キウタイ、ミヤ,ウチ,カヘリミル)[平・去・去]。當唐工部卿相當正四位下唐名工部尚書大輔權相當正五位下唐名工部侍郎少輔權相當従五位下唐名同負外郎歟。丞大少唐名工部郎中録大少唐名工部主事。〔官位門501七・八〕
宮内(クナイ) ――大輔。――卿。――少輔以上唐名工部/一本云司農尚書也。〔弘・官名157八〕
宮内(クナイ) ――大輔。――卿/――少輔以上唐名司農尚書。〔永・官名129四〕〔尭・官名118六〕〔両・官位143七〕
宮内卿(クナイキヤウ) 尚書。司農/大輔。少輔。〔官位128六〕
405進上宮内少輔殿 {司農尚書} 兵衛尉大中臣{往左衛門尉}〔謙堂文庫藏四〇右I〕
とあって、標記語を「宮内少輔」とし、その語注記は、未記載にする。
左衛門尉大中臣(ヲホナカトミ)/進上 宮内(クナイ)ノ少輔(セウ)殿。〔下十五七〕
進上 宮内(くない)の少輔(しやうゆう)殿(との)/進上 宮内少輔殿。〔54オ六〕
宮内(くない)の少輔(せうふ)殿(どの)/宮内ノ少輔殿▲宮内ノ小輔ハ従(しう)五位下に相當(さうたう)す。唐名(からな)ハ工部(こうほう)侍郎(じらう)といふ。〔40ウ五・六〕
宮内(くない)の少輔(せうふ)殿(どの)▲宮内ノ小輔ハ従(じゆう)五位ノ下に相當(さうたう)す。唐名(からな)ハ工部(こうほう)侍郎(じらう)といふ。〔72オ六〕
くない-しゃう〔名〕【宮内省】みやのうちのつかさ。古へ、八省の一、宮中、大小の事務、及、調度、調物、等の事を掌る。今の省も、略、同じ。〔0536-4〕
せう-いう〔名〕【少輔】〔大輔より、混訛す〕せう(少輔)に同じ。〔1091-5〕
七月(――) 文月。七夕。晒文。書献。三星放之親月。此月諸親墳墓故之夷則。孟秋。初秋。〔元亀本328二〕
七月(――) 文月。七夕。晒文。書献。二星故云。親月。此月諸人詣墳墓故云夷則。孟秋。初秋。〔静嘉堂本389四〕
七月五日〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕〔建部傳内本〕〔山田俊雄藏本〕〔経覺筆本〕〔文明本〕
七月 フツキ。〔黒川本・天象中101オ三〕()
七月 フツキ/律中夷則。〔卷第七・天象38五〕
商聲(シヤウせイ)ハ主(ツカサドル)‖西方(せイハウ)ノ之音(コヱ)ヲ|夷則(イソク)ハ為(タ)リ‖七月(シチゲツ)ノ之律(リツ)|商傷(シヤウシヤウ)也(ナリ)物(モノ)既(スデ)ニ老(ヲイ)テハ而悲傷(ヒシヤウ)ス夷(イ)ハ戮(リク)ナリ物(モノ)過(スギ)テハ∨盛(サカン)ナルニ而當(マサニ/ベシ)殺(サツ)ス 秋聲賦。〔態藝門968八〜969二〕
七月(シチ―) 初秋(ソシウ)。孟秋。夷則(イソク)。初商(シヨシヤウ)。早秋(サウ―)。文月(フミツキ)。〔數量211二・三〕
404七月七日 尚書暦曰七月七日禺中洗浴除罪禺中者巳時也。玄女五姓圖云、七月七日午時沐浴除‖四千罪|大吉。仲尼、遊方問録云、昔高辛氏有∨子。七歳性嗜‖湯餅|。以‖七月七日|死故、其日作湯餅|祀∨之。因∨此后人郊爲∨節也。金谷園記云、七月七日夜洒‖掃於庭露|。施‖机莚甘菓酒瓱|、兼散‖香粉於庭上|。以清河皷織女言、奕々白氣歳石反美皃也。光耀五色以爲∨徴。応見者便拜而願∨乞∨壽。子若有∨所∨乞。唯得∨求∨一、兼求不∨得‖三及|。得自‖古來|往々皆有‖其験|。尺素ニ曰、穀(トチ)ノ葉ノ上ノ索餅ハ七夕ノ風{味也}。〔謙堂文庫藏四〇右C〕
※七月七日―異名相(スツキ)夷則(イソク)孟秋。〔国会図書館藏左貫注書込み〕
とあって、注釈書のなかで唯一意識的に標記語を「七月七日」と改編し、語注記をもってその記載関連資料をここに収載するものである。
このなかで、『遊方問録』の引用文言については、静嘉堂文庫蔵『庭訓徃來註』古冩頭注書込みに、「古説ニ古(イニシヘ)高辛氏ノ少女七月七日ニ死す。其霊常ニ麥餅ヲ食故其死日ニ當索麺ヲ用テ其霊ヲ祭。後人此日索麺ヲ食スレハ年中瘧病ナシト也。七夕祭ヲ乞巧奠トイフ」と記載する。※「高辛氏」―五帝ナリ。※「瓱」―ホ/サケ。ここには、「湯餅」を「麥餅」とし、「湯餅」でなく「索麺」を食すことで瘧病を避けようという慣習を記述している。
次に、『金谷園記』については、『河海抄』卷十五28に「金谷園記云、七月七日夜、洒‖掃於庭|。露‖施机莚|、甘菓酒瓱、兼散‖香粉於庭上|、以謂‖河皷織女|、言、此二星歓會夜也、俗人候∨之、或見‖天漢中|、見‖奕々白氣歳石反美容也|、光耀五色以爲∨徴應|、見者便拜、而願乞∨冨、乞∨壽、乞∨子」〔528下十五「ほしあひみる人もなし」〕とあって、同じき内容をここに引用していることを確認する。ただし、下線部の箇所についてはこの書には見えない。
次の一條禅閤兼良作『尺素徃来』〔寛文八年刊〕については、「穀(カチ)ノ葉之上ノ索餅(サクヘイ)者七夕(セキ)之風流(リウ)」〔下47オ二・三〕とするものである。
静嘉堂文庫蔵『庭訓徃來註』古冩頭注書込みには、他に「七夕ニ織女嫁ル‖牽牛ニ|事、續年偕記ニミヘタリ。又曰、牽牛娶リ‖織女ヲ|天帝借ス‖二万錢ヲ|。下シテ∨礼ヲ久ク不(ズ)∨還ヘサ。被テ∨驅在リ‖宮室ノ中(ウチ)ニ|ト云云」△朗詠江ノ注ニ云、日本ニハ清涼殿升壷ニテ、六人シテ立‖〓(木+八)圖脚ヲ〓(人人人)供ヲ備テ、灯九本ヲ立。鏡ヲ置テ七孔ノ錦五色ノ絲ヲ付テ亥ノ刻ヨリ寅ノ時迄祭ル也。針一本ニ七孔アリ」といった頭注書込みを記載している。
古版『庭訓徃来註』では、
七月五日。〔下十五七〕
七月五日/七月五日。〔54オ五〕
七月(しちぐハつ)五日(いつか)/七月五日。〔40ウ四〕
七月(しちぐわつ)五日(いつか)。〔72オ六〕
Xichiguat.シチグヮッ(七月) 〔陰暦の〕七月.→Futcuqi.〔邦訳761l〕
しちぐわつ-〔名〕【七月】年の、第七に當る月。文月。ふづき。〔0901-5〕
なぬ-か〔名〕【七日】〔七日(ななか)の轉か、七日(ななのか)の略轉か〕(一)なのか(七日)に同じ。萬葉集、十七46長歌「近くあらば、今二日だみ、遠くあらば、奈奴可の内は、過ぎめやも、來なむ、わがせこ、ねもごろに」(二)月の第七日目の稱。又特に正月、及、七月の七日をも云ふ。ななか。榮花物語、廿四、若枝「ついたちなぬかも過ぎぬれば」蜻蛉日記、上、上23「時は七月五日、云云、天の川、なぬかを契る、心あらば、星會(ほしあひ)ばかりの、影を見よとや」〔1464-3〕
胸懸(ムナガケ)。〔元亀本175九〕
胸懸(ムナカイ)。〔静嘉堂本196二〕〔天正十七年本中27ウ六〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水旱狩衣烏帽子直垂大口帷大刀長刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可申入候也恐々謹言〔至徳三年本〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷○[子]太刀腰刀箙胡籬大星行騰○[小]房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔宝徳三年本〕
蒔繪手箱硯函冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷太刀長刀腰刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔建部傳内本〕
蒔(マキ)繪ノ手_箱。硯_筺(ハコ)。冠(カンムリ)。表(ウヘ)ノ_衣直_衣(ナヲシ)水-旱。狩(カリ)_衣。烏-帽-子。直_垂(ヒタヽレ)。大_口。大_帷(カタ)。太_刀。長_刀。腰_刀。箙(ヱヒラ)。胡_籬(ヤナグイ)。大_星ノ行_騰(ムカバキ)。房_鞦(シリカイ)牛ノ胸_懸(ムナカイ)等雖∨非‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無キ‖相-違|之樣ニ可∨被‖申シ_下|也。恐々謹言。〔山田俊雄藏本〕
蒔(マキ)繪ノ手箱(テハコ)。硯函(スヽリハコ)。冠。表(ウヘ)ノ衣(キヌ)水旱(カン)。直衣狩衣(カリギヌ)。烏帽子。直垂。大口。大帷(カタヒラ)。大刀。長刀。腰刀。箙(エビラ)。胡籬(ヤナグイ)。大星ノ行騰(ムカバキ)。房鞦(フサシリガイ)牛ノ胸懸(ムナカケ)。等雖∨非‖上品ニ|。任‖註文ニ|无‖相違|之樣ニ可∨被‖申下|也。恐々謹言。〔経覺筆本〕
蒔_繪(マキエ)ノ手_箱(テハコ)。硯_筺(スヽリハコ)。冠(カフリ)。表(ウエ)ノ_衣(キヌ)水-旱(スイカン)。狩_衣(カリキヌ)。烏_帽_子(エホシ)。直_垂(ヒタタレ)。大_口。大_帷(カタヒラ)。太_刀。長_刀。腰_刀(コシカタナ)。箙(エヒラ)。胡_籬(ヤナクイ)。大_星ノ行_騰(ムカハキ)。房(フサ)ノ_鞦(シリカヒ)牛ノ_胸_懸(ムナカイ)等。雖モ∨非ト‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無‖相-違|之樣スニ可∨被‖申_下|也。恐-々謹-言。〔文明本〕
當削(タウクヰヨウ) ムナカイ。馬―/現斑挙三字各用上字。鞅 同/牛―。垢 同。削鞦 同。〔黒川本・雜物中44オ五・六〕
當削 ムナカイ。後漢書云抜佩刀截/馬―。馬――是也。現削 。斑削 已上同。鞅 ムナカキ/牛―/車具也。〔卷第五・雜物119一〕
胸懸(ムナガケ/ケウケン)[○・平] 鞍具也。或云∨鞅。〔態藝門461七〕
胸懸(ムナガケ) 鞍具。鞅 同。〔永・財宝117六〕〔両・財宝130六〕
胸懸(ムナカゲ) 鞍具。鞅 同。〔尭・財宝107五〕
削懸(ムナガヒ) ―當(アテ)。―板(イタ)。鞅(ムナカヒ) 頸構。〔器財114六〕
403房鞦牛ノ胸懸等雖∨非‖上品ニ|任‖註文ニ|无‖相違|之樣ニ可∨被‖申下|也。恐々謹言 〔謙堂文庫藏四〇右@〕
とあって、標記語を「胸懸」とし、その語注記は、未記載にする。
房鞦(フサシリカヒ)牛ノ胸懸(ムナカヒ)等雖トモ∨非ト‖上品ニ|任せ‖注文ニ|無キ‖相違(イ)|之樣ニ可∨被‖申シ下|也 房鞦(フサシリカヒ)牛ノ胸懸ハ天性詞ニ出テ云ナリ。一切ノ事ヲ其縁ヲ以テ便トス。其謂ノ類ヲ以テ如此車牛ノ用歟。〔下十五オ四〜六〕
牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)/牛ノ胸懸等 御車(ミくるま)を引する牛のむねに懸るかさりなり。右の衣冠(いくはん)其外の品々皆圖説(つせつ)にくわしけれハこゝに畧(りやく)す。〔54オ一〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すいかん)直衣(なふし)狩衣(かりぎぬ)烏帽子(ゑぼうし)直垂(ひたゝれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたひら)太刀(たち)長刀(なぎなた)腰刀(こしかたな)箙(ゑびら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはき)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)上品(しやうほん)に非(あら)ずと雖(いへども)注文(ちうもん)に任(まか)せ相違(さうい)無(な)き之(の)樣(やう)申(まう)し下(くだ)さ被(る)可(べ)き也(なり)恐恐(きやう/\)謹言(きんげん)/蒔繪ノ手箱。硯筺。冠。表ノ衣水干。直衣狩衣。烏帽子。直垂。大口。大帷子。太刀。長刀。腰刀。箙。胡籬。大星行騰。房鞦牛胸懸。等雖∨非ズト‖上品ニ|。任せ‖注文ニ|無キ‖相違|之樣可キ∨被‖申シ下サ|也。恐々謹言。▲牛ノ胸懸ハ御車(ミくるま)を曳(ひか)する牛の胸(むね)に懸(かく)る飾(かさり)也。〔40ウ一〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すゐかん)直衣(なほし)狩衣(かりきぬ)烏帽子(ゑぼし)直垂(ひたたれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたびら)太刀(たち)長刀(なきなた)腰刀(こしかたな)箙(えひら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはぎ)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)雖(いへども)∨非(あら)ずと‖上品(しやうほん)に|任(まか)せ‖注文(ちうもん)に|無(な)き‖相違(さうい)|之(の)樣(やう)可(べ)き∨被(る)‖申(まう)し下(くだ)さ|也(なり)恐恐(きよう/\)謹言(きんげん)。▲牛ノ胸懸ハ御車(ミくるま)を曳(ひか)する牛の胸(むね)に懸(かく)る飾(かざり)也。〔72オ二・三〕
Munagai.ムナガイ(胸繋・鞅) 馬の胸繋(むながい).〔邦訳432r〕
むな-がい〔名〕【鞅・胸繋】むながき(鞅)の音便。其條を見よ。字類抄「當胸、ムナカイ、鞅、ムナカイ」易林本節用集(慶長)上、器財門「胸懸、ムナカヒ」平家物語一、殿上乘合事「御牛の胸懸(ムナガイ)、鞦(シリガヒ)切りはなち」()〔1972-2〕
むな-がき〔名〕【鞅】〔胸絡(むなか)き、の義〕今、むながい。馬具の一。(乘車の牛にも云ふ)おしかけ(押掛)の條を見よ。厚。倭名抄、十一4車具「鞅、無奈加岐、軛(くびき)下絆(マトフ)∨頸ヲ繩也」(牛に云ふ)同、十五1鞍馬具「當胸、無奈加岐」(馬に云ふ)。字類抄「當胸、ムナカイ、斑胸、同、鞅、ムナカイ」天治字鏡、十二29「〓(革+艸央)、垢、斑胸、牟奈加支」同、五7「垢、繋∨於‖馬胸|者也、牟奈加支」〔1972-2〕
総鞦(フサシリガイ)。〔元亀本224五〕〔静嘉堂本257二〕
総鞦(フサノシリカイ)。〔天正十七年本中58オ一〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水旱狩衣烏帽子直垂大口帷大刀長刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可申入候也恐々謹言〔至徳三年本〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷○[子]太刀腰刀箙胡籬大星行騰○[小]房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔宝徳三年本〕
蒔繪手箱硯函冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷太刀長刀腰刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔建部傳内本〕
蒔(マキ)繪ノ手_箱。硯_筺(ハコ)。冠(カンムリ)。表(ウヘ)ノ_衣直_衣(ナヲシ)水-旱。狩(カリ)_衣。烏-帽-子。直_垂(ヒタヽレ)。大_口。大_帷(カタ)。太_刀。長_刀。腰_刀。箙(ヱヒラ)。胡_籬(ヤナグイ)。大_星ノ行_騰(ムカバキ)。房_鞦(シリカイ)牛ノ胸_懸(ムナカイ)等雖∨非‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無キ‖相-違|之樣ニ可∨被‖申シ_下|也。恐々謹言。〔山田俊雄藏本〕
蒔(マキ)繪ノ手箱(テハコ)。硯函(スヽリハコ)。冠。表(ウヘ)ノ衣(キヌ)水旱(カン)。直衣狩衣(カリギヌ)。烏帽子。直垂。大口。大帷(カタヒラ)。大刀。長刀。腰刀。箙(エビラ)。胡籬(ヤナグイ)。大星ノ行騰(ムカバキ)。房鞦(フサシリガイ)牛ノ胸懸(ムナカケ)。等雖∨非‖上品ニ|。任‖註文ニ|无‖相違|之樣ニ可∨被‖申下|也。恐々謹言。〔経覺筆本〕
蒔_繪(マキエ)ノ手_箱(テハコ)。硯_筺(スヽリハコ)。冠(カフリ)。表(ウエ)ノ_衣(キヌ)水-旱(スイカン)。狩_衣(カリキヌ)。烏_帽_子(エホシ)。直_垂(ヒタタレ)。大_口。大_帷(カタヒラ)。太_刀。長_刀。腰_刀(コシカタナ)。箙(エヒラ)。胡_籬(ヤナクイ)。大_星ノ行_騰(ムカハキ)。房(フサ)ノ_鞦(シリカヒ)牛ノ_胸_懸(ムナカイ)等。雖モ∨非ト‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無‖相-違|之樣スニ可∨被‖申_下|也。恐-々謹-言。〔文明本〕
房鞦(フサシリガイ/バウシユウ・ネヤ,―)[平・平] 鞍具。〔器財門622八〕
房鞦(フサシリカイ) 馬具。〔弘・財宝180六〕〔永・財宝148五〕〔尭・財宝138六〕
403房鞦牛ノ胸懸等雖∨非‖上品ニ|任‖註文ニ|无‖相違|之樣ニ可∨被‖申下|也。恐々謹言 〔謙堂文庫藏四〇右@〕
とあって、標記語を「房鞦」とし、その語注記は、未記載にする。
房鞦(フサシリカヒ)牛ノ胸懸(ムナカヒ)等雖トモ∨非ト‖上品ニ|任せ‖注文ニ|無キ‖相違(イ)|之樣ニ可∨被‖申シ下|也 房鞦(フサシリカヒ)牛ノ胸懸ハ天性詞ニ出テ云ナリ。一切ノ事ヲ其縁ヲ以テ便トス。其謂ノ類ヲ以テ如此車牛ノ用歟。〔下十五オ四〜六〕
房(ふさ)の鞦(しりがい)/房ノ鞦 大ふさをさけかざりたる鞦也。鞦の注前にあり。〔54オ一〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すいかん)直衣(なふし)狩衣(かりぎぬ)烏帽子(ゑぼうし)直垂(ひたゝれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたひら)太刀(たち)長刀(なぎなた)腰刀(こしかたな)箙(ゑびら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはき)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)上品(しやうほん)に非(あら)ずと雖(いへども)注文(ちうもん)に任(まか)せ相違(さうい)無(な)き之(の)樣(やう)申(まう)し下(くだ)さ被(る)可(べ)き也(なり)恐恐(きやう/\)謹言(きんげん)/蒔繪ノ手箱。硯筺。冠。表ノ衣水干。直衣狩衣。烏帽子。直垂。大口。大帷子。太刀。長刀。腰刀。箙。胡籬。大星行騰。房鞦牛胸懸。等雖∨非ズト‖上品ニ|。任せ‖注文ニ|無キ‖相違|之樣可キ∨被‖申シ下サ|也。恐々謹言。▲房鞦ハ大総(ふさ)を下(さ)げ飾りたる也。鞦ハ六月の返状に注す。〔40ウ一〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すゐかん)直衣(なほし)狩衣(かりきぬ)烏帽子(ゑぼし)直垂(ひたたれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたびら)太刀(たち)長刀(なきなた)腰刀(こしかたな)箙(えひら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはぎ)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)雖(いへども)∨非(あら)ずと‖上品(しやうほん)に|任(まか)せ‖注文(ちうもん)に|無(な)き‖相違(さうい)|之(の)樣(やう)可(べ)き∨被(る)‖申(まう)し下(くだ)さ|也(なり)恐恐(きよう/\)謹言(きんげん)。▲房鞦ハ大総(おほふさ)を下(さ)げ飾(かざ)りたる也。鞦ハ六月の返状に注す。〔71ウ五・六〕
Fusa xirigai.フサシリガイ(房鞦) 馬の鞦(しりがい)の総(ふさ).ただし,この二語が連ねて用いられることはあまりなくて,その各語がそれぞれ単独に用いられる.〔邦訳285l〕
ふさ-しりがい〔名〕【房鞦】古くは連着(れんぢやく)の鞦。それに絲の總を着けたるもの。其總の厚く大きく長きを厚總(あつぶさ)、又は、大總(おほぶさ)と云ひ、紫なるを最上とし、(小總(こぶさ)もありり)、馬の三頭(さんづ)の上(辻(つじ)と云ふ)につくるを辻總(つじぶさ)と云ふ。天皇の御料は、悉皆紫染、其他は緋染(五位以上)、又、紫裾濃等、種種の色あり。相國寺供養記「次衞府長、騎馬總鞦」禮服記「鞦鞅有連着」注「俗云六總」源平盛衰記、廿一、小坪合戰事「泥葦毛の馬に、云云、燃立ばかりの厚總の鞦かけ」小右記、長和三年五月十六日「親王公卿走馬、云云、或懸連着鞦(大納言齋信)、或小總、辻總」太平記、十、長崎次郎高重最後合戰事「板東一の名馬に、金貝の鞍に、小總の鞦かけてぞ乘りたりける」吉部秘訓抄、仁安四年三月十三日、高野御幸、左衛門權佐經房「沃懸地鞍、辻總鞦」馬寮式「御鞦、云云、紫絲、云云」玉葉、治承二年十月三十日「春日祭使、良通、紫末濃鞦」〔1743-5〕
腰刀(―ガタナ)。〔元亀本232十〕
腰刀(コシカタナ)。〔静嘉堂本267七〕
腰刀(―カタナ)。〔天正十七年本中62ウ六〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水旱狩衣烏帽子直垂大口帷大刀長刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可申入候也恐々謹言〔至徳三年本〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷○[子]太刀腰刀箙胡籬大星行騰○[小]房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔宝徳三年本〕
蒔繪手箱硯函冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷太刀長刀腰刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔建部傳内本〕
蒔(マキ)繪ノ手_箱。硯_筺(ハコ)。冠(カンムリ)。表(ウヘ)ノ_衣直_衣(ナヲシ)水-旱。狩(カリ)_衣。烏-帽-子。直_垂(ヒタヽレ)。大_口。大_帷(カタ)。太_刀。長_刀。腰_刀。箙(ヱヒラ)。胡_籬(ヤナグイ)。大_星ノ行_騰(ムカバキ)。房_鞦(シリカイ)牛ノ胸_懸(ムナカイ)等雖∨非‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無キ‖相-違|之樣ニ可∨被‖申シ_下|也。恐々謹言。〔山田俊雄藏本〕
蒔(マキ)繪ノ手箱(テハコ)。硯函(スヽリハコ)。冠。表(ウヘ)ノ衣(キヌ)水旱(カン)。直衣狩衣(カリギヌ)。烏帽子。直垂。大口。大帷(カタヒラ)。大刀。長刀。腰刀。箙(エビラ)。胡籬(ヤナグイ)。大星ノ行騰(ムカバキ)。房鞦(フサシリガイ)牛ノ胸懸(ムナカケ)。等雖∨非‖上品ニ|。任‖註文ニ|无‖相違|之樣ニ可∨被‖申下|也。恐々謹言。〔経覺筆本〕
蒔_繪(マキエ)ノ手_箱(テハコ)。硯_筺(スヽリハコ)。冠(カフリ)。表(ウエ)ノ_衣(キヌ)水-旱(スイカン)。狩_衣(カリキヌ)。烏_帽_子(エホシ)。直_垂(ヒタタレ)。大_口。大_帷(カタヒラ)。太_刀。長_刀。腰_刀(コシカタナ)。箙(エヒラ)。胡_籬(ヤナクイ)。大_星ノ行_騰(ムカハキ)。房(フサ)ノ_鞦(シリカヒ)牛ノ_胸_懸(ムナカイ)等。雖モ∨非ト‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無‖相-違|之樣スニ可∨被‖申_下|也。恐-々謹-言。〔文明本〕
腰刀(コシガタナ/ヨフタウ)[平・平]。〔態藝門663六〕
腰當(コシアテ) ―物(モノ)。―刀(カタナ)。―挟(バサミ)。―鼓(ツヽミ)。〔器財157六〕
402大口大帷太刀長刀腰刀箙胡籬大星ノ行縢(ムカバキ) 鹿ノ春ノ皮也。〔謙堂文庫藏三九左I〕
とあって、標記語を「腰刀」とし、その語注記は、未記載にする。
烏帽子(エホシ)直垂(ヒタタレ)大口大帷子(カタヒラ)太刀(タチ)長刀(ナキナタ)腰刀(コシガタナ)箙(ヱビラ)胡籬(ヤナグイ) 皆公家ノ衣裳(イシヤウ)ナリ。〔下十四ウ五・六〕
太刀(たち)長刀(なぎなた)腰刀(こしかたな)/太刀長刀腰刀 装束(しやうぞく)の上にさす刀也。又九寸五分のよろひ返しとも云。〔53ウ五・六〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すいかん)直衣(なふし)狩衣(かりぎぬ)烏帽子(ゑぼうし)直垂(ひたゝれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたひら)太刀(たち)長刀(なぎなた)腰刀(こしかたな)箙(ゑびら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはき)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)上品(しやうほん)に非(あら)ずと雖(いへども)注文(ちうもん)に任(まか)せ相違(さうい)無(な)き之(の)樣(やう)申(まう)し下(くだ)さ被(る)可(べ)き也(なり)恐恐(きやう/\)謹言(きんげん)/蒔繪ノ手箱。硯筺。冠。表ノ衣水干。直衣狩衣。烏帽子。直垂。大口。大帷子。太刀。長刀。腰刀。箙。胡籬。大星行騰。房鞦牛胸懸。等雖∨非ズト‖上品ニ|。任せ‖注文ニ|無キ‖相違|之樣可キ∨被‖申シ下サ|也。恐々謹言。▲腰刀ハ短刀(たんとう)也。刺刀(よろひどほし)なとをいふ。〔40オ七〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すゐかん)直衣(なほし)狩衣(かりきぬ)烏帽子(ゑぼし)直垂(ひたたれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたびら)太刀(たち)長刀(なきなた)腰刀(こしかたな)箙(えひら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはぎ)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)雖(いへども)∨非(あら)ずと‖上品(しやうほん)に|任(まか)せ‖注文(ちうもん)に|無(な)き‖相違(さうい)|之(の)樣(やう)可(べ)き∨被(る)‖申(まう)し下(くだ)さ|也(なり)恐恐(きよう/\)謹言(きんげん)。▲腰刀ハ短刀(たんとう)也。刺刀(よろひどほし)などをいふ。〔71ウ五・六〕
Coxigatana.コシカタナ(腰刀) 腰にさして携える刀(Catana).〔邦訳156r〕
こし-がたな〔名〕【腰刀】〔自ら腰に刺し居る稱、太刀は、供人に持たす〕短刀の名。又腰指(こしざし)。鞘卷に同じ。刀劔問答「腰刀、云云、鞘卷の事なり、常に腰を離さぬ刀なる故、腰刀と云ふ」古事談、四、勇士「九寸ばかりなる腰刀」源平盛衰記、一、五節夜闇討事「殿上人たる者、腰刀を差しあらはす條、傍若無人の振舞也」(前後に、K鞘卷とあり)長門本平家物語、八、宮被討御事「腰刀を抜き、云云、腹掻くき切り」〔0679-2〕
大口(―クチ)。〔元亀本78二〕 帷子(カタヒラ) 左傳九―(カタヒラ)堂(ハツテ)而哭/同十七以∨―傳フ‖其ノ妻ニ|。〔元亀本349六〕
大口(ヲウクチ)。〔静嘉堂本95五〕 帷子(カタヒラ) 左傳九―(カタヒラ)堂(ハウテ)而哭同十七以∨―/傳其書。〔静嘉堂本420七〕
大口(ヲウクチ)。〔天正十七年本上47ウ二〕〔西來寺本〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水旱狩衣烏帽子直垂大口帷大刀長刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可申入候也恐々謹言〔至徳三年本〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷○[子]太刀腰刀箙胡籬大星行騰○[小]房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔宝徳三年本〕
蒔繪手箱硯函冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷太刀長刀腰刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔建部傳内本〕
蒔(マキ)繪ノ手_箱。硯_筺(ハコ)。冠(カンムリ)。表(ウヘ)ノ_衣直_衣(ナヲシ)水-旱。狩(カリ)_衣。烏-帽-子。直_垂(ヒタヽレ)。大_口。大_帷(カタ)。太_刀。長_刀。腰_刀。箙(ヱヒラ)。胡_籬(ヤナグイ)。大_星ノ行_騰(ムカバキ)。房_鞦(シリカイ)牛ノ胸_懸(ムナカイ)等雖∨非‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無キ‖相-違|之樣ニ可∨被‖申シ_下|也。恐々謹言。〔山田俊雄藏本〕
蒔(マキ)繪ノ手箱(テハコ)。硯函(スヽリハコ)。冠。表(ウヘ)ノ衣(キヌ)水旱(カン)。直衣狩衣(カリギヌ)。烏帽子。直垂。大口。大帷(カタヒラ)。大刀。長刀。腰刀。箙(エビラ)。胡籬(ヤナグイ)。大星ノ行騰(ムカバキ)。房鞦(フサシリガイ)牛ノ胸懸(ムナカケ)。等雖∨非‖上品ニ|。任‖註文ニ|无‖相違|之樣ニ可∨被‖申下|也。恐々謹言。〔経覺筆本〕
蒔_繪(マキエ)ノ手_箱(テハコ)。硯_筺(スヽリハコ)。冠(カフリ)。表(ウエ)ノ_衣(キヌ)水-旱(スイカン)。狩_衣(カリキヌ)。烏_帽_子(エホシ)。直_垂(ヒタタレ)。大_口。大_帷(カタヒラ)。太_刀。長_刀。腰_刀(コシカタナ)。箙(エヒラ)。胡_籬(ヤナクイ)。大_星ノ行_騰(ムカハキ)。房(フサ)ノ_鞦(シリカヒ)牛ノ_胸_懸(ムナカイ)等。雖モ∨非ト‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無‖相-違|之樣スニ可∨被‖申_下|也。恐-々謹-言。〔文明本〕
大口袴 ヲホクチノハカマ。表袴 同。遞 同。〔黒川本・雜物中66ウ一〕
大口袴 ヲホクチノハカマ。表遞 已上同。袵 ヲホクチ/衣前襟也。豢 同。〔卷第六・雜物316五・六〕
帷(ヰ) カタヒラ。幃 同。明衣 同。〔黒川本・雜物上80オ四〕
帷 カタヒラ。幃 。棲 見由部/殿上侍臣不着―――。心 已上同。〔卷第三・雜物209六〜210一〕
帷(カタヒラ) 。〔絹布門98五〕
大口(ヲホクチ/タイコウ)[去・上] 袴類。大帷(ヲホカタビラ/タイイ)[去・平] 。〔絹布門214二〕
帷子(カタビラ/イシ・タレヌノ,コ)[平・上] 。〔絹布門267五〕
大口(ヲウクチ) 袴ノ類。〔弘・財宝64六〕
大口(ヲヽクチ) 。〔永・財宝65七〕〔尭・財宝60二〕〔両・財寳70五〕
帷子(カタビラ)。〔弘・衣服83七〕
帷子(カタヒラ/タレヌノ)。〔永・財宝80七〕
帷(カタビラ/ヌレヌノ)。〔尭・財宝73四〕
帷子(カタヒラ)。〔両・財宝87七〕
諞(カタヒラ)。荘(同)。〔食服75四〕
402大口大帷太刀長刀腰刀箙胡籬大星ノ行縢(ムカバキ) 鹿ノ春ノ皮也。〔謙堂文庫藏三九左I〕
とあって、標記語を「大口」「大帷」とし、その語注記は、未記載にする。
烏帽子(エホシ)直垂(ヒタタレ)大口大帷子(カタヒラ)太刀(タチ)長刀(ナキナタ)腰刀(コシガタナ)箙(ヱビラ)胡籬(ヤナグイ) 皆公家ノ衣裳(イシヤウ)ナリ。〔下十四ウ五・六〕
大口(おほくち)/大口 はかまに似たる物なり。〔53ウ五〕
大帷子(おほかたひら)/大帷子 大口の上に着る物也。〔53ウ五〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すいかん)直衣(なふし)狩衣(かりぎぬ)烏帽子(ゑぼうし)直垂(ひたゝれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたひら)太刀(たち)長刀(なぎなた)腰刀(こしかたな)箙(ゑびら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはき)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)上品(しやうほん)に非(あら)ずと雖(いへども)注文(ちうもん)に任(まか)せ相違(さうい)無(な)き之(の)樣(やう)申(まう)し下(くだ)さ被(る)可(べ)き也(なり)恐恐(きやう/\)謹言(きんげん)/蒔繪ノ手箱。硯筺。冠。表ノ衣水干。直衣狩衣。烏帽子。直垂。大口。大帷子。太刀。長刀。腰刀。箙。胡籬。大星行騰。房鞦牛胸懸。等雖∨非ズト‖上品ニ|。任せ‖注文ニ|無キ‖相違|之樣可キ∨被‖申シ下サ|也。恐々謹言。▲大口ハ唐土(もろこし)魏(ぎ)の文帝(ぶんてい)より始るとぞ。白張(しらはり)にて作る。今能(のう)の袴に用るもの是也。▲大帷子ハ官家(くはんけ)の下着(したき)所謂(いはゆる)汗(あせ)とり也。〔40オ六・七〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すゐかん)直衣(なほし)狩衣(かりきぬ)烏帽子(ゑぼし)直垂(ひたたれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたびら)太刀(たち)長刀(なきなた)腰刀(こしかたな)箙(えひら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはぎ)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)雖(いへども)∨非(あら)ずと‖上品(しやうほん)に|任(まか)せ‖注文(ちうもん)に|無(な)き‖相違(さうい)|之(の)樣(やう)可(べ)き∨被(る)‖申(まう)し下(くだ)さ|也(なり)恐恐(きよう/\)謹言(きんげん)。▲大口ハ唐土(もろこし)魏(ぎ)の文帝(ぶんてい)より始るとぞ。白張(しらはり)にて作る。今能(のう)の袴に用るもの是也。▲大帷子ハ官家(くわんけ)の下着(したぎ)所謂(いはゆる)汗(あせ)とり也。〔71ウ五・六〕
Vo>cuchi.ヲゥクチ(大口) 演劇〔能〕に用いる袴で,口が広くて引きずるように長いもの.※原文はCalcoes.〔Facamaの注〕→Saxifasami,u.〔邦訳701l〕
Catabira.カタビラ(帷子) 夏着るひとえの着物で,中央部が開いているもの.→Catamayedare;Couari〜Fada〜;Minogoi;Tacamiya;Yu〜.〔邦訳105r〕
おほ-くち〔名〕【大口】(一)大いに口を開くこと。宇治拾遺物語、二、第三條「此磐()を見るに、まことに、龍の大口をあきたるに似たり」(二){次次條の語の略。〔0312-4〕
おほ-かたびら〔名〕【大帷子】布にて製し、装束の下に着る、短き服。古へは汗取りとして、夏のみ用ゐしが、後世は夏冬とも用ゐる。色は夏秋は紅、冬春は白、老人は香染を用ゐたり。〔0311-5〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水旱狩衣烏帽子直垂大口帷大刀長刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可申入候也恐々謹言〔至徳三年本〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷○[子]太刀腰刀箙胡籬大星行騰○[小]房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔宝徳三年本〕
蒔繪手箱硯函冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷太刀長刀腰刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔建部傳内本〕
蒔(マキ)繪ノ手_箱。硯_筺(ハコ)。冠(カンムリ)。表(ウヘ)ノ_衣直_衣(ナヲシ)水-旱。狩(カリ)_衣。烏-帽-子。直_垂(ヒタヽレ)。大_口。大_帷(カタ)。太_刀。長_刀。腰_刀。箙(ヱヒラ)。胡_籬(ヤナグイ)。大_星ノ行_騰(ムカバキ)。房_鞦(シリカイ)牛ノ胸_懸(ムナカイ)等雖∨非‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無キ‖相-違|之樣ニ可∨被‖申シ_下|也。恐々謹言。〔山田俊雄藏本〕
蒔(マキ)繪ノ手箱(テハコ)。硯函(スヽリハコ)。冠。表(ウヘ)ノ衣(キヌ)水旱(カン)。直衣狩衣(カリギヌ)。烏帽子。直垂。大口。大帷(カタヒラ)。大刀。長刀。腰刀。箙(エビラ)。胡籬(ヤナグイ)。大星ノ行騰(ムカバキ)。房鞦(フサシリガイ)牛ノ胸懸(ムナカケ)。等雖∨非‖上品ニ|。任‖註文ニ|无‖相違|之樣ニ可∨被‖申下|也。恐々謹言。〔経覺筆本〕
蒔_繪(マキエ)ノ手_箱(テハコ)。硯_筺(スヽリハコ)。冠(カフリ)。表(ウエ)ノ_衣(キヌ)水-旱(スイカン)。狩_衣(カリキヌ)。烏_帽_子(エホシ)。直_垂(ヒタタレ)。大_口。大_帷(カタヒラ)。太_刀。長_刀。腰_刀(コシカタナ)。箙(エヒラ)。胡_籬(ヤナクイ)。大_星ノ行_騰(ムカハキ)。房(フサ)ノ_鞦(シリカヒ)牛ノ_胸_懸(ムナカイ)等。雖モ∨非ト‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無‖相-違|之樣スニ可∨被‖申_下|也。恐-々謹-言。〔文明本〕
直垂 ヒタヽレ。〔黒川本・雜物下90ウ七〕
直垂 ヒタヽレ。〔卷第十・雜物345二〕
直垂(ヒタヽレ) 。〔絹布97二〕
直垂(ヒタヽレ/チヨクスイ,ナヲシ)[入・○] 或作單垂(ヒタヽレ)。〔絹布門1034七〕
直垂(ヒタヽレ)。單垂(同)。〔弘・衣服254三〕
直垂(ヒタヽレ) 單垂(ヒタヽレ)。〔永・財宝217六〕
直垂(ヒタヽレ) 又單垂。〔尭・財宝203二〕
直垂(ヒタヽレ) 。〔食服224六〕
401狩衣烏帽子直垂 畫草(ウカヤ)不葺合尊ノ尾篭之義ヲ爲∨本也。〔謙堂文庫藏三九左H〕※直垂―王ノ常住ノメシモノナリ。〔天理図書館藏『庭訓往来註』書込み〕、※鵜緊屮(ウカヤ)不葺合尊。〔国会図書館藏左貫注の注記〕
☆この訓みは、『塵添鮮嚢鈔』に依れば、「ウカヤフキアハセスノミコト」という。『鮮嚢鈔』第四の六十一・尾籠事に、「是ハ本朝ニ云始ル詞ト申セリ。慥ナル記録ヲ見侍ネ共或説ニ應神天皇海神ノ御末ナル故ニ龍尾御座シテ是ヲ隠サン為装束裾(キヨ)ト云者ヲ作リ始テ是ヲ引彼ノ尾ヲ令∨隠給ケル也。然ヲ出御時内侍未タ裾ノ内ニ有ヲ不∨知障子ニ立テ籠奉テケリ。其時尾籠也ト仰セナルヨリ始レル詞也トナン予是ヲ思ヒニ其義ハ然共装束ノ裾是ヨリ始マリ龍尾此君ノミマシマス事難信用侍ヘリ。其故ハ此御世ニ唐通(シニトウ)シテ經書ヲ渡シ装束ノ裾モ唐朝ヨリ侍リ」を参照。
とあって、標記語を「直垂」とし、その語注記は、「畫草不葺合尊の尾篭の義を本とすなり」と記載する。
烏帽子(エホシ)直垂(ヒタタレ)大口大帷子(カタヒラ)太刀(タチ)長刀(ナキナタ)腰刀(コシガタナ)箙(ヱビラ)胡籬(ヤナグイ) 皆公家ノ衣裳(イシヤウ)ナリ。〔下十四ウ五・六〕
烏帽子(ゑぼし)直垂(ひたたれ)大口(おほくち)/烏帽子直垂大口 はかまに似たる物なり。〔53ウ四・五〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すいかん)直衣(なふし)狩衣(かりぎぬ)烏帽子(ゑぼうし)直垂(ひたゝれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたひら)太刀(たち)長刀(なぎなた)腰刀(こしかたな)箙(ゑびら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはき)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)上品(しやうほん)に非(あら)ずと雖(いへども)注文(ちうもん)に任(まか)せ相違(さうい)無(な)き之(の)樣(やう)申(まう)し下(くだ)さ被(る)可(べ)き也(なり)恐恐(きやう/\)謹言(きんげん)/蒔繪ノ手箱。硯筺。冠。表ノ衣水干。直衣狩衣。烏帽子。直垂。大口。大帷子。太刀。長刀。腰刀。箙。胡籬。大星行騰。房鞦牛胸懸。等雖∨非ズト‖上品ニ|。任せ‖注文ニ|無キ‖相違|之樣可キ∨被‖申シ下サ|也。恐々謹言。▲直垂ハ其形(かたち)長絹(ちやうけん)に似(に)て菊綴(きくとち)なし。練絹を以て作(つく)る。胸緒(むなを)ハ打紐(うちひも)也。又布(ぬの)直垂は大なる紋(もん)を付る。依(よつ)て俗(ぞく)に大紋(だいもん)といふ。諸大夫(しよだいふ)これを着(ちやく)す。〔40オ六〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すゐかん)直衣(なほし)狩衣(かりきぬ)烏帽子(ゑぼし)直垂(ひたたれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたびら)太刀(たち)長刀(なきなた)腰刀(こしかたな)箙(えひら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはぎ)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)雖(いへども)∨非(あら)ずと‖上品(しやうほん)に|任(まか)せ‖注文(ちうもん)に|無(な)き‖相違(さうい)|之(の)樣(やう)可(べ)き∨被(る)‖申(まう)し下(くだ)さ|也(なり)恐恐(きよう/\)謹言(きんげん)。▲直垂ハ其形(かたち)長絹(ちやうけん)に似(に)て菊綴(きくとち)なし。練絹(ねりきぬ)を以て作(つく)る。胸緒(むなを)ハ打紐(うちひも)也。又布(ぬの)直垂ハ大なる紋(もん)を付る。依(よつ)て俗(ぞく)に大紋(だいもん)といふ。諸大夫(しよだいぶ)これを着(ちやく)す。〔70ウ五〕
Fitatare.ヒタヽレ(直垂) 公家(Cugues)が着用したり,武士が鎧の上に着たりする或る着物. ※原文にはpor cima das armasとあるが,“鎧の下に”の誤りであろう.→Nauoxi.〔邦訳245l〕
ひた-たれ〔名〕【直垂】〔もと、宿直の時、直衣(とのゐぎぬ)の上に着たるものと云ふ。上に直(ひた)と垂るる意の名なるべし。身の前後共に短く、帶なく、袴に着込み、武士の專用となれるも、宿衞に必ず着たるに起これるなるべし〕(一)古へ、庶人の服。後に禮服となる。紗、生絹(すずし)、精好(せいがう)、等にて作り、方領にて、紋無し。袖括りあり、胸紐、菊綴、皆、組緒なり。裾は袴の内に入り、袴は踝(くるぶし)に至る。後世は、長袴をも用ゐる。地、色、文は、衣、袴、共に同じ。又、鎧直垂(よろひひたたれ)、布(ぬの)直垂あり。各條に註す。四季草、秋草(伊勢貞丈)「古は官位なき侍も、式正の時は、素襖を脱ぎて直垂を着しけるなり、云云、御當家(徳川氏)に至りて、武家の禮服の階級を改めたまひて、四位の侍從已上は、精好の直垂、四品は狩衣、諸大夫は布直垂(大紋)、重き役人は布衣、其外は素襖と、御制法を立てられ、云云」和泉式部集「紫のおりものの直垂をきたりける」忠見集「ある人の直垂えさせんとあるが、うらをなん失ひたると申す」古今著聞集、五、和歌「おとど感じ給ひて、萩織りたる御ひたたれ、押し出して給はせけり」平治物語、二、信頼降參事「齢七十計なる入道の、柿の直垂に、文書袋くびに掛けたるが」源平盛衰記、三十四、知康藝能事「先づ鼓を取て、始には居ながら打けるが、後には跪き、直垂を肩脱ぎて、云云」太平記、四十、中殿御會事「佐佐木佐渡四郎左衛門尉時秀、地白の直垂、云云、小串次郎左衛門尉詮行、地K(ぐろ)の直垂に銀箔にて二雁を押し、云云、大内修理亮、地香の直垂、云云、本間左衛門太郎義景、地白紫の片身がはりの直垂、云云、征夷大將軍正二位大納言源朝臣義詮卿、薄色の立紋の織物の指貫に、紅の打衣を出し、常の直垂也」(二)次條の語の略。台記、別記「賜‖比多多禮|、仰云、路頭定有‖寒氣|、以∨之禦∨寒」兵範記、保元三年二月五日「男女相伴被∨入‖帳中|、下官覆衾、(原注、直垂也)」今昔物語集、廿六、第十七語「入て寢んとするに、そこに綿四五寸ばかりあるひたたれあり、云云、練色の衣三が上に、此ひたたれ引着て臥したりける」玉海、文治六年正月十一日「御入内、北方臥御、其上先着‖紅御直垂|、其上奉‖御衾|」〔1668-5〜1669-1〕
水干(―ガン)。〔元亀本359四〕
水干(―カン)。〔静嘉堂本437三〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水旱狩衣烏帽子直垂大口帷大刀長刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可申入候也恐々謹言〔至徳三年本〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷○[子]太刀腰刀箙胡籬大星行騰○[小]房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔宝徳三年本〕
蒔繪手箱硯函冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷太刀長刀腰刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔建部傳内本〕
蒔(マキ)繪ノ手_箱。硯_筺(ハコ)。冠(カンムリ)。表(ウヘ)ノ_衣直_衣(ナヲシ)水-旱。狩(カリ)_衣。烏-帽-子。直_垂(ヒタヽレ)。大_口。大_帷(カタ)。太_刀。長_刀。腰_刀。箙(ヱヒラ)。胡_籬(ヤナグイ)。大_星ノ行_騰(ムカバキ)。房_鞦(シリカイ)牛ノ胸_懸(ムナカイ)等雖∨非‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無キ‖相-違|之樣ニ可∨被‖申シ_下|也。恐々謹言。〔山田俊雄藏本〕
蒔(マキ)繪ノ手箱(テハコ)。硯函(スヽリハコ)。冠。表(ウヘ)ノ衣(キヌ)水旱(カン)。直衣狩衣(カリギヌ)。烏帽子。直垂。大口。大帷(カタヒラ)。大刀。長刀。腰刀。箙(エビラ)。胡籬(ヤナグイ)。大星ノ行騰(ムカバキ)。房鞦(フサシリガイ)牛ノ胸懸(ムナカケ)。等雖∨非‖上品ニ|。任‖註文ニ|无‖相違|之樣ニ可∨被‖申下|也。恐々謹言。〔経覺筆本〕
蒔_繪(マキエ)ノ手_箱(テハコ)。硯_筺(スヽリハコ)。冠(カフリ)。表(ウエ)ノ_衣(キヌ)水-旱(スイカン)。狩_衣(カリキヌ)。烏_帽_子(エホシ)。直_垂(ヒタタレ)。大_口。大_帷(カタヒラ)。太_刀。長_刀。腰_刀(コシカタナ)。箙(エヒラ)。胡_籬(ヤナクイ)。大_星ノ行_騰(ムカハキ)。房(フサ)ノ_鞦(シリカヒ)牛ノ_胸_懸(ムナカイ)等。雖モ∨非ト‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無‖相-違|之樣スニ可∨被‖申_下|也。恐-々謹-言。〔文明本〕
水干 スイカン。〔黒川本・雜物下110オ一〕 水旱不損。〔黒川本・疉字下113ウ五〕
水干 スイカン。〔卷第十・雜物501六〕
水天 〃陸。〃驛。〃〓(火+雲)。〃歛。〃檻。〃泉。〃區。〃府。〃石。〃精。〃風。〃窓。〃蓼。〃波。〃手。〃干。〃銀。〃牛。〃雲。〃楊。〃閣。〔卷第十・重點528二〕
水干(スイカン/ミヅ,モトム・ホス)[上・平] 上衣也。非‖常住ノ衣裳ニ|。天下旱時為∨祈∨雨著‖此服|。〔絹布門1147七・八〕
不(ザル)トキハ∨法(ハウ)トせ∨―(ハフ)則水旱(スイカン)發(ハツ)ス々々發(ハツ)スル則(トキ)ハ万民(バンミン)病(ヤマイ)ス 六韜。〔態藝門65一〕
とあって、標記語「水干」の語を収載し、その読みを「スイカン」とし、その語注記は、「上衣なり。常住の衣裳にあらず。天下旱時に雨る祈りをなすに此の服を著す」と記載する。この語注記は、下記に記す真字本の注記に等しい。ここに広本『節用集』と真字本註の連関性が認められるのである。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
水干(―カン) 舞衣。〔弘・衣服270二〕
水干(スイカン) 。〔永・財宝231五〕〔尭・財宝217三〕
400冠(カンムリ)表衣(ウ−キ/−ウハヘ)ノ水旱 常住ノ非‖衣裳|天-下旱ルノ時為∨祈此服ヲ着也。〔謙堂文庫藏三九左H〕
※水旱―東坡句云遠人カ罹ル水旱王命解■■。〔国会図書館藏左貫注書込み〕
とあって、標記語を「水旱」とし、その語注記は、「常住の衣裳にあらず、天下旱るの時祈りを為す、此の服を着なり」と記載する。ここで、元来「スイカン」が旱りの祈祷の際に着用されたものであることからというその由来が記載されていることに注意しておきたい。
水干(スイカン) ハ打懸(ウチカケ)テ著(キ)ル衣也。〔下十四オ八〕
水旱(すいかん)/水旱 うちかけて上に着る衣(ころも)なり。〔53ウ三〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すいかん)直衣(なふし)狩衣(かりぎぬ)烏帽子(ゑぼうし)直垂(ひたゝれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたひら)太刀(たち)長刀(なぎなた)腰刀(こしかたな)箙(ゑびら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはき)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)上品(しやうほん)に非(あら)ずと雖(いへども)注文(ちうもん)に任(まか)せ相違(さうい)無(な)き之(の)樣(やう)申(まう)し下(くだ)さ被(る)可(べ)き也(なり)恐恐(きやう/\)謹言(きんげん)/蒔繪ノ手箱。硯筺。冠。表ノ衣水干。直衣狩衣。烏帽子。直垂。大口。大帷子。太刀。長刀。腰刀。箙。胡籬。大星行騰。房鞦牛胸懸。等雖∨非ズト‖上品ニ|。任せ‖注文ニ|無キ‖相違|之樣可キ∨被‖申シ下サ|也。恐々謹言。▲水干ハ紗平絹(しやへいけん)等にて制(せい)す。絹直垂(きぬひたゝれ)の如くにして胸紐(むなひも)露紐(つゆひも)あり。〔40オ三・四〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すゐかん)直衣(なほし)狩衣(かりきぬ)烏帽子(ゑぼし)直垂(ひたたれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたびら)太刀(たち)長刀(なきなた)腰刀(こしかたな)箙(えひら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはぎ)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)雖(いへども)∨非(あら)ずと‖上品(しやうほん)に|任(まか)せ‖注文(ちうもん)に|無(な)き‖相違(さうい)|之(の)樣(やう)可(べ)き∨被(る)‖申(まう)し下(くだ)さ|也(なり)恐恐(きよう/\)謹言(きんげん)。▲水干ハ紗平絹(しやへいけん)等にて制(せい)す。絹直垂(きぬひたゝれ)の如くにして胸紐(むなひも)露紐(つゆひも)あり。〔71オ六〜ウ一〕
Suican.スイカン(水干) 演劇〔能〕で用いる或る薄い着物.→次条.〔邦訳585l〕
†Suican.*スイカン(水干) §また,公家(Cungues)の着用するある種の服.〔邦訳585l〕
Suican.スイカン(水旱) 洪水による損失と,旱魃によって起こる損失と.〔邦訳585l〕
すい-かん〔名〕【水干】〔かがふりの音便〕(一)頭に被るものの總稱。かうぶり。かうむり。かむり。水干帽革制考、「上古の水干は、いかにとも考ふべき據なし、推古の御宇より、如嚢水干を用ひたまひしを、天武天皇の十一年より、改めて漆紗水干を用ひ給ふ、是即、令にいふ頭巾にて、葬頭といふも、同物なり」(二)古へ、衣水干束帶の時に用ゐし、かぶりもの。其の形状、種類、多し、各條を見よ。(三)漢字の頭につく、種種の字の稱。(ウ水干、艸水干、竹水干の類)〔0432-1〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水旱狩衣烏帽子直垂大口帷大刀長刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可申入候也恐々謹言〔至徳三年本〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷○[子]太刀腰刀箙胡籬大星行騰○[小]房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔宝徳三年本〕
蒔繪手箱硯函冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷太刀長刀腰刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔建部傳内本〕
蒔(マキ)繪ノ手_箱。硯_筺(ハコ)。冠(カンムリ)。表(ウヘ)ノ_衣直_衣(ナヲシ)水-旱。狩(カリ)_衣。烏-帽-子。直_垂(ヒタヽレ)。大_口。大_帷(カタ)。太_刀。長_刀。腰_刀。箙(ヱヒラ)。胡_籬(ヤナグイ)。大_星ノ行_騰(ムカバキ)。房_鞦(シリカイ)牛ノ胸_懸(ムナカイ)等雖∨非‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無キ‖相-違|之樣ニ可∨被‖申シ_下|也。恐々謹言。〔山田俊雄藏本〕
蒔(マキ)繪ノ手箱(テハコ)。硯函(スヽリハコ)。冠。表(ウヘ)ノ衣(キヌ)水旱(カン)。直衣狩衣(カリギヌ)。烏帽子。直垂。大口。大帷(カタヒラ)。大刀。長刀。腰刀。箙(エビラ)。胡籬(ヤナグイ)。大星ノ行騰(ムカバキ)。房鞦(フサシリガイ)牛ノ胸懸(ムナカケ)。等雖∨非‖上品ニ|。任‖註文ニ|无‖相違|之樣ニ可∨被‖申下|也。恐々謹言。〔経覺筆本〕
蒔_繪(マキエ)ノ手_箱(テハコ)。硯_筺(スヽリハコ)。冠(カフリ)。表(ウエ)ノ_衣(キヌ)水-旱(スイカン)。狩_衣(カリキヌ)。烏_帽_子(エホシ)。直_垂(ヒタタレ)。大_口。大_帷(カタヒラ)。太_刀。長_刀。腰_刀(コシカタナ)。箙(エヒラ)。胡_籬(ヤナクイ)。大_星ノ行_騰(ムカハキ)。房(フサ)ノ_鞦(シリカヒ)牛ノ_胸_懸(ムナカイ)等。雖モ∨非ト‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無‖相-違|之樣スニ可∨被‖申_下|也。恐-々謹-言。〔文明本〕
袍 去戸俗/ウヘノキヌ/薄裳反。衫(サン) 同。譎(テイ) 同。表衣 同/俗用之。〔黒川本・雜物中50ウ三〕
袍 ウヘノキヌ/宣聲之時出之参議定主始夏時着/位―。新―。彭袍裳反。夏袍事 滋相公傳云 弘仁十四年夏穀袍參冷泉院太上皇聞之甚賜美謔明年夏御熱盛發不得着厚衣試着穀袍極合御意天下自此悉着之是穀衣始自 貞主貞主身長六尺二寸。盤。衫。表衣 已上同/俗用之。〔卷第五・雜物177三〜六〕
八コ(ハツトク/ヤツ,サイワイ)[入・入]日本ノ俗表衣(ウワギヌ)也。〔絹布門59一〕
表(ウハ) ―著(ギ)。―裹(ヅヽミ)。―刺(ザシ)。―衣(キヌ)。―袴(ハカマ)。〔食服117七〕
400冠(カンムリ)表衣(ウ−キ/−ウハヘ)ノ水旱 常住ノ非‖衣裳|天-下旱ルノ時為∨祈此服ヲ着也。〔謙堂文庫藏三九左H〕
とあって、標記語を「表衣」とし、その語注記は、「常住の衣裳にあらず、天下旱るの時祈りを為す、此の服を着なり」と記載する。
表衣(ウヘキヌ) ノ事黒(クロ)シ。装束(シヤウソク)也。〔下十四オ八〕
表(うへ)の衣(きぬ)/表ノ衣 公家の上(うへ)に着る衣なり。〔53ウ二・三〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すいかん)直衣(なふし)狩衣(かりぎぬ)烏帽子(ゑぼうし)直垂(ひたゝれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたひら)太刀(たち)長刀(なぎなた)腰刀(こしかたな)箙(ゑびら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはき)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)上品(しやうほん)に非(あら)ずと雖(いへども)注文(ちうもん)に任(まか)せ相違(さうい)無(な)き之(の)樣(やう)申(まう)し下(くだ)さ被(る)可(べ)き也(なり)恐恐(きやう/\)謹言(きんげん)/蒔繪ノ手箱。硯筺。冠。表ノ衣水干。直衣狩衣。烏帽子。直垂。大口。大帷子。太刀。長刀。腰刀。箙。胡籬。大星行騰。房鞦牛胸懸。等雖∨非ズト‖上品ニ|。任せ‖注文ニ|無キ‖相違|之樣可キ∨被‖申シ下サ|也。恐々謹言。▲表ノ衣ハ即袍(ほう)なり。闕腋(けつてき)縫腋(ほうゑき)の二樣あり。共に染色(そめいろ)と地紋との差(たがひ)を以て尊卑(そんひ)を分(わか)つ。〔40オ三〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すゐかん)直衣(なほし)狩衣(かりきぬ)烏帽子(ゑぼし)直垂(ひたたれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたびら)太刀(たち)長刀(なきなた)腰刀(こしかたな)箙(えひら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはぎ)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)雖(いへども)∨非(あら)ずと‖上品(しやうほん)に|任(まか)せ‖注文(ちうもん)に|無(な)き‖相違(さうい)|之(の)樣(やう)可(べ)き∨被(る)‖申(まう)し下(くだ)さ|也(なり)恐恐(きよう/\)謹言(きんげん)。▲表衣ハ即袍(ほう)なり。闕腋(けつてき)縫腋(ほうえき)乃二樣(やう)あり。共に染色(そめいろ)と地紋(ぢもん)との差(たがひ)を以て尊卑(そんひ)を分(わか)つ。〔70ウ六〕
Vuaguinu.ウワギヌ(上衣・表衣) 上に重ねて着る軽い着物.〔邦訳737r〕
うは-ぎ〔名〕【上着】衣の、最も上に着るものの稱。表衣。金葉集、四、冬「なかなかに、霜のうはぎを、重ねても、鴛鴦の毛衣、さえまさるらむ」堀河百首、秋「標の内に、八重咲く菊の、朝ごとに、露こそ花の、うはぎなりけれ」〔0249-5〕
うへ-の-きぬ〔名〕【表衣】はう(袍)に同じ。倭名抄、十二18「袍、宇倍乃岐沼、一云、朝服、着襴之袷衣也」名目抄、「位袍(ゐはう)、又號‖表衣(うへのきぬ)|」源氏物語、八、花宴12「皆人は、うへのきぬなるに、あざれたる大君姿の、なまめきたるに」〔0253-3〕
冠(カフリ)。〔元亀本104四〕〔静嘉堂本130八〕
冠(カンフリ)。〔天正十七年本上64オ六〕〔西來寺本〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水旱狩衣烏帽子直垂大口帷大刀長刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可申入候也恐々謹言〔至徳三年本〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷○[子]太刀腰刀箙胡籬大星行騰○[小]房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔宝徳三年本〕
蒔繪手箱硯函冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷太刀長刀腰刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔建部傳内本〕
蒔(マキ)繪ノ手_箱。硯_筺(ハコ)。冠(カンムリ)。表(ウヘ)ノ_衣直_衣(ナヲシ)水-旱。狩(カリ)_衣。烏-帽-子。直_垂(ヒタヽレ)。大_口。大_帷(カタ)。太_刀。長_刀。腰_刀。箙(ヱヒラ)。胡_籬(ヤナグイ)。大_星ノ行_騰(ムカバキ)。房_鞦(シリカイ)牛ノ胸_懸(ムナカイ)等雖∨非‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無キ‖相-違|之樣ニ可∨被‖申シ_下|也。恐々謹言。〔山田俊雄藏本〕
蒔(マキ)繪ノ手箱(テハコ)。硯函(スヽリハコ)。冠。表(ウヘ)ノ衣(キヌ)水旱(カン)。直衣狩衣(カリギヌ)。烏帽子。直垂。大口。大帷(カタヒラ)。大刀。長刀。腰刀。箙(エビラ)。胡籬(ヤナグイ)。大星ノ行騰(ムカバキ)。房鞦(フサシリガイ)牛ノ胸懸(ムナカケ)。等雖∨非‖上品ニ|。任‖註文ニ|无‖相違|之樣ニ可∨被‖申下|也。恐々謹言。〔経覺筆本〕
蒔_繪(マキエ)ノ手_箱(テハコ)。硯_筺(スヽリハコ)。冠(カフリ)。表(ウエ)ノ_衣(キヌ)水-旱(スイカン)。狩_衣(カリキヌ)。烏_帽_子(エホシ)。直_垂(ヒタタレ)。大_口。大_帷(カタヒラ)。太_刀。長_刀。腰_刀(コシカタナ)。箙(エヒラ)。胡_籬(ヤナクイ)。大_星ノ行_騰(ムカハキ)。房(フサ)ノ_鞦(シリカヒ)牛ノ_胸_懸(ムナカイ)等。雖モ∨非ト‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無‖相-違|之樣スニ可∨被‖申_下|也。恐-々謹-言。〔文明本〕
冠(クワン) カヲフリ。迅同。葬頭同。毬同。冕同。弁同。爵同。〔黒川本・雜物上80オ一〕
冠 カフリ。貢飾漢高祖以竹皮為冠/―官亦―貫。黄帝造之。葬頭 亦作霙/上房王反/亦曰頭巾。冕 冤/―冤。―玉。毬 側草反。弁。爵。雲冠 舞―。天冠。幗 チキリカフリ已上同。冠事本朝事始云天武天皇十一年六月丁卯男夫始結髪仍着漆紗冠。〔卷第三・雜物208二〜五〕
冠(カフリ) 。〔器財門110四〕
冠(カンムリ/クワン)[平去] 黄帝始作。異名金鐺。玄鬼。通天。蹇豸。進賢。章甫万。窿菎。貂蝉柳宗元詩。虎皮李白詩。軒冕万。竹皮冠漢高祖。介毬大冠也。緇希恵。又、夏収。黄収。母追。大古。〔器財門268四・五〕
冠(カンムリ)。簪(同)。釵(同)。〔弘・財宝83八〕
冠(カウフリ) 。〔永・財宝80八〕〔両・財宝87八〕
冠(カムリ) 。〔尭・財宝73五〕
400冠(カンムリ)表衣(ウ−キ/−ウハヘ)ノ水旱 常住ノ非‖衣裳|天-下旱ルノ時為∨祈此服ヲ着也。〔謙堂文庫藏三九左H〕
とあって、標記語を「冠」とし、その語注記は未記載にする。
冠(カンムリ) ハ公家ノ道具ナリ。〔下十四オ八〕
冠(かんむり)/冠 聖徳太子(しやうとくたいし)冠乃制度(せいと)を定め玉ふ。大織大縫小縫大紫小紫大錦等錦大山小山大乙小乙大建小建等の品あり。〔53ウ一・二〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すいかん)直衣(なふし)狩衣(かりぎぬ)烏帽子(ゑぼうし)直垂(ひたゝれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたひら)太刀(たち)長刀(なぎなた)腰刀(こしかたな)箙(ゑびら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはき)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)上品(しやうほん)に非(あら)ずと雖(いへども)注文(ちうもん)に任(まか)せ相違(さうい)無(な)き之(の)樣(やう)申(まう)し下(くだ)さ被(る)可(べ)き也(なり)恐恐(きやう/\)謹言(きんげん)/蒔繪ノ手箱。硯筺。冠。表ノ衣水干。直衣狩衣。烏帽子。直垂。大口。大帷子。太刀。長刀。腰刀。箙。胡籬。大星行騰。房鞦牛胸懸。等雖∨非ズト‖上品ニ|。任せ‖注文ニ|無キ‖相違|之樣可キ∨被‖申シ下サ|也。恐々謹言。▲冠ハ人皇(わう)第四代懿徳(いとく)天皇の御宇(きよう)に始(はじま)る。今の制(せい)ハ四十二代文武(もんぶ)天皇乃御宇改めらるゝ所也。厚額(あつひたい)。透額(すきひたい)の二品あり。〔40オ二〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すゐかん)直衣(なほし)狩衣(かりきぬ)烏帽子(ゑぼし)直垂(ひたたれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたびら)太刀(たち)長刀(なきなた)腰刀(こしかたな)箙(えひら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはぎ)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)雖(いへども)∨非(あら)ずと‖上品(しやうほん)に|任(まか)せ‖注文(ちうもん)に|無(な)き‖相違(さうい)|之(の)樣(やう)可(べ)き∨被(る)‖申(まう)し下(くだ)さ|也(なり)恐恐(きよう/\)謹言(きんげん)。▲冠ハ人皇(にんわう)第四代懿徳(いとく)天皇の御宇(きよう)に始(はじま)る。今の制(せい)ハ四十二代文武(もんぶ)天皇乃御宇改めらるゝ所也。厚額(あつひたひ)。透額(すきひたひ)の二品あり。〔70ウ五〕
Camuri.カフリ(冠) 冠.あるいは,頭巾などのように頭にかぶる〔官位を示す〕標章.→次条;Coji(巾子).〔邦訳86r〕
†Camuri.*カフリ(冠) §また,日本のある種の文字〔漢字〕の上の部分.〔邦訳86r〕
かん-むり〔名〕【冠】〔かがふりの音便〕(一)頭に被るものの總稱。かうぶり。かうむり。かむり。冠帽革制考、「上古の冠は、いかにとも考ふべき據なし、推古の御宇より、如嚢冠を用ひたまひしを、天武天皇の十一年より、改めて漆紗冠を用ひ給ふ、是即、令にいふ頭巾にて、葬頭といふも、同物なり」(二)古へ、衣冠束帶の時に用ゐし、かぶりもの。其の形状、種類、多し、各條を見よ。(三)漢字の頭につく、種種の字の稱。(ウ冠、艸冠、竹冠の類)〔0432-1〕
硯(スヾリ)。〔元亀本362三〕 箱(ハコ)。筥(同)。〔元亀本34九〕
硯(スヽリ)。〔静嘉堂本441五〕 箱(ハコ)。筥(同)。〔静嘉堂本37一〕
箱(ハコ)。筥(同)。〔天正十七年本19オ六〕〔西來寺本〕
とあって、語注記は未記載にする。
蒔畫手箱硯筺冠表衣水旱狩衣烏帽子直垂大口帷大刀長刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可申入候也恐々謹言〔至徳三年本〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷○[子]太刀腰刀箙胡籬大星行騰○[小]房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔宝徳三年本〕
蒔繪手箱硯函冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷太刀長刀腰刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔建部傳内本〕
蒔(マキ)繪ノ手_箱。硯_筺(ハコ)。冠(カンムリ)。表(ウヘ)ノ_衣直_衣(ナヲシ)水-旱。狩(カリ)_衣。烏-帽-子。直_垂(ヒタヽレ)。大_口。大_帷(カタ)。太_刀。長_刀。腰_刀。箙(ヱヒラ)。胡_籬(ヤナグイ)。大_星ノ行_騰(ムカバキ)。房_鞦(シリカイ)牛ノ胸_懸(ムナカイ)等雖∨非‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無キ‖相-違|之樣ニ可∨被‖申シ_下|也。恐々謹言。〔山田俊雄藏本〕
蒔(マキ)繪ノ手箱(テハコ)。硯函(スヽリハコ)。冠。表(ウヘ)ノ衣(キヌ)水旱(カン)。直衣狩衣(カリギヌ)。烏帽子。直垂。大口。大帷(カタヒラ)。大刀。長刀。腰刀。箙(エビラ)。胡籬(ヤナグイ)。大星ノ行騰(ムカバキ)。房鞦(フサシリガイ)牛ノ胸懸(ムナカケ)。等雖∨非‖上品ニ|。任‖註文ニ|无‖相違|之樣ニ可∨被‖申下|也。恐々謹言。〔経覺筆本〕
蒔_繪(マキエ)ノ手_箱(テハコ)。硯_筺(スヽリハコ)。冠(カフリ)。表(ウエ)ノ_衣(キヌ)水-旱(スイカン)。狩_衣(カリキヌ)。烏_帽_子(エホシ)。直_垂(ヒタタレ)。大_口。大_帷(カタヒラ)。太_刀。長_刀。腰_刀(コシカタナ)。箙(エヒラ)。胡_籬(ヤナクイ)。大_星ノ行_騰(ムカハキ)。房(フサ)ノ_鞦(シリカヒ)牛ノ_胸_懸(ムナカイ)等。雖モ∨非ト‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無‖相-違|之樣スニ可∨被‖申_下|也。恐-々謹-言。〔文明本〕
硯(スヽリ) 晋銀(シンキン)/五旬反。研見同。絵同。〔黒川本・雜物下109ウ四〕
硯スミスリ/スヽリ。研見。研。六硯/圖書式云御。絵 已上同。〔卷第十・雜物500二〕
澑瓦(ゲウグワ) 。陶泓(タウワウ) 。馬蹄(バテイ) 。龍淵(リヨウエン) 。陳玄(チンゲン) 。鳳味(ホウミ) 。石郷侯(セキケイコウ) 以上ノ七ハ者硯ノ異名ナリ也。〔器財120四・五〕
硯(スヾリ/ケン)[去] 子路始作。釋名曰、硯者研也。可‖研∨墨ヲ使∨和。儒書ノ譜ニ云、用∨硯之法石ヲ為‖第一ト|。瓦ヲ為‖第二ト|。鶴林玉露蘓松利書史すゝり。 異名陶泓。端石。墨渕。玄津。端研。豆斑。紅縁。黄玉。黄石。褐色。鵲金。紫石。青金。磁洞。石未。古瓦。懸金。崕石。馬蹄。亀首。墨池。結隣。馬肝。筆海。東海。石丈人。即墨侯。紫潭。戸延。石処士。石人。石穴。老泓。風字硯。涵星。澑瓦。天眼。鶴眼。猪肝。色清宜。紫雲。龍尾。眉子。石郷侯。陳玄。烏石。詞源。寳泓。端溪出処也。瓦石。■■立。筆青玉。玉余小。石硯。雲根。朝林。金色。一天。雨虫。无双。干戈。時節。四硯。石微。馳基。磁潤。墨角烏。 澄泥貫花。魯石。金崔。亀有。張芝。石空。玉石。銀帶。玉渕。天銀。鑚鋪。巨璞。清淡。雲漢。清河。天宵。銀津。金池。角石。端色。角浪。松又。鶴金。蚪竈。眼鳳味。半柱。清直。大院。魯氷。空中。藥石。主充人。〔器財門1126一〜六〕 ※「波」部に標記語「はこ」は未収載。
硯(スヽリ) 鶴林玉露作‖松蘓利(スヽリ)|。〔弘・財宝269五〕
松蘓利(スヽリ) 鶴林玉露在之。硯也。 硯(スヾリ/ケン) 。〔永・財宝231二、四〕
松蘓利(スヾリ) 鶴林玉露在之。硯也。 硯(スヽリ) 。〔尭・財宝217一、二〕
箱(ハコ)。匣(同)。函(同)。〔弘・財宝21二〕〔永・財宝19六〕
箱(ハコ)。匣/函。〔尭・財宝22五〕
松蘓利(スヾリ) 。硯(同) 。研(同) 。〔器財240四〕
箱(ハコ)。筥(同)。函(同)。〔器財20二〕
匳 鑑―。斂(同)。奩(同)二字同上。〔器財20二〕
匣(ハコ)。笈(同)書箱。〔器財20三〕
399小袖同懸帶蒔繪手箱硯函 硯ハ子路作也。〔謙堂文庫藏三九左G〕
とあって、標記語を「硯箱」とし、その語注記は、「硯」として「硯は、子路の作なり」と記載する。この「硯」については、
懸帶(カケヲビ)蒔繪(マキヱ)ノ手箱(テバコ)硯箱(スヽリバコ) 懸帶(カケヲビ)トハ七尺ノ帶ヲカタヨリウシロヘ打(ウチ)カケテ有ナリ。〔下十四オ七〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)/蒔繪ノ手箱硯筺 定家行成其外諸流の形なり。〔53オ八〜ウ一〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すいかん)直衣(なふし)狩衣(かりぎぬ)烏帽子(ゑぼうし)直垂(ひたゝれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたひら)太刀(たち)長刀(なぎなた)腰刀(こしかたな)箙(ゑびら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはき)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)上品(しやうほん)に非(あら)ずと雖(いへども)注文(ちうもん)に任(まか)せ相違(さうい)無(な)き之(の)樣(やう)申(まう)し下(くだ)さ被(る)可(べ)き也(なり)恐恐(きやう/\)謹言(きんげん)/蒔繪ノ手箱。硯筺。冠。表ノ衣水干。直衣狩衣。烏帽子。直垂。大口。大帷子。太刀。長刀。腰刀。箙。胡籬。大星行騰。房鞦牛胸懸。等雖∨非ズト‖上品ニ|。任せ‖注文ニ|無キ‖相違|之樣可キ∨被‖申シ下サ|也。恐々謹言。〔39ウ六〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すゐかん)直衣(なほし)狩衣(かりきぬ)烏帽子(ゑぼし)直垂(ひたたれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたびら)太刀(たち)長刀(なきなた)腰刀(こしかたな)箙(えひら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはぎ)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)雖(いへども)∨非(あら)ずと‖上品(しやうほん)に|任(まか)せ‖注文(ちうもん)に|無(な)き‖相違(さうい)|之(の)樣(やう)可(べ)き∨被(る)‖申(まう)し下(くだ)さ|也(なり)恐恐(きよう/\)謹言(きんげん)。〔70ウ五〕
Suzuribaco.スヾリバコ(硯箱) 日本のインク壺〔硯〕を入れる小箱.〔邦訳594l〕
すずり-ばこ〔名〕【硯箱】硯、墨、筆、等を入れ置く、小さき匣。あたりばこ。硯函。古今著聞集、五、和歌、平治元年二月廿五日「硯蓋(すゞりばこ)に、紅の薄様を敷きて、雪を盛りて出されたるに」同、三、政道忠臣、承元二年十二月九日、京官除目「左大將にて、一の筥置かせ給ふとて、先の人の置違へられたる硯筥ながら、北へ押し上げさせ給たりける」熟語名詞に用ゐたるは、源氏物語、九、葵46「御硯のはこを、御帳の内に差し入て、おはしにけり」〔1050-4〕
手箱(―バコ)。〔元亀本243八〕〔静嘉堂本281三〕
手箱(―ハコ)。〔天正十七年本中69ウ二〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水旱狩衣烏帽子直垂大口帷大刀長刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可申入候也恐々謹言〔至徳三年本〕
蒔畫手箱硯筺冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷○[子]太刀腰刀箙胡籬大星行騰○[小]房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔宝徳三年本〕
蒔繪手箱硯函冠表衣水干狩衣烏帽子直垂大口大帷太刀長刀腰刀箙胡籬大星行騰房鞦牛胸懸等雖非上品任注文無相違之樣可被申下也恐々謹言〔建部傳内本〕
蒔(マキ)繪ノ手_箱。硯_筺(ハコ)。冠(カンムリ)。表(ウヘ)ノ_衣直_衣(ナヲシ)水-旱。狩(カリ)_衣。烏-帽-子。直_垂(ヒタヽレ)。大_口。大_帷(カタ)。太_刀。長_刀。腰_刀。箙(ヱヒラ)。胡_籬(ヤナグイ)。大_星ノ行_騰(ムカバキ)。房_鞦(シリカイ)牛ノ胸_懸(ムナカイ)等雖∨非‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無キ‖相-違|之樣ニ可∨被‖申シ_下|也。恐々謹言。〔山田俊雄藏本〕
蒔(マキ)繪ノ手箱(テハコ)。硯函(スヽリハコ)。冠。表(ウヘ)ノ衣(キヌ)水旱(カン)。直衣狩衣(カリギヌ)。烏帽子。直垂。大口。大帷(カタヒラ)。大刀。長刀。腰刀。箙(エビラ)。胡籬(ヤナグイ)。大星ノ行騰(ムカバキ)。房鞦(フサシリガイ)牛ノ胸懸(ムナカケ)。等雖∨非‖上品ニ|。任‖註文ニ|无‖相違|之樣ニ可∨被‖申下|也。恐々謹言。〔経覺筆本〕
蒔_繪(マキエ)ノ手_箱(テハコ)。硯_筺(スヽリハコ)。冠(カフリ)。表(ウエ)ノ_衣(キヌ)水-旱(スイカン)。狩_衣(カリキヌ)。烏_帽_子(エホシ)。直_垂(ヒタタレ)。大_口。大_帷(カタヒラ)。太_刀。長_刀。腰_刀(コシカタナ)。箙(エヒラ)。胡_籬(ヤナクイ)。大_星ノ行_騰(ムカハキ)。房(フサ)ノ_鞦(シリカヒ)牛ノ_胸_懸(ムナカイ)等。雖モ∨非ト‖上-品ニ|。任テ‖注-文ニ|無‖相-違|之樣スニ可∨被‖申_下|也。恐-々謹-言。〔文明本〕
手筥 テハコ 。手箱 同。〔黒川本・雜物下17オ六・七〕
手筥(テハコ) 。〔卷第七・雜物234三〕
手水盥(テウヅダラヒ) ―箱(バコ)。―鉾(ボコ)。―戟(同)。―予(同)/―筥(ハコ)。―蓋(カイ)。―楯(ダテ)。〔器財165三〕
399小袖同懸帶蒔繪手箱硯函 硯ハ子路作也。〔謙堂文庫藏三九左G〕
とあって、標記語を「手箱」とし、その語注記は、未記載にする。
懸帶(カケヲビ)蒔繪(マキヱ)ノ手箱(テバコ)硯箱(スヽリバコ) 懸帶(カケヲビ)トハ七尺ノ帶ヲカタヨリウシロヘ打(ウチ)カケテ有ナリ。〔下十四オ七〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)/蒔繪ノ手箱硯筺 定家行成其外諸流の形なり。〔53オ八〜ウ一〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すいかん)直衣(なふし)狩衣(かりぎぬ)烏帽子(ゑぼうし)直垂(ひたゝれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたひら)太刀(たち)長刀(なぎなた)腰刀(こしかたな)箙(ゑびら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはき)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)上品(しやうほん)に非(あら)ずと雖(いへども)注文(ちうもん)に任(まか)せ相違(さうい)無(な)き之(の)樣(やう)申(まう)し下(くだ)さ被(る)可(べ)き也(なり)恐恐(きやう/\)謹言(きんげん)/蒔繪ノ手箱。硯筺。冠。表ノ衣水干。直衣狩衣。烏帽子。直垂。大口。大帷子。太刀。長刀。腰刀。箙。胡籬。大星行騰。房鞦牛胸懸。等雖∨非ズト‖上品ニ|。任せ‖注文ニ|無キ‖相違|之樣可キ∨被‖申シ下サ|也。恐々謹言。〔39ウ六〕
蒔繪(まきゑ)の手箱(てばこ)硯筺(すゞりばこ)冠(かんむり)表(うへ)の衣(きぬ)水干(すゐかん)直衣(なほし)狩衣(かりきぬ)烏帽子(ゑぼし)直垂(ひたたれ)大口(おほくち)大帷子(おほかたびら)太刀(たち)長刀(なきなた)腰刀(こしかたな)箙(えひら)胡籬(やなぐい)大星(おほぼし)の行騰(むかはぎ)房鞦(ふさしりがい)牛(うし)の胸懸(むなかけ)等(とう)雖(いへども)∨非(あら)ずと‖上品(しやうほん)に|任(まか)せ‖注文(ちうもん)に|無(な)き‖相違(さうい)|之(の)樣(やう)可(べ)き∨被(る)‖申(まう)し下(くだ)さ|也(なり)恐恐(きよう/\)謹言(きんげん)。〔70ウ五〕
Tebaco.テバコ(手筥・手箱・手匣) 手箱,あるいは,小箱.〔邦訳640l〕
て-ばこ〔名〕【手箱】手廻りの小き調度など入るる匣。字類抄「手筥、テハコ」女重寳記、五、女用器財「手箱、テバコ」類聚名物考、調度、七「てばこ、これは手具足を入る故いふなり、今は俗には、手道具と云ふに同じ、手筥とも云ふなり」嫁入記「一手ばこの内に、小ばこ四つあり、其内に入物、一にはおしろい、一にはたうのつち、一にはまゆずみ、一にはわけめのいとなどのやうの、おけはひぐそくの類なり」〔1362-3〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺繪書目結巻染村紺掻浅黄小袖同懸帶〔至徳三年本〕
朽葉地紫○[衿]羅袙練貫浮文○[綾]摺繪書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帶〔宝徳三年本〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺絵書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帯〔建部傳内本〕
朽_葉(クチ―)地_紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)練_貫浮_文ノ綾摺繪_書目_結(―ユイ)巻_染村_紺(ムラコウ)掻(カキ)浅黄(アサキ)ノ小_袖同キ懸_帶(―ヲヒ)〔山田俊雄藏本〕
朽葉地(クチハジ)紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)袷練貫(ネリヌキ)浮文(ウキモン)ノ綾(アヤ)摺繪書(スリエカキ)。目結(―ユイ)巻染(マキソメ)村紺掻(ムラコウカキ)。浅黄(アサキ)ノ小袖同ク懸帶(カケ―)〔経覺筆本〕
朽葉-地(クチハチ)紫_羅(ムラサキウスモノ)袙(アコメ)練貫(ネリヌキ)浮_文(ウキモン)綾(アヤ)摺(スリ)繪_書(ヱカキ)目_結(メユイ)巻_染(マキソメ)村_紺(ムラコウ)掻(カキ)_浅_黄(アサキ)ノ小_袖同懸_帶(カケヲヒ)〔文明本〕
399小袖同懸帶蒔繪手箱硯函 硯ハ子路作也。〔謙堂文庫藏三九左G〕
※懸帶トハ此方ノムスヂノ帯也。ムヲリノコト也。又云桟敷ナドニ小袖ヲ懸也。又ヲビナドヲモカリルナリ。表ノ衣トハウワギヌ也。私云ウワギトヨムベキナリ。〔国会図書館藏左貫注頭注書込み〕
※懸帶トハ此方ノムスヂノ帯也。ムヲリノコト也。又云桟敷ナドニ小袖ヲ懸也。又帯ナトヲモ懸也。表ノ衣トハウワギ也。私云ウワギトヨムへキ也。〔天理図書館藏『庭訓徃來註』頭注書込み〕
とあって、標記語を「懸帶」とし、その語注記は未記載にする。
懸帶(カケヲビ)蒔繪(マキヱ)ノ手箱(テバコ)硯箱(スヽリバコ) 懸帶(カケヲビ)トハ七尺ノ帶ヲカタヨリウシロヘ打(ウチ)カケテ有ナリ。〔下十四オ七〕
村紺掻(むらこんかき)淺黄(あさぎ)の小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/村紺掻淺黄ノ小袖同懸帶 裳の大腰につけ肩へ遣る帯を懸帯と云。又さけ帯をも云。〔53オ八〕
紅葉重(もみちがさ)ね楊裏(やなぎうら)薄紅梅(うすこうばい)色々(いろ/\)の筋小袖(すぢこそで)隔子織物(かうしをりもの)單衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)美精好(びせいこう)の裳(も)唐綾(からあや)経狂文(きやうもん)乃唐衣(からきぬ)朽葉(くちば)地紫(ぢむらさき)の羅(うすもの)袙(あこめ)練貫(ねりぬき)浮文(うきもん)の綾摺(あやすり)繪書(ゑか)き目結(めゆひ)卷染(まきそめ)村紺掻(むらこうかき)淺黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/紅葉重。楊裏。薄紅梅。色々ノ筋小袖。隔子織物。單衣。濃キ紅ノ袴。美精好裳。唐綾狂文。唐衣。朽葉地。紫羅。袙。練貫。浮文ノ綾。摺繪書。目結巻染。村紺掻。浅黄小袖同ク懸帶。▲懸帶ハ裳(も)の大腰(おほこし)に付て肩(かた)へ遣(かく)る物也。又さげ帯共云。〔39ウ五〕
紅葉重(もみちかさね)。楊裏(やなきうら)。薄紅梅(うすこうばい)。色々(いろいろ)の筋小袖(すぢこそで)。隔子(かうし)織物(おりもの)。單衣(ひとへぎぬ)。濃(こ)キ紅(くれなゐ)の袴(はかま)。美精好(びせいかう)の裳(も)。唐綾(からあや)狂文(きやうもん)。唐衣(からきぬ)。朽葉(くちば)地(ぢ)。紫(むらさき)の羅(うすもの)。袙(あこめ)。練貫(ねりぬき)。浮文(うきもん)の綾(あや)。摺繪書(すゑかき)。目結(めゆひ)巻染(まきぞめ)。村紺掻(むらこんかき)。浅黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)。▲懸帶ハ裳(も)の大腰(おほこし)に付て肩(かた)へ遣(かく)る物也。又さけ帯(おび)共云。〔70ウ四・五〕
Caqeuobi.カケオビ(掛帯) 帯,あるいは,幅広の帯.※原文はCinjidouro(=cingidouro,cingidoiro),oucinto.“掛帯”は物詣りの折などに,女が胸の前にかけ背中で結んだ赤絹の帯を意味するが,ここでは単に“帯”と説明している.〔邦訳95r〕
かけ-おび〔名〕【懸帶】貴婦人の禮裝にて、裳(も)の腰に附けたる紐。頸に掛けて、前にて結ぶ。古への、ひきおびなりとぞ。(哢花抄)。新六帖、五「折しもあれ、えやは心を、かけおびの、おもひは胸のね隔てなるべし」。〔1975-5〕
村紺(ムラゴン)。〔元亀本175九〕
村紺(ムラゴウ)。〔静嘉堂本196二〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺繪書目結巻染村紺掻浅黄小袖同懸帶〔至徳三年本〕
朽葉地紫○[衿]羅袙練貫浮文○[綾]摺繪書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帶〔宝徳三年本〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺絵書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帯〔建部傳内本〕
朽_葉(クチ―)地_紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)練_貫浮_文ノ綾摺繪_書目_結(―ユイ)巻_染村_紺(ムラコウ)掻(カキ)浅黄(アサキ)ノ小_袖同キ懸_帶(―ヲヒ)〔山田俊雄藏本〕
朽葉地(クチハジ)紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)袷練貫(ネリヌキ)浮文(ウキモン)ノ綾(アヤ)摺繪書(スリエカキ)。目結(―ユイ)巻染(マキソメ)村紺掻(ムラコウカキ)。浅黄(アサキ)ノ小袖同ク懸帶(カケ―)〔経覺筆本〕
朽葉-地(クチハチ)紫_羅(ムラサキウスモノ)袙(アコメ)練貫(ネリヌキ)浮_文(ウキモン)綾(アヤ)摺(スリ)繪_書(ヱカキ)目_結(メユイ)巻_染(マキソメ)村_紺(ムラコウ)掻(カキ)_浅_黄(アサキ)ノ小_袖同懸_帶(カケヲヒ)〔文明本〕
村濃(ムラゴフ) 衣裳(イシヤウ)ノ紋(モン)也。〔彩色136七〕
村濃(ムラゴ/ソンヂヨウ,―コマヤカ)[平・○] 衣裳紋也。〔光彩門461八〕
村濃(ムラゴ/―ゴウ) 衣裳紋。〔弘・財宝146四〕
村濃(ムラゴ) 衣裳紋(イシヤウモン)。〔永・財宝117七〕
村濃(ムラゴ) 衣裳ノ紋。〔尭・財宝107六〕
村濃(ムラゴ) 衣裳(イシヤウ)ノ紋。〔両・財宝130七〕
村紺(ムラゴ) 。〔食服114五〕
397袷(アハセ/メ)ノ練緯(ヌキ)浮-文(ウキモン)ノ綾摺(スリ)-繪書目結ノ巻染村紺(コン/コマ) 衣裳紋也。〔謙堂文庫藏三九左E〕
398掻(カキ)浅黄ノ 水色紋付。〔謙堂文庫藏三九左F〕
とあって、標記語を「村紺」と「掻」とし、その語注記は、「衣裳紋なり」「水色紋付」と記載する。
村紺掻(ムラコンガキ)浅黄(アサギ)ノ小袖同ク 村紺(ムラコン)ハ。手染絹(テソメキヌ)ナリ。〔下十四オ六〕
村紺掻(むらこんかき)淺黄(あさぎ)の小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/村紺掻淺黄ノ小袖同懸帶 裳の大腰につけ肩へ遣る帯を懸帯と云。又さけ帯をも云。〔53オ八〕
紅葉重(もみちがさ)ね楊裏(やなぎうら)薄紅梅(うすこうばい)色々(いろ/\)の筋小袖(すぢこそで)隔子織物(かうしをりもの)單衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)美精好(びせいこう)の裳(も)唐綾(からあや)経狂文(きやうもん)乃唐衣(からきぬ)朽葉(くちば)地紫(ぢむらさき)の羅(うすもの)袙(あこめ)練貫(ねりぬき)浮文(うきもん)の綾摺(あやすり)繪書(ゑか)き目結(めゆひ)卷染(まきそめ)村紺掻(むらこうかき)淺黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/紅葉重。楊裏。薄紅梅。色々ノ筋小袖。隔子織物。單衣。濃キ紅ノ袴。美精好裳。唐綾狂文。唐衣。朽葉地。紫羅。袙。練貫。浮文ノ綾。摺繪書。目結巻染。村紺掻。浅黄小袖同ク懸帶。▲村紺掻ハ未∨考。〔39ウ五〕
紅葉重(もみちかさね)。楊裏(やなきうら)。薄紅梅(うすこうばい)。色々(いろいろ)の筋小袖(すぢこそで)。隔子(かうし)織物(おりもの)。單衣(ひとへぎぬ)。濃(こ)キ紅(くれなゐ)の袴(はかま)。美精好(びせいかう)の裳(も)。唐綾(からあや)狂文(きやうもん)。唐衣(からきぬ)。朽葉(くちば)地(ぢ)。紫(むらさき)の羅(うすもの)。袙(あこめ)。練貫(ねりぬき)。浮文(うきもん)の綾(あや)。摺繪書(すゑかき)。目結(めゆひ)巻染(まきぞめ)。村紺掻(むらこんかき)。浅黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)。▲村紺掻ハ未∨考。〔70ウ四〕
むらこう-がき〔名〕【村紺掻】紺の叢濃(むらご)。庭訓徃來、七月「目結、卷染、村紺掻」。〔1975-5〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺繪書目結巻染村紺掻浅黄小袖同懸帶〔至徳三年本〕
朽葉地紫○[衿]羅袙練貫浮文○[綾]摺繪書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帶〔宝徳三年本〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺絵書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帯〔建部傳内本〕
朽_葉(クチ―)地_紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)練_貫浮_文ノ綾摺繪_書目_結(―ユイ)巻_染村_紺(ムラコウ)掻(カキ)浅黄(アサキ)ノ小_袖同キ懸_帶(―ヲヒ)〔山田俊雄藏本〕
朽葉地(クチハジ)紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)袷練貫(ネリヌキ)浮文(ウキモン)ノ綾(アヤ)摺繪書(スリエカキ)。目結(―ユイ)巻染(マキソメ)村紺掻(ムラコウカキ)。浅黄(アサキ)ノ小袖同ク懸帶(カケ―)〔経覺筆本〕
朽葉-地(クチハチ)紫_羅(ムラサキウスモノ)袙(アコメ)練貫(ネリヌキ)浮_文(ウキモン)綾(アヤ)摺(スリ)繪_書(ヱカキ)目_結(メユイ)巻_染(マキソメ)村_紺(ムラコウ)掻(カキ)_浅_黄(アサキ)ノ小_袖同懸_帶(カケヲヒ)〔文明本〕
纏染 マキソメ。〔黒川本・中92ウ一〕〔卷第六・光彩578三〕
卷染(―ソメ) 。〔食服140二〕
397袷(アハセ/メ)ノ練緯(ヌキ)浮-文(ウキモン)ノ綾摺(スリ)-繪書目結ノ巻染村紺(コン/コマ) 衣裳紋也。〔謙堂文庫藏三九左E〕
とあって、標記語を「卷染」とし、その語注記は、「衣裳紋なり」と記載する。
目結(メユイ)ノ巻染(マキソメ)ノ ト云ハ。クヽシノコトナリ。〔下十四オ六〕
摺繪書(すりゑがき)の目結(めゆひ)の卷染(まきそめ)/摺繪書目結ノ巻染 目結の卷染めとハかのこくらしそめ乃類なり。〔53オ六・七〕
紅葉重(もみちがさ)ね楊裏(やなぎうら)薄紅梅(うすこうばい)色々(いろ/\)の筋小袖(すぢこそで)隔子織物(かうしをりもの)單衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)美精好(びせいこう)の裳(も)唐綾(からあや)経狂文(きやうもん)乃唐衣(からきぬ)朽葉(くちば)地紫(ぢむらさき)の羅(うすもの)袙(あこめ)練貫(ねりぬき)浮文(うきもん)の綾摺(あやすり)繪書(ゑか)き目結(めゆひ)卷染(まきそめ)村紺掻(むらこうかき)淺黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/紅葉重。楊裏。薄紅梅。色々ノ筋小袖。隔子織物。單衣。濃キ紅ノ袴。美精好裳。唐綾狂文。唐衣。朽葉地。紫羅。袙。練貫。浮文ノ綾。摺繪書。目結巻染。村紺掻。浅黄小袖同ク懸帶。▲目結卷染めハ鹿子(かのこ)くらし染(そめ)の類なるべし。〔39ウ五〕
紅葉重(もみちかさね)。楊裏(やなきうら)。薄紅梅(うすこうばい)。色々(いろいろ)の筋小袖(すぢこそで)。隔子(かうし)織物(おりもの)。單衣(ひとへぎぬ)。濃(こ)キ紅(くれなゐ)の袴(はかま)。美精好(びせいかう)の裳(も)。唐綾(からあや)狂文(きやうもん)。唐衣(からきぬ)。朽葉(くちば)地(ぢ)。紫(むらさき)の羅(うすもの)。袙(あこめ)。練貫(ねりぬき)。浮文(うきもん)の綾(あや)。摺繪書(すゑかき)。目結(めゆひ)巻染(まきぞめ)。村紺掻(むらこんかき)。浅黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)。▲目結卷染めハ鹿子(かのこ)くらし染(そめ)の類なるべし。〔70ウ四〕
まき-ぞめ〔名〕【卷染】しぼりぞめの類。布帛を卷きて染めたるもの。枕草子、一、第三段「すそご、むらご、まきぞめなど、つねよりもをかしう見ゆ」。夫木抄、六、藤「藤波の、よらばれぬれば、紫の、まきぞめ着たる、松かとぞ見る」。〔1871-5〕
目結(―ユイ)。〔元亀本296九〕
目結(メユイ)。〔静嘉堂本345二〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺繪書目結巻染村紺掻浅黄小袖同懸帶〔至徳三年本〕
朽葉地紫○[衿]羅袙練貫浮文○[綾]摺繪書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帶〔宝徳三年本〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺絵書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帯〔建部傳内本〕
朽_葉(クチ―)地_紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)練_貫浮_文ノ綾摺繪_書目_結(―ユイ)巻_染村_紺(ムラコウ)掻(カキ)浅黄(アサキ)ノ小_袖同キ懸_帶(―ヲヒ)〔山田俊雄藏本〕
朽葉地(クチハジ)紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)袷練貫(ネリヌキ)浮文(ウキモン)ノ綾(アヤ)摺繪書(スリエカキ)。目結(―ユイ)巻染(マキソメ)村紺掻(ムラコウカキ)。浅黄(アサキ)ノ小袖同ク懸帶(カケ―)〔経覺筆本〕
朽葉-地(クチハチ)紫_羅(ムラサキウスモノ)袙(アコメ)練貫(ネリヌキ)浮_文(ウキモン)綾(アヤ)摺(スリ)繪_書(ヱカキ)目_結(メユイ)巻_染(マキソメ)村_紺(ムラコウ)掻(カキ)_浅_黄(アサキ)ノ小_袖同懸_帶(カケヲヒ)〔文明本〕
幕紋(マクノモン) 目結(メユイ)。〔永・財宝20五〕〔両・財宝23二〕
目結(メユヒ) 。〔食服196五〕
397袷(アハセ/メ)ノ練緯(ヌキ)浮-文(ウキモン)ノ綾摺(スリ)-繪書目結ノ巻染村紺(コン/コマ) 衣裳紋也。〔謙堂文庫藏三九左E〕
とあって、標記語を「目結」とし、その語注記は、「衣裳紋なり」と記載する。
目結(メユイ)ノ卷染(マキソメ) ト云ハ。クヽイノコトナリ。〔下十四オ五・六〕
摺繪書(すりゑがき)の目結(めゆひ)の卷染(まきそめ)/摺繪書目結ノ巻染 目結の卷染めとハかのこくらしそめ乃類なり。〔53オ六・七〕
紅葉重(もみちがさ)ね楊裏(やなぎうら)薄紅梅(うすこうばい)色々(いろ/\)の筋小袖(すぢこそで)隔子織物(かうしをりもの)單衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)美精好(びせいこう)の裳(も)唐綾(からあや)経狂文(きやうもん)乃唐衣(からきぬ)朽葉(くちば)地紫(ぢむらさき)の羅(うすもの)袙(あこめ)練貫(ねりぬき)浮文(うきもん)の綾摺(あやすり)繪書(ゑか)き目結(めゆひ)卷染(まきそめ)村紺掻(むらこうかき)淺黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/紅葉重。楊裏。薄紅梅。色々ノ筋小袖。隔子織物。單衣。濃キ紅ノ袴。美精好裳。唐綾狂文。唐衣。朽葉地。紫羅。袙。練貫。浮文ノ綾。摺繪書。目結巻染。村紺掻。浅黄小袖同ク懸帶。▲目結卷染めハ鹿子(かのこ)くらし染(そめ)の類なるべし。〔39ウ五〕
紅葉重(もみちかさね)。楊裏(やなきうら)。薄紅梅(うすこうばい)。色々(いろいろ)の筋小袖(すぢこそで)。隔子(かうし)織物(おりもの)。單衣(ひとへぎぬ)。濃(こ)キ紅(くれなゐ)の袴(はかま)。美精好(びせいかう)の裳(も)。唐綾(からあや)狂文(きやうもん)。唐衣(からきぬ)。朽葉(くちば)地(ぢ)。紫(むらさき)の羅(うすもの)。袙(あこめ)。練貫(ねりぬき)。浮文(うきもん)の綾(あや)。摺繪書(すゑかき)。目結(めゆひ)巻染(まきぞめ)。村紺掻(むらこんかき)。浅黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)。▲目結卷染めハ鹿子(かのこ)くらし染(そめ)の類なるべし。〔70ウ四〕
Meiyui.(ママ)メユイ(目結) 染め方の一種で,染料が染み込まない白い部分を残して染めるもの.※このMeiyuiは別条Meyuiの異表記形.yu(ユ)とiyu(ユ)との関係については,Cai(粥)の注参照.〔邦訳396l〕
め-ゆい〔名〕【目結】回の如き形のしぼりぞめ(絞染)。又、目染(めぞめ)。平家物語、十、千手事「齢二十ばかりなる女房、云云、目ゆひの帷子に染付けの湯卷して」「目結の直垂」。〔1996-5〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺繪書目結巻染村紺掻浅黄小袖同懸帶〔至徳三年本〕
朽葉地紫○[衿]羅袙練貫浮文○[綾]摺繪書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帶〔宝徳三年本〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺絵書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帯〔建部傳内本〕
朽_葉(クチ―)地_紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)練_貫浮_文ノ綾摺繪_書目_結(―ユイ)巻_染村_紺(ムラコウ)掻(カキ)浅黄(アサキ)ノ小_袖同キ懸_帶(―ヲヒ)〔山田俊雄藏本〕
朽葉地(クチハジ)紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)袷練貫(ネリヌキ)浮文(ウキモン)ノ綾(アヤ)摺繪書(スリエカキ)。目結(―ユイ)巻染(マキソメ)村紺掻(ムラコウカキ)。浅黄(アサキ)ノ小袖同ク懸帶(カケ―)〔経覺筆本〕
朽葉-地(クチハチ)紫_羅(ムラサキウスモノ)袙(アコメ)練貫(ネリヌキ)浮_文(ウキモン)綾(アヤ)摺(スリ)繪_書(ヱカキ)目_結(メユイ)巻_染(マキソメ)村_紺(ムラコウ)掻(カキ)_浅_黄(アサキ)ノ小_袖同懸_帶(カケヲヒ)〔文明本〕
397袷(アハセ/メ)ノ練緯(ヌキ)浮-文(ウキモン)ノ綾摺(スリ)-繪書目結ノ巻染村紺(コン/コマ) 衣裳紋也。〔謙堂文庫藏三九左E〕
とあって、標記語を「綾摺」「繪書」とし、その語注記は、「衣裳紋なり」と記載する。
浮文(ウキモン)ノ綾摺(アヤスリ)繪書(ヱカキ) トハ。ウチ織(ヲリ)ノ事ナリ。〔下十四オ五・六〕
摺繪書(すりゑかき)の目結(めゆひ)の卷染(まきそめ)/摺繪書目結ノ巻染 目結の卷染めとハかのこくらしそめ乃類なり。〔53オ六・七〕
紅葉重(もみちがさ)ね楊裏(やなぎうら)薄紅梅(うすこうばい)色々(いろ/\)の筋小袖(すぢこそで)隔子織物(かうしをりもの)單衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)美精好(びせいこう)の裳(も)唐綾(からあや)経狂文(きやうもん)乃唐衣(からきぬ)朽葉(くちば)地紫(ぢむらさき)の羅(うすもの)袙(あこめ)練貫(ねりぬき)浮文(うきもん)の綾摺(あやすり)繪書(ゑか)き目結(めゆひ)卷染(まきそめ)村紺掻(むらこうかき)淺黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/紅葉重。楊裏。薄紅梅。色々ノ筋小袖。隔子織物。單衣。濃キ紅ノ袴。美精好裳。唐綾狂文。唐衣。朽葉地。紫羅。袙。練貫。浮文ノ綾。摺繪書。目結巻染。村紺掻。浅黄小袖同ク懸帶。▲摺繪書ハ摺箔(すりはく)上繪(うハゑ)の類なるべし。〔39ウ四・五〕
紅葉重(もみちかさね)。楊裏(やなきうら)。薄紅梅(うすこうばい)。色々(いろいろ)の筋小袖(すぢこそで)。隔子(かうし)織物(おりもの)。單衣(ひとへぎぬ)。濃(こ)キ紅(くれなゐ)の袴(はかま)。美精好(びせいかう)の裳(も)。唐綾(からあや)狂文(きやうもん)。唐衣(からきぬ)。朽葉(くちば)地(ぢ)。紫(むらさき)の羅(うすもの)。袙(あこめ)。練貫(ねりぬき)。浮文(うきもん)の綾(あや)。摺繪書(すゑかき)。目結(めゆひ)巻染(まきぞめ)。村紺掻(むらこんかき)。浅黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)。▲摺繪書ハ摺箔(すりはく)上繪(うハゑ)の類なるべし。〔70ウ三〕
すり-ゑ〔名〕【摺繪】白地の織物に、染草を摺りて表はしたる、草木の花、葉などの模様。異本曽我物語、一「祐道、その日の装束には、秋の花野のすりゑせしに」。〔1067-5〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺繪書目結巻染村紺掻浅黄小袖同懸帶〔至徳三年本〕
朽葉地紫○[衿]羅袙練貫浮文○[綾]摺繪書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帶〔宝徳三年本〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺絵書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帯〔建部傳内本〕
朽_葉(クチ―)地_紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)練_貫浮_文ノ綾摺繪_書目_結(―ユイ)巻_染村_紺(ムラコウ)掻(カキ)浅黄(アサキ)ノ小_袖同キ懸_帶(―ヲヒ)〔山田俊雄藏本〕
朽葉地(クチハジ)紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)袷練貫(ネリヌキ)浮文(ウキモン)ノ綾(アヤ)摺繪書(スリエカキ)。目結(―ユイ)巻染(マキソメ)村紺掻(ムラコウカキ)。浅黄(アサキ)ノ小袖同ク懸帶(カケ―)〔経覺筆本〕
朽葉-地(クチハチ)紫_羅(ムラサキウスモノ)袙(アコメ)練貫(ネリヌキ)浮_文(ウキモン)綾(アヤ)摺(スリ)繪_書(ヱカキ)目_結(メユイ)巻_染(マキソメ)村_紺(ムラコウ)掻(カキ)_浅_黄(アサキ)ノ小_袖同懸_帶(カケヲヒ)〔文明本〕
397袷(アハセ/メ)ノ練緯(ヌキ)浮-文(ウキモン)ノ綾摺(スリ)-繪書目結ノ巻染村紺(コン/コマ) 衣裳紋也。〔謙堂文庫藏三九左E〕
とあって、標記語を「浮文」とし、その語注記は、「衣裳紋なり」と記載する。
浮文(ウキモン)ノ綾摺(アヤスリ)繪書(ヱカキ) トハ。ウチ織(ヲリ)ノ事ナリ。〔下十四オ五・六〕
浮文(うきもん)の綾(あや)/浮文ノ綾 浮文ハ顕文也。〔53オ六〕
紅葉重(もみちがさ)ね楊裏(やなぎうら)薄紅梅(うすこうばい)色々(いろ/\)の筋小袖(すぢこそで)隔子織物(かうしをりもの)單衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)美精好(びせいこう)の裳(も)唐綾(からあや)経狂文(きやうもん)乃唐衣(からきぬ)朽葉(くちば)地紫(ぢむらさき)の羅(うすもの)袙(あこめ)練貫(ねりぬき)浮文(うきもん)の綾摺(あやすり)繪書(ゑか)き目結(めゆひ)卷染(まきそめ)村紺掻(むらこうかき)淺黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/紅葉重。楊裏。薄紅梅。色々ノ筋小袖。隔子織物。單衣。濃キ紅ノ袴。美精好裳。唐綾狂文。唐衣。朽葉地。紫羅。袙。練貫。浮文ノ綾。摺繪書。目結巻染。村紺掻。浅黄小袖同ク懸帶。▲浮文ハ顕文(けんもん)をいふ。〔39ウ四〕
紅葉重(もみちかさね)。楊裏(やなきうら)。薄紅梅(うすこうばい)。色々(いろいろ)の筋小袖(すぢこそで)。隔子(かうし)織物(おりもの)。單衣(ひとへぎぬ)。濃(こ)キ紅(くれなゐ)の袴(はかま)。美精好(びせいかう)の裳(も)。唐綾(からあや)狂文(きやうもん)。唐衣(からきぬ)。朽葉(くちば)地(ぢ)。紫(むらさき)の羅(うすもの)。袙(あこめ)。練貫(ねりぬき)。浮文(うきもん)の綾(あや)。摺繪書(すゑかき)。目結(めゆひ)巻染(まきぞめ)。村紺掻(むらこんかき)。浅黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)。▲浮文ハ顕文(けんもん)をいふ。〔70オ六〜70ウ二〕
うきもん-〔名〕【浮文】(一)浮織にしたる紋。浮線綾など、是れなるべし。(固文(かたもん)に對す)。源氏物語、九葵11「うきもんのうへの袴」。〔0225-5〕
袙袷(アコメ)。〔元亀本259八〕〔静嘉堂本294一〕
袙(アコメ)。〔元亀本264一〕〔静嘉堂本299七〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺繪書目結巻染村紺掻浅黄小袖同懸帶〔至徳三年本〕
朽葉地紫○[衿]羅袙練貫浮文○[綾]摺繪書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帶〔宝徳三年本〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺絵書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帯〔建部傳内本〕
朽_葉(クチ―)地_紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)練_貫浮_文ノ綾摺繪_書目_結(―ユイ)巻_染村_紺(ムラコウ)掻(カキ)浅黄(アサキ)ノ小_袖同キ懸_帶(―ヲヒ)〔山田俊雄藏本〕
朽葉地(クチハジ)紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)袷練貫(ネリヌキ)浮文(ウキモン)ノ綾(アヤ)摺繪書(スリエカキ)。目結(―ユイ)巻染(マキソメ)村紺掻(ムラコウカキ)。浅黄(アサキ)ノ小袖同ク懸帶(カケ―)〔経覺筆本〕
朽葉-地(クチハチ)紫_羅(ムラサキウスモノ)袙(アコメ)練貫(ネリヌキ)浮_文(ウキモン)綾(アヤ)摺(スリ)繪_書(ヱカキ)目_結(メユイ)巻_染(マキソメ)村_紺(ムラコウ)掻(カキ)_浅_黄(アサキ)ノ小_袖同懸_帶(カケヲヒ)〔文明本〕
袙(シツ) アコメ/人質戸質二反。女人近身衣也。〔黒川本・雜物下26ウ二〕
袙 アコメキヌ/女人近身衣也。〔卷第八・雜物306四〕
袙(アコメ) 。〔絹布96六〕
袙(アコメ/ハク)[入]。〔絹布門748八〕
袙(アコメ/ヂツ)。〔弘・衣服204八〕
袙(アコメ) 。〔永・財宝170一〕〔尭・財宝159五〕
袙(アコメ) 。〔食服170七〕
396唐-衣朽-葉地-紫羅袙(ウスアコメ/キヌ) 藍染ノK也。〔謙堂文庫藏三九左E〕
※唐-衣(−ラキヌ)朽葉地(クチハジ)紫羅(ウスモノ)袙袷(アコメ/アハせ也) 藍染(アイソメ)Kキ色也。〔静嘉堂文庫藏『庭訓徃來抄』古冩〕△袙袷(アハせ)トハ住吉大明神夷国退治時被テ召アルガ筑前国油井Mニヌキステサせ給ヲ石ニ成テ今ニ有也。色白也。〔頭注書込み〕△袙 キヌツスヽキヲヌヘル物也。本哥有。東路ノハニフノ小屋ノ袙カキツヽラノ實ヲヲノツ唐皮〔頭注書込み〕
※袙袷トハ住吉大明神夷国退治ノ時被∨召筑前ニ湖井ノMニヌキステサせ給也。石ニ成テ今正ニ在リ。白キ也。/袷(アハせ)複衣也。―三重ニ在∨之。√畧袙ニ字ヲアコメト読モアリ白云也。ヌイモノナリ。〔国会図書館藏左貫注頭注書込み〕
とあって、標記語を「袙」とし、その語注記は、「藍染のK(色)なり」と記載する。ここで、静嘉堂本・東洋文庫本は、古写本『庭訓徃來』〔経覺筆本〕と同じく「袙袷」に作る。
地(ヂ)紫(ムラサキ)羅(ウスモノ)袙(アコメ)練貫(ネリヌキ) トハ絹(キヌ)ニ薄(スヽキ)ヲ縫(ヌウ)也。薄(スヽキ)ヲアコメト云。本歌(ホンカ)有。東路(アツマチ)ノ。ハニフノ小屋ノアコメ垣(カキ)。ノラノサネヲ。ヲノヅカラカハト。ヨミシナリ。薄(スヽキ)ニテ葺(フキ)タル家ヲアコノ家ト云ナリ。〔下十四オ四・五〕
袙(あこめ)の練貫(ねりぬき)/袙(アコメ)ノ練貫 あこめハすゝきをぬいたるをいふ。又藍染(あいそめ)の黒きを云ともいえり。〔53オ五・六〕
紅葉重(もみちがさ)ね楊裏(やなぎうら)薄紅梅(うすこうばい)色々(いろ/\)の筋小袖(すぢこそで)隔子織物(かうしをりもの)單衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)美精好(びせいこう)の裳(も)唐綾(からあや)経狂文(きやうもん)乃唐衣(からきぬ)朽葉(くちば)地紫(ぢむらさき)の羅(うすもの)袙(あこめ)練貫(ねりぬき)浮文(うきもん)の綾摺(あやすり)繪書(ゑか)き目結(めゆひ)卷染(まきそめ)村紺掻(むらこうかき)淺黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/紅葉重。楊裏。薄紅梅。色々ノ筋小袖。隔子織物。單衣。濃キ紅ノ袴。美精好裳。唐綾狂文。唐衣。朽葉地。紫羅。袙。練貫。浮文ノ綾。摺繪書。目結巻染。村紺掻。浅黄小袖同ク懸帶。▲袙ハ堂上(たうしやう)なべて冬春着(ちやく)用せらるゝ衣の名。近代(きんだい)ハ用ひざるよし也。〔39ウ四〕
紅葉重(もみちかさね)。楊裏(やなきうら)。薄紅梅(うすこうばい)。色々(いろいろ)の筋小袖(すぢこそで)。隔子(かうし)織物(おりもの)。單衣(ひとへぎぬ)。濃(こ)キ紅(くれなゐ)の袴(はかま)。美精好(びせいかう)の裳(も)。唐綾(からあや)狂文(きやうもん)。唐衣(からきぬ)。朽葉(くちば)地(ぢ)。紫(むらさき)の羅(うすもの)。袙(あこめ)。練貫(ねりぬき)。浮文(うきもん)の綾(あや)。摺繪書(すゑかき)。目結(めゆひ)巻染(まきぞめ)。村紺掻(むらこんかき)。浅黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)。▲袙ハ堂上(だうしやう)なべて冬春着(ちやく)用せらるゝ衣の名。近代(きんだい)ハ用ひざるよし也。〔70ウ三〕
Acome.アコメ(袙) 日本の絹織物の一種で,濃い藍色で染めた地に白い文様のあるもの.〔邦訳11l〕
あこめ〔名〕【衵】あこめぎぬを見よ。〔0024-4〕
あこめぎぬ〔名〕【衵】〔貞丈雜記、五、装束、袙「單と下襲の間に着こむる故に、あひこめの訓にて、あこめと云ふ也」(誓言(ちかひごと)、ちかごと。洗革(あらひかは)、あらかは)漢字は、衵(ジツ)なり、袙(バツ)と書けるあるは誤れり〕(一)男子、束帶、直衣、衣冠、狩衣等の時、下襲(したがさね)の下、單衣(ひとへ)の上に着る衣(きぬ)の名。表は綾、裏は平絹なり、表、裏、共に、紅にて、老人は、白を用ゐる。下略して、あこめ。三條家装束抄「束帶の下などに重ね用るは、纔著(さいぢやく)、以是爲袙」倭名抄十二、19「衵、阿古女岐奴」扶桑略記、廿六、康保三年十月七日、殿上侍臣舞、納蘇利「小舎人實資著天冠舞衣舞畢、召實資於床子、脱阿古女衣賜之」名義抄「衵、アコメキヌ、アコメ」(二)貴婦人、童女も、あこめを着たり、童女は、表(うへ)の衣(きぬ)を着ぬものなれば、あこめのままにてあるを、あこめ姿と云ひしが如し。源氏物語、葵37「小さき女童(わらは)、云云、程なきあこめ、人よりKく染めて、云云、着たるも、をかしき姿なり」(程なきは、小さきなり、ここは、喪服を云へるなり)同、廿八、野分14「女童(わらはべ)などの、をかしきあやめ姿、打ちとけて」類聚雜要集、三、童女装束事「打袙、長四尺」(打は、打衣(うちぎぬ)なり)胡曹集、女房夏冬装束「薄蘇芳の單重袙」正字通「衵、音日(ジツ)、説文、日日所常ニキル衣也、云云、男女近身衣誤」袙、音陌(ハク)、始喪之服」〔0024-4〕
紫(ムラサキ)。〔元亀本178二〕 羅(ウスモノ)。〔元亀本184七〕
紫(ムラサキ)。〔静嘉堂本199一〕羅(ウスモノ)。〔静嘉堂本207七〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺繪書目結巻染村紺掻浅黄小袖同懸帶〔至徳三年本〕
朽葉地紫○[衿]羅袙練貫浮文○[綾]摺繪書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帶〔宝徳三年本〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺絵書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帯〔建部傳内本〕
朽_葉(クチ―)地_紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)練_貫浮_文ノ綾摺繪_書目_結(―ユイ)巻_染村_紺(ムラコウ)掻(カキ)浅黄(アサキ)ノ小_袖同キ懸_帶(―ヲヒ)〔山田俊雄藏本〕
朽葉地(クチハジ)紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)袷練貫(ネリヌキ)浮文(ウキモン)ノ綾(アヤ)摺繪書(スリエカキ)。目結(―ユイ)巻染(マキソメ)村紺掻(ムラコウカキ)。浅黄(アサキ)ノ小袖同ク懸帶(カケ―)〔経覺筆本〕
朽葉-地(クチハチ)紫_羅(ムラサキウスモノ)袙(アコメ)練貫(ネリヌキ)浮_文(ウキモン)綾(アヤ)摺(スリ)繪_書(ヱカキ)目_結(メユイ)巻_染(マキソメ)村_紺(ムラコウ)掻(カキ)_浅_黄(アサキ)ノ小_袖同懸_帶(カケヲヒ)〔文明本〕
紫(シ) ムラサキ/藤花。窗諭 同。〔黒川本・光彩中44ウ二〕羅 ウスモノ。〔黒川本・雜物中50ウ五〕
紫(シ) ムラサキ。窗諭 同。〔卷第・言語112五〕羅 ウスモノ。〔卷第五・雜物178五〕
羅(ロ) 。〔絹布95六〕
紫(ムラサキ/シ)[上]。〔光彩門461八〕
羅(ウスモノ/ラ)[平]。綺(同/キ・カンバタ)[平]。〔器財門476三〕
紫(ムラサキ) ―色。〔弘・草木145三〕
紫(ムラサキ) 。〔永・草木116六〕〔尭・草木106五〕〔両・草木129五〕
羅(ウスモノ)。〔弘・財宝150三〕〔永・財宝121九〕〔尭・財宝111六〕〔両・財宝136一〕
396唐-衣朽-葉地-紫羅袙(ウスアコメ/キヌ) 藍染ノK也。〔謙堂文庫藏三九左E〕
とあって、標記語を「紫羅」とし、その語注記は、未記載にする。
地(ヂ)紫(ムラサキ)羅(ウスモノ)袙(アコメ)練貫(ネリヌキ) トハ絹(キヌ)ニ薄(スヽキ)ヲ縫(ヌウ)也。薄(スヽキ)ヲアコメト云。本歌(ホンカ)有。東路(アツマチ)ノ。ハニフノ小屋ノアコメ垣(カキ)。ノラノサネヲ。ヲノヅカラカハト。ヨミシナリ。薄(スヽキ)ニテ葺(フキ)タル家ヲアコノ家ト云ナリ。〔下十四オ四・五〕
朽葉地(くちばぢ)紫(むらさき)の羅(うすもの)/朽葉地紫ノ羅 朽葉とハ豎(たて)黄にして横(よこ)あかきなり。〔53オ四・五〕
紅葉重(もみちがさ)ね楊裏(やなぎうら)薄紅梅(うすこうばい)色々(いろ/\)の筋小袖(すぢこそで)隔子織物(かうしをりもの)單衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)美精好(びせいこう)の裳(も)唐綾(からあや)経狂文(きやうもん)乃唐衣(からきぬ)朽葉(くちば)地(ぢ)紫(むらさき)の羅(うすもの)袙(あこめ)練貫(ねりぬき)浮文(うきもん)の綾摺(あやすり)繪書(ゑか)き目結(めゆひ)卷染(まきそめ)村紺掻(むらこうかき)淺黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/紅葉重。楊裏。薄紅梅。色々ノ筋小袖。隔子織物。單衣。濃キ紅ノ袴。美精好裳。唐綾狂文。唐衣。朽葉地。紫羅。袙。練貫。浮文ノ綾。摺繪書。目結巻染。村紺掻。浅黄小袖同ク懸帶。〔39オ七〕
紅葉重(もみちかさね)。楊裏(やなきうら)。薄紅梅(うすこうばい)。色々(いろいろ)の筋小袖(すぢこそで)。隔子(かうし)織物(おりもの)。單衣(ひとへぎぬ)。濃(こ)キ紅(くれなゐ)の袴(はかま)。美精好(びせいかう)の裳(も)。唐綾(からあや)狂文(きやうもん)。唐衣(からきぬ)。朽葉(くちば)地(ぢ)。紫(むらさき)の羅(うすもの)。袙(あこめ)。練貫(ねりぬき)。浮文(うきもん)の綾(あや)。摺繪書(すゑかき)。目結(めゆひ)巻染(まきぞめ)。村紺掻(むらこんかき)。浅黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)。〔70オ二〕
†Vsumono.ウスモノ(羅・紗) 薄くて目の透いたある種の絹布で作った着物.〔邦訳734r〕
うすもの〔名〕【薄物】薄き織物。紗(シヤ)、羅(ロ)の類の總稱。うすはた。羅。孝徳紀、大化三年十二月「羅(うすもの)」源氏物語、榊50「うすものの直衣ひとへ」包袱(ひらづつみ)にも用ゐらる。榮花物語、二十三、駒競「香染(かうぞめ)の薄物のつつみどもなり」舊、今昔物語集、三十、第一語「香染ノ薄物ニ、筥ヲツツミテ」。〔0233-2〕
朽葉(クチバ)。〔元亀本189十〕〔静嘉堂本213八〕
朽葉(クチハ)。〔天正十七年本中36オ八〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺繪書目結巻染村紺掻浅黄小袖同懸帶〔至徳三年本〕
朽葉地紫○[衿]羅袙練貫浮文○[綾]摺繪書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帶〔宝徳三年本〕
朽葉地紫羅袙練貫浮文綾摺絵書目結巻染村紺掻淺黄小袖同懸帯〔建部傳内本〕
朽_葉(クチ―)地_紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)練_貫浮_文ノ綾摺繪_書目_結(―ユイ)巻_染村_紺(ムラコウ)掻(カキ)浅黄(アサキ)ノ小_袖同キ懸_帶(―ヲヒ)〔山田俊雄藏本〕
朽葉地(クチハジ)紫ノ羅(ウスモノ)袙(アコメ)袷練貫(ネリヌキ)浮文(ウキモン)ノ綾(アヤ)摺繪書(スリエカキ)。目結(―ユイ)巻染(マキソメ)村紺掻(ムラコウカキ)。浅黄(アサキ)ノ小袖同ク懸帶(カケ―)〔経覺筆本〕
朽葉-地(クチハチ)紫_羅(ムラサキウスモノ)袙(アコメ)練貫(ネリヌキ)浮_文(ウキモン)綾(アヤ)摺(スリ)繪_書(ヱカキ)目_結(メユイ)巻_染(マキソメ)村_紺(ムラコウ)掻(カキ)_浅_黄(アサキ)ノ小_袖同懸_帶(カケヲヒ)〔文明本〕
朽葉(クチバ) 。〔彩色136七〕
朽葉(クチバ/キユウヨフ)[上・入]。〔光彩門506六〕
朽葉(クチバ)。〔弘・衣服160二〕〔永・財宝131三〕〔両・財宝146二〕
朽葉(クチハ)。〔尭・財宝120四〕
朽葉(クチバ) 。〔衣服130七〕
396唐-衣朽-葉地-紫羅袙(ウスアコメ/キヌ) 藍染ノK也。〔謙堂文庫藏三九左E〕
とあって、標記語を「朽葉地」とし、その語注記は、未記載にする。
唐-綾(カラアヤ)狂-文(キヤウモン)ノ朽葉地(クチバヂ) トハ。カラ物ナリ。〔下十四ウ三〕
朽葉地(くちばぢ)紫(むらさき)の羅(うすもの)/朽葉地紫ノ羅 朽葉とハ豎(たて)黄にして横(よこ)あかきなり。〔53オ四・五〕
紅葉重(もみちがさ)ね楊裏(やなぎうら)薄紅梅(うすこうばい)色々(いろ/\)の筋小袖(すぢこそで)隔子織物(かうしをりもの)單衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)美精好(びせいこう)の裳(も)唐綾(からあや)経狂文(きやうもん)乃唐衣(からきぬ)朽葉地(くちばぢ)紫(むらさき)の羅(うすもの)袙(あこめ)練貫(ねりぬき)浮文(うきもん)の綾摺(あやすり)繪書(ゑか)き目結(めゆひ)卷染(まきそめ)村紺掻(むらこうかき)淺黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/紅葉重。楊裏。薄紅梅。色々ノ筋小袖。隔子織物。單衣。濃キ紅ノ袴。美精好裳。唐綾狂文。唐衣。朽葉地。紫羅。袙。練貫。浮文ノ綾。摺繪書。目結巻染。村紺掻。浅黄小袖同ク懸帶。▲朽葉ハ経(たて)ハ紅(くれない)緯(ぬき)ハ黄(き)にて織(を)るをいふ。〔39ウ四〕
紅葉重(もみちかさね)。楊裏(やなきうら)。薄紅梅(うすこうばい)。色々(いろいろ)の筋小袖(すぢこそで)。隔子(かうし)織物(おりもの)。單衣(ひとへぎぬ)。濃(こ)キ紅(くれなゐ)の袴(はかま)。美精好(びせいかう)の裳(も)。唐綾(からあや)狂文(きやうもん)。唐衣(からきぬ)。朽葉(くちば)地(ぢ)。紫(むらさき)の羅(うすもの)。袙(あこめ)。練貫(ねりぬき)。浮文(うきもん)の綾(あや)。摺繪書(すゑかき)。目結(めゆひ)巻染(まきぞめ)。村紺掻(むらこんかき)。浅黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)。▲朽葉ハ経(たて)ハ紅(くれなゐ)緯(ぬき)ハ黄(き)にて織(お)るをいふ。〔70ウ二〕
Cuchiba.クチバ(朽葉) すでに落ちかかっている古い木の葉で,やや赤黄色になったもの.〔邦訳160l〕
Cuchiba.l,cuchibairo.クチバ.または,クチバイロ(朽葉.または,朽葉色)赤みを帯びた色で,さらに金茶色,または,黄色がかった色.〔邦訳160l〕
Cuchiba iro.クチバイロ(朽葉色)Cuchiba(朽葉)の条を見よ.〔邦訳160l〕
くち-ば〔名〕【朽葉】(一)落葉(おちば)の、朽ちたるもの。源氏物語、四十六、總角59「岩隠れに積れる、もみぢのくち葉」(二)次條の語の略。〔0531-3〕
くちば-いろ〔名〕【朽葉色】染色の名、即ち、朽葉の色、黄にして、赤みある色。略して、くちば。赭黄。拾遺集、七、物名「くちばいろの折敷(をしき)」宇津保物語、樓上、下68「くちばの裾濃(すそご)の几帳の、繍(ぬひもの)したる、立てて」。〔0531-3〕
唐衣(―コロモ)。韓衣(同) 万。〔元亀本93六〕
唐衣(カラキヌ)。韓衣(同) 万。〔静嘉堂本116一〕
―衣(―コロモ)。韓衣(同) 。〔天正十七年本上57オ三〕
韓衣(―コロモ) 万。〔西來寺本165四〕
紅葉重楊裏薄紅梅色々筋小袖隔子織物單衣濃紅袴美精好裳唐綾狂文之唐衣〔至徳三年本〕
紅葉重楊裏薄紅梅色々筋小袖小隔子織物單衣濃紅袴美精好裳唐綾狂文之唐衣〔宝徳三年本〕
紅葉重楊裡薄紅梅色々筋小袖隔子織物単衣濃紅袴美精好之裳唐綾狂文唐衣〔建部傳内本〕
紅-葉重(モミチカサネ)楊-裏(ヤナキウラ)薄-紅-梅(ウスコウハイ)色々ノ筋(スチ)ノ小袖(コソテ)隔子(カウシ)ノ織-物(ヲリ―)單衣(ヒトヘノキヌ)濃-紅(コイクレナイ)ノ袴(ハカマ)美(ビ)精-好(せイカウ)ノ裳(モ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(ヒヤウノモン)ノ之唐衣(―キヌ)〔山田俊雄藏本〕
紅葉重(モミチ―)楊裏(ヤナキウラ)薄紅梅(ウス―)色々ノ筋(スチ)ノ小袖隔子(カウ―)ノ織-物(ヲリ―)單物(ヒトヘモノ)濃紅(コキ―)ノ袴美(ビ)精好ノ裳(モスソ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(キヤウモン)ノ之唐衣(―キヌ)〔経覺筆本〕
紅-葉重(モミチカサネ)楊-裏(ヤナキウラ)薄-紅-梅(ウスコウハイ)色々ノ筋(スチ)ノ小袖(コソテ)隔子(カウシ)ノ織-物(ヲリ―)單衣(ヒトヘノキヌ)濃-紅(コイクレナイ)ノ袴(ハカマ)美(ビ)精-好(せイカウ)ノ裳(モ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(ヒヤウノモン)ノ之唐衣(―キヌ)〔文明本〕
背子(ハイ・カラキヌ) 婦人表衣也。〔黒川本・雜物上80オ七〕
背子 カラキヌ/婦人表衣也。〔卷第三・雜物210四〕
396唐-衣朽-葉地-紫羅衵(ウスアコメ/キヌ) 藍染ノK也。〔謙堂文庫藏三九左E〕
とあって、標記語を「唐衣」とし、その語注記は、未記載にする。
唐-綾(カラアヤ)狂-文(キヤウモン)ノ唐衣(カラキヌ) トハ。カラ物ナリ。〔下十四ウ三〕
唐綾(からあや)狂文(きやうもん)の唐衣(からぎぬ)/唐綾狂文ノ唐衣 狂文ハ色色(いろ/\)乃浮文(うきもん)なり。唐衣ハ腰より上はかりにして袖身(そでミ)よりせばし。〔53オ三・四〕
紅葉重(もみちがさ)ね楊裏(やなぎうら)薄紅梅(うすこうばい)色々(いろ/\)の筋小袖(すぢこそで)隔子織物(かうしをりもの)單衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)美精好(びせいこう)の裳(も)唐綾(からあや)経狂文(きやうもん)乃唐衣(からきぬ)朽葉(くちば)地紫(ぢむらさき)の羅(うすもの)袙(あこめ)練貫(ねりぬき)浮文(うきもん)の綾摺(あやすり)繪書(ゑか)き目結(めゆひ)卷染(まきそめ)村紺掻(むらこうかき)淺黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/紅葉重。楊裏。薄紅梅。色々ノ筋小袖。隔子織物。單衣。濃キ紅ノ袴。美精好裳。唐綾狂文。唐衣。朽葉地。紫羅。衵。練貫。浮文ノ綾。摺繪書。目結巻染。村紺掻。浅黄小袖同ク懸帶。▲唐衣ハ腰限(こしぎり)の衣服(いふく)にて袖(そで)身より狭(せば)し。十二単(ひとへ)の上に着(き)るもの也。〔39ウ三〕
紅葉重(もみちかさね)。楊裏(やなきうら)。薄紅梅(うすこうばい)。色々(いろいろ)の筋小袖(すぢこそで)。隔子(かうし)織物(おりもの)。單衣(ひとへぎぬ)。濃(こ)キ紅(くれなゐ)の袴(はかま)。美精好(びせいかう)の裳(も)。唐綾(からあや)狂文(きやうもん)。唐衣(からきぬ)。朽葉(くちば)地(ぢ)。紫(むらさき)の羅(うすもの)。衵(あこめ)。練貫(ねりぬき)。浮文(うきもん)の綾(あや)。摺繪書(すゑかき)。目結(めゆひ)巻染(まきぞめ)。村紺掻(むらこんかき)。浅黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)。▲唐衣ハ腰限(こしぎり)の衣服(いふく)にて袖(そで)身より狭(せば)し。十二単(ひとへ)の上に着(き)るもの也。〔70ウ三〕
†Caracoromo.カラコロモ(唐衣) シナの衣服.〔邦訳100l〕
から-ぎぬ〔名〕【背子・唐衣】〔からは、幹(體(からだ)にて、胴着(ドウギ)の意と云ふ〕貴婦人の大禮服。裳と共に着るを、男の束帶に准ず、錦、綾にて作り、袷(あはせ)にて五衣(いつぎぬ)の上に着る、袖幅、短く、前の丈は、衣の袖丈と同じく、背の丈は、それよりも短し。倭名抄、十二18「背子、形如半臂、無腰襴之袷衣也、婦人表衣、以錦爲之、加良岐沼」枕草子、七、六十四段「男童(をのわらは)の着るやうに、なぞ、からぎぬは、短き衣とこそ言はめ」榮花物語、三十七、煙後「浮線綾の裳、からぎぬ」松屋筆記、八十七「女官装束は、裳唐衣は、束帶に准ず」〔0438-4〕
紅葉重楊裏薄紅梅色々筋小袖隔子織物單衣濃紅袴美精好裳唐綾狂文之唐衣〔至徳三年本〕
紅葉重楊裏薄紅梅色々筋小袖小隔子織物單衣濃紅袴美精好裳唐綾狂文之唐衣〔宝徳三年本〕
紅葉重楊裡薄紅梅色々筋小袖隔子織物単衣濃紅袴美精好之裳唐綾狂文唐衣〔建部傳内本〕
紅-葉重(モミチカサネ)楊-裏(ヤナキウラ)薄-紅-梅(ウスコウハイ)色々ノ筋(スチ)ノ小袖(コソテ)隔子(カウシ)ノ織-物(ヲリ―)單衣(ヒトヘノキヌ)濃-紅(コイクレナイ)ノ袴(ハカマ)美(ビ)精-好(せイカウ)ノ裳(モ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(ヒヤウノモン)ノ之唐衣〔山田俊雄藏本〕
紅葉重(モミチ―)楊裏(ヤナキウラ)薄紅梅(ウス―)色々ノ筋(スチ)ノ小袖隔子(カウ―)ノ織-物(ヲリ―)單物(ヒトヘモノ)濃紅(コキ―)ノ袴美(ビ)精好ノ裳(モスソ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(キヤウモン)ノ之唐衣〔経覺筆本〕
紅-葉重(モミチカサネ)楊-裏(ヤナキウラ)薄-紅-梅(ウスコウハイ)色々ノ筋(スチ)ノ小袖(コソテ)隔子(カウシ)ノ織-物(ヲリ―)單衣(ヒトヘノキヌ)濃-紅(コイクレナイ)ノ袴(ハカマ)美(ビ)精-好(せイカウ)ノ裳(モ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(ヒヤウノモン)ノ之唐衣〔文明本〕
狂文(キヤウモン/クルウ,フン・カザル・フミ)[平・平]。〔光彩門817八〕
395抑来廿日比勝-負之経-営候爲‖風-流|可キ∨入ル物ノ非ハ∨一ニ紅-葉重楊(ヤナキ)-裡薄-紅-梅色々ノ筋小袖小-隔子(カウ―)ノ織-物濃單衣(ウスキヌ)濃-紅(コキ―)ノ-袴美(ビ)精-好ノ裳(モスソ/モ)唐-綾狂-文ノ 色々有‖浮紋|乱合云也。〔謙堂文庫藏三九左B〕
唐-綾(カラアヤ)狂-文(キヤウモン)ノ唐衣(カラキヌ) トハ。カラ物ナリ。〔下十四ウ三〕
唐綾(からあや)狂文(きやうもん)の唐衣(からぎぬ)/唐綾狂文ノ唐衣 狂文ハ色色(いろ/\)乃浮文(うきもん)なり。唐衣ハ腰より上はかりにして袖身(そでミ)よりせばし。〔53オ三・四〕
紅葉重(もみちがさ)ね楊裏(やなぎうら)薄紅梅(うすこうばい)色々(いろ/\)の筋小袖(すぢこそで)隔子織物(かうしをりもの)單衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)美精好(びせいこう)の裳(も)唐綾(からあや)経狂文(きやうもん)乃唐衣(からきぬ)朽葉(くちば)地紫(ぢむらさき)の羅(うすもの)袙(あこめ)練貫(ねりぬき)浮文(うきもん)の綾摺(あやすり)繪書(ゑか)き目結(めゆひ)卷染(まきそめ)村紺掻(むらこうかき)淺黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/紅葉重。楊裏。薄紅梅。色々ノ筋小袖。隔子織物。單衣。濃キ紅ノ袴。美精好裳。唐綾狂文。唐衣。朽葉地。紫羅。衵。練貫。浮文ノ綾。摺繪書。目結巻染。村紺掻。浅黄小袖同ク懸帶。▲狂文とハ種々(いろ/\)乃浮文(うきもん)をいふ。〔39ウ三〕
紅葉重(もみちかさね)。楊裏(やなきうら)。薄紅梅(うすこうばい)。色々(いろいろ)の筋小袖(すぢこそで)。隔子(かうし)織物(おりもの)。單衣(ひとへぎぬ)。濃(こ)キ紅(くれなゐ)の袴(はかま)。美精好(びせいかう)の裳(も)。唐綾(からあや)狂文(きやうもん)。唐衣(からきぬ)。朽葉(くちば)地(ぢ)。紫(むらさき)の羅(うすもの)。衵(あこめ)。練貫(ねりぬき)。浮文(うきもん)の綾(あや)。摺繪書(すゑかき)。目結(めゆひ)巻染(まきぞめ)。村紺掻(むらこんかき)。浅黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)。▲狂文とハ種々(いろ/\)乃浮文(うき―)をいふ。〔70ウ一・二〕
Fio<mon.l,feo<mou.ヒャゥモン.または,ヘャゥモン(狂文) ある日本の絹の着物についている,四色から成る模様,または,絵.〔邦訳235r〕
きやうもん〔名〕【狂文】ひゃうもん(平文)の條を見よ。〔2021-3〕
裳(モスソ)。〔元亀本351一〕〔静嘉堂本422五〕
紅葉重楊裏薄紅梅色々筋小袖隔子織物單衣濃紅袴美精好裳唐綾狂文之唐衣〔至徳三年本〕
紅葉重楊裏薄紅梅色々筋小袖小隔子織物單衣濃紅袴美精好裳唐綾狂文之唐衣〔宝徳三年本〕
紅葉重楊裡薄紅梅色々筋小袖隔子織物単衣濃紅袴美精好之裳唐綾狂文唐衣〔建部傳内本〕
紅-葉重(モミチカサネ)楊-裏(ヤナキウラ)薄-紅-梅(ウスコウハイ)色々ノ筋(スチ)ノ小袖(コソテ)隔子(カウシ)ノ織-物(ヲリ―)單衣(ヒトヘノキヌ)濃-紅(コイクレナイ)ノ袴(ハカマ)美(ビ)精-好(せイカウ)ノ裳(モ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(ヒヤウノモン)ノ之唐衣〔山田俊雄藏本〕
紅葉重(モミチ―)楊裏(ヤナキウラ)薄紅梅(ウス―)色々ノ筋(スチ)ノ小袖隔子(カウ―)ノ織-物(ヲリ―)單物(ヒトヘモノ)濃紅(コキ―)ノ袴美(ビ)精好ノ裳(モスソ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(キヤウモン)ノ之唐衣〔経覺筆本〕
紅-葉重(モミチカサネ)楊-裏(ヤナキウラ)薄-紅-梅(ウスコウハイ)色々ノ筋(スチ)ノ小袖(コソテ)隔子(カウシ)ノ織-物(ヲリ―)單衣(ヒトヘノキヌ)濃-紅(コイクレナイ)ノ袴(ハカマ)美(ビ)精-好(せイカウ)ノ裳(モ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(ヒヤウノモン)ノ之唐衣〔文明本〕
裳(シヤウ) モ。裙(クン) 同/又作逑。〔黒川本・雜物下98四〕
裳 モ/云常。裙 同/亦作逑。〔卷第十・雜物407三〕
裳(モ) 以上ノ三種ハ律家(リツ(ケ))ノ之所ロ∨用ル也。〔絹布96七〕
裙(モ/モスソ)。裳(モスソ・モ/シヤウ)[平]律家所∨用。〔絹布門1067四・五〕
裳(モスソ/モ) 律家所用。〔弘・財宝259七〕〔尭・財宝207九〕
裳(モスソ/モ) 律家所∨用。裙(モ/クン)。〔永・財宝221六〕裳(モスソ) 母蘇尊。〔永・國花合紀集抜書281二〕
裙(モノスソ)。裾(同)。裳(モ/シヤウ)。裔(モスソ/エイ)。齋(同/シ) 衣下之裳。〔食服230二・三〕
395抑来廿日比勝-負之経-営候爲‖風-流|可キ∨入ル物ノ非ハ∨一ニ紅-葉重楊(ヤナキ)-裡薄-紅-梅色々ノ筋小袖小-隔子(カウ―)ノ織-物濃單衣(ウスキヌ)濃-紅(コキ―)ノ-袴美(ビ)精-好ノ裳(モスソ/モ)唐-綾狂-文ノ 色々有‖浮紋|乱合云也。〔謙堂文庫藏三九左B〕
美(ビ)精-好(せイカウ)ノ裳(モ) ハ。ハカマ同事。〔下十四ウ三〕
美精好(びせいがう)の裳(も)/美精好ノ裳 ハうるはしくこまやかなる絹(きぬ)にてしたる裳なり。裳ハ長さ一丈はかり幅(はヽ)、腰(こし)にて二尺四五寸あり。大腰に然帯をつけ、肩にをる。又小腰長さ四尺あまり引腰長さ六尺はかりに幅二寸はかりなるをつけを着る時五裳を附る。男子(なんし)の束帯(そくたい)のことし。〔52ウ四・五〕
紅葉重(もみちがさ)ね楊裏(やなぎうら)薄紅梅(うすこうばい)色々(いろ/\)の筋小袖(すぢこそで)隔子織物(かうしをりもの)單衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)美精好(びせいこう)の裳(も)唐綾(からあや)経狂文(きやうもん)乃唐衣(からきぬ)朽葉(くちば)地紫(ぢむらさき)の羅(うすもの)袙(あこめ)練貫(ねりぬき)浮文(うきもん)の綾摺(あやすり)繪書(ゑか)き目結(めゆひ)卷染(まきそめ)村紺掻(むらこうかき)淺黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/紅葉重。楊裏。薄紅梅。色々ノ筋小袖。隔子織物。單衣。濃キ紅ノ袴。美精好裳。唐綾狂文。唐衣。朽葉地。紫羅。衵。練貫。浮文ノ綾。摺繪書。目結巻染。村紺掻。浅黄小袖同ク懸帶。▲美精好ノ裳ハうつくしき精好の絹(きぬ)にて製(せい)したる裳(も)也。爰(こゝ)にいふ裳ハ官女(くハんちよ)の装束(しやうぞく)也。長(たけ)一丈ばかり腰(こし)に結(むす)びて後(うしろ)ろへ曳(ひ)くもの。〔39ウ二・三〕
紅葉重(もみちかさね)。楊裏(やなきうら)。薄紅梅(うすこうばい)。色々(いろいろ)の筋小袖(すぢこそで)。隔子(かうし)織物(おりもの)。單衣(ひとへぎぬ)。濃(こ)キ紅(くれなゐ)の袴(はかま)。美精好(びせいかう)の裳(も)。唐綾(からあや)狂文(きやうもん)。唐衣(からきぬ)。朽葉(くちば)地(ぢ)。紫(むらさき)の羅(うすもの)。衵(あこめ)。練貫(ねりぬき)。浮文(うきもん)の綾(あや)。摺繪書(すゑかき)。目結(めゆひ)巻染(まきぞめ)。村紺掻(むらこんかき)。浅黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)。▲美精好ノ裳ハうつくしき精好の絹にて制(せい)したる裳也。爰にいふ裳ハ官女(くハんぢよ)の装束(しやうぞく)なり。長(たけ)一丈ばかり腰(こし)にむすびて後(うしろ)ろへ曳(ひ)くもの。〔70オ六〜70ウ二〕
Mosuso.モスソ(裳裾) 着物の裾.〔邦訳424l〕
も〔名〕【裳】〔纏(ま)く意かと云ふ〕(一){昔、腰より下に着る衣。(裳に褶(ひをみ)、(即ち上裳(うはも)、裾、即ち下裳(したも)とあり)。續日本紀、九、承和七年三月の詔に「自今以後、云云、一裳之外、不∨得‖重着|」とあり。みも。倭名抄、十二19衣服類「上(表)曰∨裙、下(裏)曰∨裳、毛」(二重にはきて、上裳(うはも)、下裳(したも)と云ふ)神代紀、上21「天照大~、云云、縛∨裳(みも)爲∨袴」萬葉集、廿36長歌「美母の裾(すそ)抓みあげ」(防人の母に云ふ)。(二){腰部より後の方のみに覆ひ着る袴の如きものにて、襞深く、種種の繍物などを施す。五衣(いつつきぬ)、唐衣(からぎぬ)と共に、女房の大禮服とす。源氏物語、五十一、蜻蛉22「裳は、ただ今、我より上なる人なきにうちたゆみて、色もかへりざりければ」(三)僧侶の腰に着くるもの。玄蕃寮式「讀師法服、九條袈裟、云云、裳一腰」(四)布團(ふとん)の類。すべて下に用ゐるもの。即ち、衾(ふすま)は臥(ふし)も、氈(かも)は毛(け)も、筵(むしろ)はも代(しろ)、袴(はかま)は穿(はく)もの類なり。〔1998-5〕
×〔元亀本349六〕
精好(せイカウ)。〔静嘉堂本427一〕
紅葉重楊裏薄紅梅色々筋小袖隔子織物單衣濃紅袴美精好裳唐綾狂文之唐衣〔至徳三年本〕
紅葉重楊裏薄紅梅色々筋小袖小隔子織物單衣濃紅袴美精好裳唐綾狂文之唐衣〔宝徳三年本〕
紅葉重楊裡薄紅梅色々筋小袖隔子織物単衣濃紅袴美精好之裳唐綾狂文唐衣〔建部傳内本〕
紅-葉重(モミチカサネ)楊-裏(ヤナキウラ)薄-紅-梅(ウスコウハイ)色々ノ筋(スチ)ノ小袖(コソテ)隔子(カウシ)ノ織-物(ヲリ―)單衣(ヒトヘノキヌ)濃-紅(コイクレナイ)ノ袴(ハカマ)美(ビ)精-好(せイカウ)ノ裳(モ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(ヒヤウノモン)ノ之唐衣〔山田俊雄藏本〕
紅葉重(モミチ―)楊裏(ヤナキウラ)薄紅梅(ウス―)色々ノ筋(スチ)ノ小袖隔子(カウ―)ノ織-物(ヲリ―)單物(ヒトヘモノ)濃紅(コキ―)ノ袴美(ビ)精好ノ裳(モスソ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(キヤウモン)ノ之唐衣〔経覺筆本〕
紅-葉重(モミチカサネ)楊-裏(ヤナキウラ)薄-紅-梅(ウスコウハイ)色々ノ筋(スチ)ノ小袖(コソテ)隔子(カウシ)ノ織-物(ヲリ―)單衣(ヒトヘノキヌ)濃-紅(コイクレナイ)ノ袴(ハカマ)美(ビ)精-好(せイカウ)ノ裳(モ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(ヒヤウノモン)ノ之唐衣〔文明本〕
精好(セイガウ) 。〔絹布95六〕
精好(せイガウ・クワシヽ,コノム/アキラカ,ヨシ)[平・去] 絹類。〔態藝門1085四〕
精好(セイガウ) 絹類。〔弘・財宝264五〕〔永・財宝225八〕〔尭・財宝212六〕
鎧可着次第 ○三大口精好(セイカウ)〔兩・財宝96六〕
精好(セイガウ) 。〔食服234七〕
395抑来廿日比勝-負之経-営候爲‖風-流|可キ∨入ル物ノ非ハ∨一ニ紅-葉重楊(ヤナキ)-裡薄-紅-梅色々ノ筋小袖小-隔子(カウ―)ノ織-物濃單衣(ウスキヌ)濃-紅(コキ―)ノ-袴美(ビ)精-好ノ裳(モスソ/モ)唐-綾狂-文ノ 色々有‖浮紋|乱合云也。〔謙堂文庫藏三九左B〕
※精好―袈裟也。/抄云精好ハ袈裟也。私云加沙精好トヨムヘキ也。或説村上天王時ニ慈恵大師禁中ヘ細々御参アリテ縫ト云物ヲ見テ慈恵ノ素絹ヲツクリ始也。口傳アリ。〔国会図書館藏左貫注書込み〕
美(ビ)精-好(せイカウ)ノ裳(モ) ハ。ハカマ同事。〔下十四ウ三〕
美精好(びせいがう)の裳(も)/美精-好(せイカウ)ノ裳(モ) ハうるはしくこまやかなる絹(きぬ)にてしたる裳なり。裳ハ長さ一丈はかり幅(はヽ)、腰(こし)にて二尺四五寸あり。大腰に然帯をつけ、肩にをる。又小腰長さ四尺あまり引腰長さ六尺はかりに幅二寸はかりなるをつけを着る時五裳を附る。男子(なんし)の束帯(そくたい)のことし。〔52ウ四・五〕
紅葉重(もみちがさ)ね楊裏(やなぎうら)薄紅梅(うすこうばい)色々(いろ/\)の筋小袖(すぢこそで)隔子織物(かうしをりもの)單衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)美精好(びせいこう)の裳(も)唐綾(からあや)経狂文(きやうもん)乃唐衣(からきぬ)朽葉(くちば)地紫(ぢむらさき)の羅(うすもの)袙(あこめ)練貫(ねりぬき)浮文(うきもん)の綾摺(あやすり)繪書(ゑか)き目結(めゆひ)卷染(まきそめ)村紺掻(むらこうかき)淺黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/紅葉重。楊裏。薄紅梅。色々ノ筋小袖。隔子織物。單衣。濃キ紅ノ袴。美精好裳。唐綾狂文。唐衣。朽葉地。紫羅。衵。練貫。浮文ノ綾。摺繪書。目結巻染。村紺掻。浅黄小袖同ク懸帶。▲美精好ノ裳ハうつくしき精好の絹(きぬ)にて製(せい)したる裳(も)也。爰(こゝ)にいふ裳ハ官女(くハんちよ)の装束(しやうぞく)也。長(たけ)一丈ばかり腰(こし)に結(むす)びて後(うしろ)ろへ曳(ひ)くもの。〔39ウ二・三〕
紅葉重(もみちかさね)。楊裏(やなきうら)。薄紅梅(うすこうばい)。色々(いろいろ)の筋小袖(すぢこそで)。隔子(かうし)織物(おりもの)。單衣(ひとへぎぬ)。濃(こ)キ紅(くれなゐ)の袴(はかま)。美精好(びせいかう)の裳(も)。唐綾(からあや)狂文(きやうもん)。唐衣(からきぬ)。朽葉(くちば)地(ぢ)。紫(むらさき)の羅(うすもの)。衵(あこめ)。練貫(ねりぬき)。浮文(うきもん)の綾(あや)。摺繪書(すゑかき)。目結(めゆひ)巻染(まきぞめ)。村紺掻(むらこんかき)。浅黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)。▲美精好ノ裳ハうつくしき精好の絹にて制(せい)したる裳也。爰にいふ裳ハ官女(くハんぢよ)の装束(しやうぞく)なり。長(たけ)一丈ばかり腰(こし)にむすびて後(うしろ)ろへ曳(ひ)くもの。〔70オ六〜70ウ二〕
Xeigo<.セイガゥ(精好) 絹(Quinu)と呼ばれる織物の一種.〔邦訳745l〕
びせいがう〔名〕【美精好】(一)美しき精好織。庭訓往来、七月「美精好裳」。孕常磐(寳永、近松作)一「そぞろ浮き立つ出立は、赤地の錦の着長に、美精好の大口、重代の御佩刀」。〔1666-2〕
濃紅(コイクレナイ)。〔元亀本233五〕 袴(ハカマ)。〔元亀本34九〕
濃紅(コイクレナイ)。〔静嘉堂本268六〕 袴(ハカマ)。〔静嘉堂本37一〕
濃紅(コイクレナイ)。〔天正十七年本中63オ四〕 袴(ハカマ)。〔天正十七年本上19オ六〕
紅葉重楊裏薄紅梅色々筋小袖隔子織物單衣濃紅袴美精好裳唐綾狂文之唐衣〔至徳三年本〕
紅葉重楊裏薄紅梅色々筋小袖小隔子織物單衣濃紅袴美精好裳唐綾狂文之唐衣〔宝徳三年本〕
紅葉重楊裡薄紅梅色々筋小袖隔子織物単衣濃紅袴美精好之裳唐綾狂文唐衣〔建部傳内本〕
紅-葉重(モミチカサネ)楊-裏(ヤナキウラ)薄-紅-梅(ウスコウハイ)色々ノ筋(スチ)ノ小袖(コソテ)隔子(カウシ)ノ織-物(ヲリ―)單衣(ヒトヘノキヌ)濃-紅(コイクレナイ)ノ袴(ハカマ)美(ビ)精-好(せイカウ)ノ裳(モ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(ヒヤウノモン)ノ之唐衣〔山田俊雄藏本〕
紅葉重(モミチ―)楊裏(ヤナキウラ)薄紅梅(ウス―)色々ノ筋(スチ)ノ小袖隔子(カウ―)ノ織-物(ヲリ―)單物(ヒトヘモノ)濃紅(コキ―)ノ袴美(ビ)精好ノ裳(モスソ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(キヤウモン)ノ之唐衣〔経覺筆本〕
紅-葉重(モミチカサネ)楊-裏(ヤナキウラ)薄-紅-梅(ウスコウハイ)色々ノ筋(スチ)ノ小袖(コソテ)隔子(カウシ)ノ織-物(ヲリ―)單衣(ヒトヘノキヌ)濃-紅(コイクレナイ)ノ袴(ハカマ)美(ビ)精-好(せイカウ)ノ裳(モ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(ヒヤウノモン)ノ之唐衣〔文明本〕
濃 コシ。色―/又コマヤカ也。〔黒川本・光彩下6ウ四〕
濃 コシ。色―亦コマヤカナリ。〔卷第七・光彩141四〕
紅花 クレナヰ/戸公反。〔黒川本・光彩中76ウ一〕
紅 クレアヰ。紅花 同/俗用。藏尓雅云染謂之―今之紅也。〔卷第六・光彩419一〕
袴(コ) ハカマ。又作觸。襦(シウ) 同/短衣也。〔黒川本・言語112五〕
袴 ハカマ。襦 短衣也。觸 已上同。〔卷第一・雜物177四〕
濃(コク/ヂヨウ,コマヤカ)[平]。〔態藝門28二〕
紅(クレナイ/コウ)[平]。〔光彩門506六〕
袴(ハカマ/コ)[去]。觸(同/コ)[去]。襠(同/タウ)[平]。〔絹布門58八〕
濃(コキ/コマヤカナリ) 色。〔弘・言語進退189四〕
濃(コキ) コマヤカ也/色。〔永・言語157一〕
濃(コキ) 色―/コマヤカ也。〔尭・言語146五〕
紅(クレナイ)。〔弘・言語進退160五〕〔永・言語進退133一〕〔尭・言語122二〕〔両・言語・148五〕
袴(ハカマ)。〔弘・財宝21一〕〔永・財宝19三〕〔尭・財宝17七〕〔両・財宝21八〕
濃淺黄(コヒアサギ) ―紅(クレナイ)。〔食服155七〕
395抑来廿日比勝-負之経-営候爲‖風-流|可キ∨入ル物ノ非ハ∨一ニ紅-葉重楊(ヤナキ)-裡薄-紅-梅色々ノ筋小袖小-隔子(カウ―)ノ織-物濃單衣(ウスキヌ)濃-紅(コキ―)ノ-袴美(ビ)精-好ノ裳(モスソ/モ)唐-綾狂-文ノ 色々有‖浮紋|乱合云也。〔謙堂文庫藏三九左B〕
△濃紅袴 ヒシホノ袴ト云也。同表紅也。〔静嘉堂本『庭訓徃來抄』古写冠頭書込み〕
濃紅(コキクレナヒ)袴(ハカマ) ハ内裏(だいり)仙洞(せんとう)ノスマヰスル人著(キ)ルナリ。千入ノハカマ是也。ウラヲ白ク表(ヲモ)テハ練(ネリ)ヲ飽(アク)マテ紅(クレナヒ)ニソムルナリ。〔下十四ウ一・二〕
隔子(かうし)の織物(おりもの)単衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)/隔子ノ織物ノ單衣濃紅ノ袴 皆女房達の装束(しやうそく)也。単衣ハ下(した)ぎなり。其上に五衣(いつゝきぬ)其上に表着(うハき)其上に唐衣(からきぬ)を着る也。但し五つ衣又七つ衣あり。春(はる)冬(ふゆ)ハ八つも九つも十も重(かさね)ると也。濃紅の袴ハ千入(ちしほ)の袴乃事なり。表ハへにゝして裏ハ白なり。〔52ウ六〜八〕
紅葉重(もみちがさ)ね楊裏(やなぎうら)薄紅梅(うすこうばい)色々(いろ/\)の筋小袖(すぢこそで)隔子織物(かうしをりもの)單衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)美精好(びせいこう)の裳(も)唐綾(からあや)経狂文(きやうもん)乃唐衣(からきぬ)朽葉(くちば)地紫(ぢむらさき)の羅(うすもの)袙(あこめ)練貫(ねりぬき)浮文(うきもん)の綾摺(あやすり)繪書(ゑか)き目結(めゆひ)卷染(まきそめ)村紺掻(むらこうかき)淺黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/紅葉重。楊裏。薄紅梅。色々ノ筋小袖。隔子織物。單衣。濃キ紅ノ袴。美精好裳。唐綾狂文。唐衣。朽葉地。紫羅。衵。練貫。浮文ノ綾。摺繪書。目結巻染。村紺掻。浅黄小袖同ク懸帶。▲濃紅袴ハ千入(ちしほ)の袴ともいふ。表(おもて)ハ真紅(しんく)にて裏(うら)ハ白し。〔39オ四〜39ウ二〕
紅葉重(もみちかさね)。楊裏(やなきうら)。薄紅梅(うすこうばい)。色々(いろいろ)の筋小袖(すぢこそで)。隔子(かうし)織物(おりもの)。單衣(ひとへぎぬ)。濃(こ)キ紅(くれなゐ)の袴(はかま)。美精好(びせいかう)の裳(も)。唐綾(からあや)狂文(きやうもん)。唐衣(からきぬ)。朽葉(くちば)地(ぢ)。紫(むらさき)の羅(うすもの)。衵(あこめ)。練貫(ねりぬき)。浮文(うきもん)の綾(あや)。摺繪書(すゑかき)。目結(めゆひ)巻染(まきぞめ)。村紺掻(むらこんかき)。浅黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)。▲濃紅袴ハ千入(ちしほ)の袴ともいふ。表(おもて)ハ真紅(しんく)にて裏(うら)ハ白し。〔69ウ五〜70オ六〕
Coicurenai.コイクレナイ(濃紅) 非常に深い紅色.〔邦訳142l〕
†Facama.ハカマ(袴) 半ズボン〔袴〕,または,ズボンの下.§Facamano coxi.(袴の腰)日本の袴の後ろの側にある,あの薄板.§Facamano machi.(袴の襠)袴の両脚の間の所にさし加える布ぎれ.§Facamano mayegoxi.(袴の前腰)袴の前面の腰に接する部分.§Facamano qiguiua.(袴の着際)袴を着用した時に袴〔の上端〕が届いて腰に接する所.§Facamano ixizzuqi.(袴の石突)袴の裾,あるいは,末端.§Facamano soba.(袴の稜)例,Facamano sobauo toru.(袴の稜を取る)袴の横脇の部分を取って帶にはさむ.§Facamano vxirouobi.(袴の後帯)後ろの方で結ぶための〔袴の〕紐.※原文のCalcoesはcalca~oの複数形.calca~oは,腰から膝,または,膝の少し下までの男性用半ズボンを指す.当時のcalca~oは,大体“袴”に似ているが,股に密着してゆとりがなく,横脇のあきまや腰板に当たるものがないなど,種々の違いがあるけれども,他に適切な語がないので,早くからこの語を日本の“袴”にあてて用いている. 原文のCiroulasはceroulasに同じ.ズボンの下に着用する衣類で,麻や木綿やリンネルで作ったズボン下,下着を指す.“袴”の類に“肌袴”や“股引”もあるので,“袴”を総括的に説明するために,このciroulasを付け加えたものか.別条Fadacamaにはこの語の用例がある.→Fumicucumi,u;Saqeyabure,ru;Yeboxi camiximo.〔邦訳192r〕
こき〔形〕【濃】濃(こ)しの連體形、其條を見よ。〔0656-2〕
くれなゐ〔名〕【紅】〔呉(くれ)の藍(あゐ)の約、其條を見よ〕(一)すゑつむはな。紅花(べにばな)萬葉集、十一46「紅(くれなゐ)の、花にしあらば、衣手に、染めつけ持ちて、往(い)ぬべくおもほゆ」(二)紅花(べにばな)の汁にて染め成したる色。赤くして、鮮(あざや)かなる色。(紅花(べにばな)、及、紅(べに)の條を見よ)萬葉集、五21「久禮奈爲の、裳(も)の裾濡れて」同、十一24「呉藍(くれなゐ)の、八鹽(やしほ)の衣」(三)此語、色(いろ)、移(うつ)す、など云ふ語の序(ジヨ)に用ゐらる。萬葉集、四44「物言ひの、恐(かしこ)き國ぞ、紅の、色に莫(な)出(い)でそ、思ひ死ぬとも」同、七33「言痛(ごちた)くば、左右(かもかも)せむを、紅の、移し心や、妹に逢はざらむ」。〔0561-5〕
はかま〔名〕【袴】〔穿裳(はきも)の轉。衾(ふすま)の臥裳(ふすも)の轉なるが如し〕(一){腰脚を絡(まと)ふ衣。古きは、陰處を掩ふものにて、製、猿股引の如きものか、後に、はだばかま(膚袴)と云ふものならむ。褌。神代紀、上14「投‖其褌(はかま)、是謂‖開噛~」崇~紀、十年九月「屎漏‖于褌|、乃脱∨甲而逃之」雄略即位前紀「臣の子は、栲(たへ)の婆伽摩を、七重をし、庭に立たして、あゆひなたすも」履中即位前紀「爲∨我殺‖皇子|、吾必敦報∨汝、乃脱‖錦ノ衣褌(きぬはかま)|與之」(上(かみ)衣、下(しも)褌なり)。(二){後に、專ら、衣の上に用ゐて、腰より兩脚まで被ふべく寛く作れる衣。紐にて腰に約し、二脚に當る所、分れて袋の如し。表(うへ)の袴、指貫(さしぬき)の袴あり。又、長袴、半袴、馬乘袴、行燈(アンドン)袴等あり。各條に註す。袴。倭名抄、十二19衣服類「袴、八賀萬、脛上衣名也」(三)植物の莖などを絡(まと)ふ寛(ゆる)き皮。苞。藁の袴、稲莖の沒(はかま)、土筆の花沒(はかま)なども、此類なるべし。書字考節用集、六、生植門「苞、ハカマ、黄衣也」(四)方、又は、圓の小さき匣を酒瓶(とくり)の座とするもの。蜀山百首「世の中は、扨もせはしき、酒の燗、ちろりのはかま、きたりぬいだり」。〔1565-1〕
紅葉重楊裏薄紅梅色々筋小袖隔子織物單衣濃紅袴美精好裳唐綾狂文之唐衣〔至徳三年本〕
紅葉重楊裏薄紅梅色々筋小袖小隔子織物單衣濃紅袴美精好裳唐綾狂文之唐衣〔宝徳三年本〕
紅葉重楊裡薄紅梅色々筋小袖隔子織物単衣濃紅袴美精好之裳唐綾狂文唐衣〔建部傳内本〕
紅-葉重(モミチカサネ)楊-裏(ヤナキウラ)薄-紅-梅(ウスコウハイ)色々ノ筋(スチ)ノ小袖(コソテ)隔子(カウシ)ノ織-物(ヲリ―)單衣(ヒトヘノキヌ)濃-紅(コイクレナイ)ノ袴(ハカマ)美(ビ)精-好(せイカウ)ノ裳(モ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(ヒヤウノモン)ノ之唐衣〔山田俊雄藏本〕
紅葉重(モミチ―)楊裏(ヤナキウラ)薄紅梅(ウス―)色々ノ筋(スチ)ノ小袖隔子(カウ―)ノ織-物(ヲリ―)單物(ヒトヘモノ)濃紅(コキ―)ノ袴美(ビ)精好ノ裳(モスソ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(キヤウモン)ノ之唐衣〔経覺筆本〕
紅-葉重(モミチカサネ)楊-裏(ヤナキウラ)薄-紅-梅(ウスコウハイ)色々ノ筋(スチ)ノ小袖(コソテ)隔子(カウシ)ノ織-物(ヲリ―)單衣(ヒトヘノキヌ)濃-紅(コイクレナイ)ノ袴(ハカマ)美(ビ)精-好(せイカウ)ノ裳(モ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(ヒヤウノモン)ノ之唐衣〔文明本〕
單衣(タンイ) ヒトヘキヌ/都寒反。〔黒川本・雜物下90オ八〕
單衣 ヒトヘキヌ。衫同。〔卷第九・雜物342四〕
襖單衫(アウタンザン/フスマ,ヒトヱ,カタビラ)[上・平・平]云生(スヽシ)ノ‖單絹(ヒトヱキヌ)ヲ|。〔絹布門748八〕
偏(ヒトヘ)。單(同)。〔永・言語219六〕
偏(ヒトヘ)單(同)。〔尭・言語204七〕
單衣(ヒトヘギヌ) 。〔食服224六〕
395抑来廿日比勝-負之経-営候爲‖風-流|可キ∨入ル物ノ非ハ∨一ニ紅-葉重楊(ヤナキ)-裡薄-紅-梅色々ノ筋小袖小-隔子(カウ―)ノ織-物單衣(ウスキヌ)濃-紅(コキ―)ノ-袴美(ビ)精-好ノ裳(モスソ/モ)唐-綾狂-文ノ 色々有‖浮紋|乱合云也。〔謙堂文庫藏三九左B〕
楊裏(ヤナギウラ)薄紅梅(ウスコウバイ)色々ノ筋(スジ)ノ小袖隔子(カウシ)ノ織物(ヲリモノ)。單衣(ヒトヘギヌ) 楊裏(やなぎうら)トハ。表(ヲモテ)ハ黄色(キイロ)ニテ裏(ウラ)ノ青(アヲ)ク黄(キ)ナルヲ云ナリ。〔下十四ウ一・二〕
隔子(かうし)の織物(おりもの)単衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)/隔子ノ織物ノ單衣濃紅ノ袴 皆女房達の装束(しやうそく)也。単衣ハ下(した)ぎなり。其上に五衣(いつゝきぬ)其上に表着(うハき)其上に唐衣(からきぬ)を着る也。但し五つ衣又七つ衣あり。春(はる)冬(ふゆ)ハ八つも九つも十も重(かさね)ると也。濃紅の袴ハ千入(ちしほ)の袴乃事なり。表ハへにゝして裏ハ白なり。〔52ウ六〜八〕
紅葉重(もみちがさ)ね楊裏(やなぎうら)薄紅梅(うすこうばい)色々(いろ/\)の筋小袖(すぢこそで)隔子織物(かうしをりもの)単衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)美精好(びせいこう)の裳(も)唐綾(からあや)経狂文(きやうもん)乃唐衣(からきぬ)朽葉(くちば)地紫(ぢむらさき)の羅(うすもの)袙(あこめ)練貫(ねりぬき)浮文(うきもん)の綾摺(あやすり)繪書(ゑか)き目結(めゆひ)卷染(まきそめ)村紺掻(むらこうかき)淺黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/紅葉重。楊裏。薄紅梅。色々ノ筋小袖。隔子織物。單衣。濃キ紅ノ袴。美精好裳。唐綾狂文。唐衣。朽葉地。紫羅。衵。練貫。浮文ノ綾。摺繪書。目結巻染。村紺掻。浅黄小袖同ク懸帶。▲単衣ハ下着(したぎ)也。〔39オ四〜39ウ二〕
紅葉重(もみちかさね)。楊裏(やなきうら)。薄紅梅(うすこうばい)。色々(いろいろ)の筋小袖(すぢこそで)。隔子(かうし)織物(おりもの)。單衣(ひとへぎぬ)。濃(こ)キ紅(くれなゐ)の袴(はかま)。美精好(びせいかう)の裳(も)。唐綾(からあや)狂文(きやうもん)。唐衣(からきぬ)。朽葉(くちば)地(ぢ)。紫(むらさき)の羅(うすもの)。衵(あこめ)。練貫(ねりぬき)。浮文(うきもん)の綾(あや)。摺繪書(すゑかき)。目結(めゆひ)巻染(まきぞめ)。村紺掻(むらこんかき)。浅黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)。▲単衣ハ下着(したぎ)也。〔69ウ五〜70オ四〕
ひとへぎぬ〔名〕【單衣】〔一重衣の義。禮記、玉藻篇、注「襌、有衣裳而無裏」〕(一){衣の一重にて裏なきもの。ひとへもの。ひとへごろも。倭名抄、十二19衣服類「單衣、比止閉岐沼」齊明紀、六年三月「從‖一船裏|出‖二老翁|、廻行熟視‖所∨積綵帛等物|、便換‖着單衫(ひとへぎぬ)|、各提布一端、乗∨船還去」涙をもらしおとしても、いとはづかしく、つつましげにまぎらはしかくして」(二)略して、ひとへ。装束の下に重ねて着る衣の名。表着(うはぎ)の色に因りて、其色に定めあり。地は綾にて、張り、又は、板引にす。若年は重菱の紋、老年は遠菱、極老は白き色、四季共に着用すとぞ。後照念院殿装束抄「單衣、云云、束帶下赤張單衣事」北山抄、九、羽林要抄「相撲召合、云云、就∨中御覽之日、上臈亞相、於‖御前|勸盃、無‖單衣|透∨身、還似‖無禮|、然而存‖故實|、遺‖悋惜之名|乎」頼信卿記「享保二十年四月一日庚午、巳刻仙洞着御御衣冠|、云云、御衣、裏山吹、御單(豎菱紅)、御鎭守御奉幣相濟後入御十一月三日戌戌、御即位、依∨之院御幸、着‖御赤色御袍(菊)、麹塵御衣(裏山吹、下同事)、紅御單|(堅菱)」。〔1681-5〕
とあって、標記語を「單衣」を収載する。これを現代の『日本国語大辞典』第二版にも、標記語「ひとへぎぬ【單衣】[一]〔名〕@裏地のついていない衣服。A装束の下の肌着、または肌小袖の上につける裏なしの衣(きぬ)。女子は袴の上につけるので裾を長く引き、男子は袴に着こめるので裾を短く仕立てるのを普通とした」とあって、『庭訓往来』の語用例を未記載にする。
織物(ヲリモノ)。〔元亀本77七〕〔静嘉堂本94八〕〔天正十七年本上47オ五〕
紅葉重楊裏薄紅梅色々筋小袖隔子織物單衣濃紅袴美精好裳唐綾狂文之唐衣〔至徳三年本〕
紅葉重楊裏薄紅梅色々筋小袖小隔子織物單衣濃紅袴美精好裳唐綾狂文之唐衣〔宝徳三年本〕
紅葉重楊裡薄紅梅色々筋小袖隔子織物単衣濃紅袴美精好之裳唐綾狂文唐衣〔建部傳内本〕
紅-葉重(モミチカサネ)楊-裏(ヤナキウラ)薄-紅-梅(ウスコウハイ)色々ノ筋(スチ)ノ小袖(コソテ)隔子(カウシ)ノ織-物(ヲリ―)單衣(ヒトヘノキヌ)濃-紅(コイクレナイ)ノ袴(ハカマ)美(ビ)精-好(せイカウ)ノ裳(モ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(ヒヤウノモン)ノ之唐衣〔山田俊雄藏本〕
紅葉重(モミチ―)楊裏(ヤナキウラ)薄紅梅(ウス―)色々ノ筋(スチ)ノ小袖隔子(カウ―)ノ織-物(ヲリ―)單物(ヒトヘモノ)濃紅(コキ―)ノ袴美(ビ)精好ノ裳(モスソ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(キヤウモン)ノ之唐衣〔経覺筆本〕
紅-葉重(モミチカサネ)楊-裏(ヤナキウラ)薄-紅-梅(ウスコウハイ)色々ノ筋(スチ)ノ小袖(コソテ)隔子(カウシ)ノ織-物(ヲリ―)單衣(ヒトヘノキヌ)濃-紅(コイクレナイ)ノ袴(ハカマ)美(ビ)精-好(せイカウ)ノ裳(モ)唐-綾(カラアヤ)狂-文(ヒヤウノモン)ノ之唐衣〔文明本〕
綺(キ) ヲリモノ 。霖 同。織物 同/用也。〔黒川本・雑物上66オ七〕
綺。霖。織物 已上同。〔卷第三・雜物78一・二〕
とあって、十巻本に、標記語「綺」「霖」「織物」の語を収載する。
織物(ヲリモノ/シヨクフツ)[○・入]。〔絹布門214二〕
織物(ヲリモノ)。〔弘・財宝64四〕〔永・財宝65七〕〔尭・財物60一〕〔両・財寳70五〕
織物(ヲリモノ) 衣服。〔財宝62四〕
395抑来廿日比勝-負之経-営候爲‖風-流|可キ∨入ル物ノ非ハ∨一ニ紅-葉重楊(ヤナキ)-裡薄-紅-梅色々ノ筋小袖小-隔子(カウ―)ノ織-物單衣(ウスキヌ)濃-紅(コキ―)ノ-袴美(ビ)精-好ノ裳(モスソ/モ)唐-綾狂-文ノ 色々有‖浮紋|乱合云也。〔謙堂文庫藏三九左B〕
楊裏(ヤナギウラ)薄紅梅(ウスコウバイ)色々ノ筋(スジ)ノ小袖隔子(カウシ)ノ織物(ヲリモノ)。單衣(ヒトヘギヌ) 楊裏(やなぎうら)トハ。表(ヲモテ)ハ黄色(キイロ)ニテ裏(ウラ)ノ青(アヲ)ク黄(キ)ナルヲ云ナリ。〔下十四ウ一・二〕
隔子(かうし)の織物(おりもの)単衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)/隔子ノ織物ノ單衣濃紅ノ袴 皆女房達の装束(しやうそく)也。単衣ハ下(した)ぎなり。其上に五衣(いつゝきぬ)其上に表着(うハき)其上に唐衣(からきぬ)を着る也。但し五つ衣又七つ衣あり。春(はる)冬(ふゆ)ハ八つも九つも十も重(かさね)ると也。濃紅の袴ハ千入(ちしほ)の袴乃事なり。表ハへにゝして裏ハ白なり。〔52ウ六〜八〕
紅葉重(もみちがさ)ね楊裏(やなぎうら)薄紅梅(うすこうばい)色々(いろ/\)の筋小袖(すぢこそで)隔子織物(かうしをりもの)単衣(ひとへきぬ)濃紅(こきくれない)の袴(はかま)美精好(びせいこう)の裳(も)唐綾(からあや)経狂文(きやうもん)乃唐衣(からきぬ)朽葉(くちば)地紫(ぢむらさき)の羅(うすもの)袙(あこめ)練貫(ねりぬき)浮文(うきもん)の綾摺(あやすり)繪書(ゑか)き目結(めゆひ)卷染(まきそめ)村紺掻(むらこうかき)淺黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)/紅葉重。楊裏。薄紅梅。色々ノ筋小袖。隔子織物。單衣。濃キ紅ノ袴。美精好裳。唐綾狂文。唐衣。朽葉地。紫羅。衵。練貫。浮文ノ綾。摺繪書。目結巻染。村紺掻。浅黄小袖同ク懸帶。▲隔子織物ハ碁(ぐ)の目に織(をり)なしたる絹(きぬ)をいふ。〔39オ四〜39ウ一〕
紅葉重(もみちかさね)。楊裏(やなきうら)。薄紅梅(うすこうばい)。色々(いろいろ)の筋小袖(すぢこそで)。隔子(かうし)織物(おりもの)。單衣(ひとへぎぬ)。濃(こ)キ紅(くれなゐ)の袴(はかま)。美精好(びせいかう)の裳(も)。唐綾(からあや)狂文(きやうもん)。唐衣(からきぬ)。朽葉(くちば)地(ぢ)。紫(むらさき)の羅(うすもの)。衵(あこめ)。練貫(ねりぬき)。浮文(うきもん)の綾(あや)。摺繪書(すゑかき)。目結(めゆひ)巻染(まきぞめ)。村紺掻(むらこんかき)。浅黄(あさぎ)小袖(こそで)同(おなじ)く懸帶(かけおび)。▲隔子織物ハ碁(ぐ)の目に織(をり)なしたる絹(きぬ)をいふ。〔69ウ五〜70オ四〕
Vorimono.ヲリモノ(織物) 日本で織られる絹織物の一種.〔邦訳718l〕
ヲリモノ〔名〕【織物】(一)木綿、絹、麻等、すべて、絲を機にかけて織り成せる物の稱。布帛。(二){絹布に、多く文(あや)あるものの稱。綾。竹取物語「いふべくもあらぬ綾おり物に、繪をかきて」。〔0330-4〕
BACK(「言葉の泉」へ)
MAIN MENU(情報言語学研究室へ)
メールは、<(自宅)hagi@kk.iij4u.or.jp.(学校)hagi@komazawa-u.ac.jp.>で、お願いします。