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ことばの溜め池
ふだん何氣なく思っている「ことば」を、池の中にポチャンと投げ込んでいきます。ふと立ち寄ってお氣づきのことがございましたらご連絡ください。
直綴(―ドツ) 。〔元亀二年本67八〕
直綴(―トツ) 。〔静嘉堂本79八〕
直邉(―トツ) 。〔天正十七年本上40オ四〕〔西來寺本〕
鐃鉢錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束念珠帽子直綴鼻高草鞋。〔至徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束數珠帽子直綴鼻高草鞋。〔宝徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴佛具如意香爐水精半装束帽子直綴鼻高草鞋。〔建部傳内本〕
鐃鉢錫杖(シヤク―)鈴佛具如意香爐水精(―シヤウ)半装束ノ珠数帽子(モウス)直綴(―トツ)。鼻高(ビ―)草鞋(―アイ)。〔山田俊雄藏本〕
鐃鉢(ニユウハチ)錫杖鈴佛具如意香爐水精(スイシヤウ)半装束(―シヤウゾク)ノ念珠(ジユズ)帽子直綴(ヂキトツ)鼻荒(ビカウ)草鞋(―カイ)〔経覺筆本〕
鐃鉢(ネウハチ)錫杖(シヤクシヤウ)鈴(レイ)佛具(ブツグ)如意香爐(―ロ)水精(―シヤウ)半装束(―シヤウソク)数珠(シユズ)帽子(ボウシ)直綴(チキトツ)鼻廣(ヒクワウ)草鞋(サウカイ)〔文明本〕「珠(ヅ)」
直邉(ヂキトツ) 邉ハ或ハ作ス∨綴ニ也。〔絹布門96六〕
とあって、標記語「直綴」の語を収載し、語注記に「邉は、或は綴に作す」と記載する。次に広本『節用集』には、
直綴(ヂキトツ/ナヲシ、ツヾル)[上入・入] 。〔絹布門162二〕
とあって、標記語「直綴」の語を収載し、語注記は未記載にする。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
直綴(ヂキトツ) 衣。〔弘・財宝門50五〕〔尭・財宝門47五〕〔両・財宝門56二〕
直綴(ヂキトツ) 。〔永・財宝門52二〕
とあって、標記語「直綴」の語を収載し、訓みを「ヂキトツ」とし、語注記は三本に「衣」と記載する。また、易林本『節用集』に、
直綴(チキトツ) 。〔食服門50四〕
とあって、標記語「直綴」の語を収載し、訓みは「チキトツ」とする。
419帽子直綴 邉同、昔衣ト与∨裳別ニ爲也。今ハ一ニ爲也。〔謙堂文庫藏四一右E〕
とあって、標記語を「直綴」とし、その語注記は、「邉に同じ、昔衣と裳と別に爲すなり。今は一に爲すなり」と記載する。
水精(すいしやう)半装束(はんしやうぞく)の念珠(ねんしゆ)。帽子(もうす)直綴(ぢきとづ)。鼻高(びかう)。草鞋(さうあい) 何レモ不∨及∨記ニ。〔下十六オ二・三〕
直綴(じきとつ)/直綴 古ハ褊衫(へんさん)裙子(くんし)とて上下(かみしも)にわかりた居(い)しを後に一ツにつらねて直綴とすみじかき衣なり。〔55ウ七〜八〕
繞(にやう)鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)鈴(れい)佛具(ぶつぐ)如意(によゐ)香爐(かうろ)水精(すいしやう)半装束(はんしやうそく)の念珠(ねんしゆ)帽子(もうす)直綴(ちきとづ)鼻高(びかう)草鞋(さうあい)/鐃。鉢錫杖。鈴。佛具。如意。香爐。水精半装束念珠。帽子直綴。鼻高。草鞋。▲直綴ハ今の僧衣(そうえ)也。昔ハ褊衫(へんさん)裙子(くんす)とて上下別(べつ)なりしを後世(こうせい)つらねて直綴(ちきとづ)と名(なつ)く。今(いま)俗(ぞく)に十徳(しつとく)といふハ褊衫(へんさん)の事なるに又直綴(ぢきとつ)の音(こゑ)を訛(よミなま)りて十徳といふハ弥(いよいよ)誤(あやま)れる也。〔41ウ六〜七〕
鐃(にやう)。鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)。鈴(れい)。佛具(ぶつぐ)。如意(によい)。香爐(かうろ)。水精(すゐしやう)半装束(はんしやうぞく)の念珠(ねんしゆ)。帽子(ヂキトツ)直綴(ぢきとづ)。鼻高(びかう)。草鞋(さうあい)。▲直綴ハ今の僧衣(そうい)也。昔ハ褊衫(へんさん)裙子(くんす)とて上下別(べつ)なりしを後世(こうせい)つらねて直綴(ぢきとづ)と名(なづ)く。今俗(ぞく)に十徳(じつとく)といふハ褊衫(へんさん)の事なるに又直綴(ぢきとづ)の音(こゑ)を訛(よミなま)りて十徳(じつとく)といふハ弥(いよいよ)誤(あやま)れる也。〔74オ六〜ウ一〕
Giqitot.ヂキトツ(直邉・直綴) 坊主(Bonzos)が上に重ねて着る着物,または,僧衣.〔邦訳317r〕
ヂキ-トツ〔名〕【直綴・直邉】〔上衣の偏衫(へんさん)と、下衣の裙子(こしごろも)とを、直に綴り合はせたるもの〕僧の服の名。即ち、普通の法衣(ころも)なり、腰以下にひだあり。衣服の上に着る。道服の如し。勅修百丈清規、五「直綴、相傳、前輩、見下僧有二偏衫一而無レ裙、有レ裙而無中偏衫上、遂合二二衣一爲二直綴一」園太暦、延久四年四月十五日「公賢大臣、脱二直衣一、次着二法衣一、墨染大直綴也、其色濃」〔1262-1〕
帽子(ホウシ) 。〔元亀二年本44四〕
帽子(――) 。〔静嘉堂本49四〕
帽子(―シ) 。〔天正十七年本上25ウ三〕〔西來寺本〕
鐃鉢錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束念珠帽子直綴鼻高草鞋。〔至徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束數珠帽子直綴鼻高草鞋。〔宝徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴佛具如意香爐水精半装束帽子直綴鼻高草鞋。〔建部傳内本〕
鐃鉢錫杖(シヤク―)鈴佛具如意香爐水精(―シヤウ)半装束ノ珠数帽子(モウス)直綴(―トツ)。鼻高(ビ―)草鞋(―アイ)。〔山田俊雄藏本〕
鐃鉢(ニユウハチ)錫杖鈴佛具如意香爐水精(スイシヤウ)半装束(―シヤウゾク)ノ念珠(ジユズ)帽子直綴(ヂキトツ)鼻荒(ビカウ)草鞋(―カイ)〔経覺筆本〕
鐃鉢(ネウハチ)錫杖(シヤクシヤウ)鈴(レイ)佛具(ブツグ)如意香爐(―ロ)水精(―シヤウ)半装束(―シヤウソク)数珠(シユズ)帽子(ボウシ)直綴(チキトツ)鼻廣(ヒクワウ)草鞋(サウカイ)〔文明本〕「珠(ヅ)」
帽子(モウス) 。〔絹布門97一〕
とあって、標記語「帽子」の語を収載する。次に広本『節用集』には、
帽子(モウス/ホウ―、ヲヽウ,コ) 。又云‖烏帽(ウホウ)|。〔絹布門1067三〕
とあって、標記語「帽子」の語を収載し、語注記には「又云‖○○|」の形式で「烏帽」の語を記載する。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
帽子(モウス) 。〔弘・財宝門259五〕〔尭・財宝門207九〕
帽子(モウス/ボウシ) 。〔永・財宝門221六〕 帽子(ボウシ/モウス) 。〔永・財宝門32三〕
とあって、標記語「帽子」の語を収載し、訓みを永祿二年本は、「モウス」と「ボウシ」併用表記する。また、易林本『節用集』に、
帽子(モウス) 。〔食服門230二〕
とあって、標記語「帽子」の語を収載し、訓みは「モウス」とする。
419帽子直綴 邉同、昔衣ト与∨裳別ニ爲也。今ハ一ニ爲也。〔謙堂文庫藏四一右E〕
とあって、標記語を「帽子」とし、その語注記は、未記載にする。
水精(すいしやう)半装束(はんしやうぞく)の念珠(ねんしゆ)。帽子(もうす)直綴(ぢきとづ)。鼻高(びかう)。草鞋(さうあい) 何レモ不∨及∨記ニ。〔下十六オ二・三〕
帽子(もうす)/帽子 頭にかふるもの也。唐僧(とうそう)雨を祈(いの)る時炎天(ゑんてん)に頭(かうべ)あつかりしゆへ則天皇后(そくてんくハうこう)御衣(ぎよい)の袖(そて)を裂(さき)て頭に着せ玉ひしより帽子(もうす)始りしと也。〔55ウ六〜七〕
繞(にやう)鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)鈴(れい)佛具(ぶつぐ)如意(によゐ)香爐(かうろ)水精(すいしやう)半装束(はんしやうそく)の念珠(ねんしゆ)帽子(もうす)直綴(ちきとづ)鼻高(びかう)草鞋(さうあい)/鐃。鉢錫杖。鈴。佛具。如意。香爐。水精半装束念珠。帽子直綴。鼻高。草鞋。▲帽子ハ僧(そう)の頭(かしら)に被(かぶ)るもの其制(せい)一ならず共に頭巾(づきん)の類也。〔41ウ六〕
鐃(にやう)。鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)。鈴(れい)。佛具(ぶつぐ)。如意(によい)。香爐(かうろ)。水精(すゐしやう)半装束(はんしやうぞく)の念珠(ねんしゆ)。帽子(もうす)直綴(ぢきとづ)。鼻高(びかう)。草鞋(さうあい)。▲帽子ハ僧(そう)の頭(かしら)に被(かぶ)るもの其制(せい)一ならず共に頭巾(づきん)の類也。〔74オ一〜五〕
Bo>xi.ボウシ(帽子) Cazzuqu mono.(被く物)頭にかぶるもの,あるいは,頭を縛るもので,つばつき帽子,とんがり帽子,頭巾や,かぶり布など.§Vatabo>xi(綿帽子)真綿製の頭に巻く布.§Bina~bo>xi(美男帽子)踊りを踊る人とか外出する時の婦人とかが頭に縛る一種のタオルで,先端を長く垂らしておくもの.※原文はそれぞれ1)chapeo,2)carapuca,3)barrete.〔邦訳62r〕
Mo>su.モウス(帽子) 禅宗僧(Lenxus)が仏事の時とか人前に出る時とかにかぶるある種の頭巾.〔邦訳424l〕
モウ-ス〔名〕【帽子】〔まうすの轉〕まうす(帽子)に同じ。下學集、下、絹布門「帽子、モウス」易林本節用集(慶長)下、食服門「帽子、モウス」〔1998-3〕
鐃鉢錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束念珠帽子直綴鼻高草鞋。〔至徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束數珠帽子直綴鼻高草鞋。〔宝徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴佛具如意香爐水精半装束帽子直綴鼻高草鞋。〔建部傳内本〕
鐃鉢錫杖(シヤク―)鈴佛具如意香爐水精(―シヤウ)半装束ノ珠数帽子(モウス)直綴(―トツ)。鼻高(ビ―)草鞋(―アイ)。〔山田俊雄藏本〕
鐃鉢(ニユウハチ)錫杖鈴佛具如意香爐水精(スイシヤウ)半装束(―シヤウゾク)ノ念珠(ジユズ)帽子直綴(ヂキトツ)鼻荒(ビカウ)草鞋(―カイ)〔経覺筆本〕
鐃鉢(ネウハチ)錫杖(シヤクシヤウ)鈴(レイ)佛具(ブツグ)如意香爐(―ロ)水精(―シヤウ)半装束(―シヤウソク)数珠(シユズ)帽子(ボウシ)直綴(チキトツ)鼻廣(ヒクワウ)草鞋(サウカイ)〔文明本〕「珠(ヅ)」
418水精・半装束ノ念珠 珠数同也。〔謙堂文庫藏四一右E〕
とあって、標記語を「念珠」とし、その語注記は、「珠数に同じなり」と記載する。
水精(すいしやう)半装束(はんしやうぞく)の念珠(ねんしゆ)。帽子(もうす)直綴(ぢきとづ)。鼻高(びかう)。草鞋(さうあい) 何レモ不∨及∨記ニ。〔下十六オ二・三〕
香爐(かうろ)水精(すいしやう)半装束(はんしやうそく)の念珠(ねんしゆ)/香爐水精半装束念珠 念珠ハ数珠(じゆす)の事也。仏を念(ねん)する故念珠と云。数取(かすとり)にするゆへ珠数とも云。惣水精(そうすいしやう)は位(くらい)乃珠数なりとそ。〔55ウ四・五〕
繞(にやう)鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)鈴(れい)佛具(ぶつぐ)如意(によゐ)香爐(かうろ)水精(すいしやう)半装束(はんしやうそく)の念珠(ねんしゆ)帽子(もうす)直綴(ちきとづ)鼻高(びかう)草鞋(さうあい)/鐃。鉢錫杖。鈴。佛具。如意。香爐。水精半装束念珠。帽子直綴。鼻高。草鞋。▲半裝束念珠ハ半(はん)分水晶(しやう)をつなぎたる数珠(しゆす)也。〔41オ三〜41ウ六〕
鐃(にやう)。鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)。鈴(れい)。佛具(ぶつぐ)。如意(によい)。香爐(かうろ)。水精(すゐしやう)半装束(はんしやうぞく)の念珠(ねんしゆ)。帽子(もうす)直綴(ぢきとづ)。鼻高(びかう)。草鞋(さうあい)。▲半裝束念珠ハ半分(はんふん)水晶(すゐしやう)をつなぎたる数珠(じゆず)也。〔74オ一〜五〕
Nenju.ネンジユ(念珠) Vomo> tama.(念ふ珠)ゼンチョ(gentios 異教徒)の数珠.§Nenju uo teni curu.l,Nenjyu uo tcumaguru.(念珠を手に繰る,または,念珠を爪繰る)数珠をもって祈りを唱える.〔邦訳458l〕
ねん-じゅ〔名〕【念珠】〔一顆を爪繰る毎に佛を念ずるより云ふ〕ずず(數珠)に同じ。ネンズ。おもひのたま。倭名抄、十三2僧坊具「念珠、一云、數珠」字類抄「念珠、ネンジユ」舊唐書、李輔國傳「輔國不∨茹‖暈血|、常爲‖僧行|、視事之隙、手持‖念珠|」宇治拾遺物語、一、第六條「不動袈裟といふ袈裟かけて、木練子の念珠の大きなる、繰りさげたる聖法師入り來て立てり」〔1528-2〕
ねん-ず〔名〕【念珠】(一)ねんじゅ(念珠)に同じ。(二)浴(ゆあみ)すること。台記(頼長)「依鼻垂不念珠、但今日無‖温氣|」鼻垂後始念珠」注「夜前浴」(玉勝間、八)〔1528-3〕
鐃鉢錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束念珠帽子直綴鼻高草鞋。〔至徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束數珠帽子直綴鼻高草鞋。〔宝徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴佛具如意香爐水精半装束帽子直綴鼻高草鞋。〔建部傳内本〕
鐃鉢錫杖(シヤク―)鈴佛具如意香爐水精(―シヤウ)半装束ノ珠数帽子(モウス)直綴(―トツ)。鼻高(ビ―)草鞋(―アイ)。〔山田俊雄藏本〕
鐃鉢(ニユウハチ)錫杖鈴佛具如意香爐水精(スイシヤウ)半装束(―シヤウゾク)ノ念珠(ジユズ)帽子直綴(ヂキトツ)鼻荒(ビカウ)草鞋(―カイ)〔経覺筆本〕
鐃鉢(ネウハチ)錫杖(シヤクシヤウ)鈴(レイ)佛具(ブツグ)如意香爐(―ロ)水精(―シヤウ)半装束(―シヤウソク)数珠(シユズ)帽子(ボウシ)直綴(チキトツ)鼻廣(ヒクワウ)草鞋(サウカイ)〔文明本〕「珠(ヅ)」
418水精・半装束ノ念珠 珠数同也。〔謙堂文庫藏四一右E〕
とあって、標記語を「半装束」とし、その語注記は、未記載にする。
水精(すいしやう)半装束(はんしやうぞく)の念珠(ねんしゆ)。帽子(もうす)直綴(ぢきとづ)。鼻高(びかう)。草鞋(さうあい) 何レモ不∨及∨記ニ。〔下十六オ二・三〕
香爐(かうろ)水精(すいしやう)半装束(はんしやうそく)の念珠(ねんしゆ)/香爐水精半装束念珠 念珠ハ数珠(じゆす)の事也。仏を念(ねん)する故念珠と云。数取(かすとり)にするゆへ珠数とも云。惣水精(そうすいしやう)は位(くらい)乃珠数なりとそ。〔55ウ四・五〕
繞(にやう)鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)鈴(れい)佛具(ぶつぐ)如意(によゐ)香爐(かうろ)水精(すいしやう)半装束(はんしやうそく)の念珠(ねんしゆ)帽子(もうす)直綴(ちきとづ)鼻高(びかう)草鞋(さうあい)/鐃。鉢錫杖。鈴。佛具。如意。香爐。水精半装束念珠。帽子直綴。鼻高。草鞋。▲半裝束念珠ハ半(はん)分水晶(しやう)をつなぎたる数珠(しゆす)也。〔41オ三〜41ウ六〕
鐃(にやう)。鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)。鈴(れい)。佛具(ぶつぐ)。如意(によい)。香爐(かうろ)。水精(すゐしやう)半装束(はんしやうぞく)の念珠(ねんしゆ)。帽子(もうす)直綴(ぢきとづ)。鼻高(びかう)。草鞋(さうあい)。▲半裝束念珠ハ半分(はんふん)水晶(すゐしやう)をつなぎたる数珠(じゆず)也。〔74オ一〜五〕
Suixo<.ハンシヤウゾク(半装束) 半装束,または,ガラス.〔邦訳587l〕
ばん-しやうぞく〔名〕【番装束】番人の着る装束。曽我物語、九、屋形屋形の前にて咎められし事「足早に行きけるに、千葉介が屋形の前をぞ通りける、云云、番装束の警護の者、數十人、是も篝を焚きてぞ固めける」〔1623-5〕
水晶(―シヤウ) 。水精(―シヤウ) 。〔元亀二年本359五〕
水晶(―シヤウ) 。水精(同) 。〔静嘉堂本437四〕
鐃鉢錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束念珠帽子直綴鼻高草鞋。〔至徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束數珠帽子直綴鼻高草鞋。〔宝徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴佛具如意香爐水精半装束帽子直綴鼻高草鞋。〔建部傳内本〕
鐃鉢錫杖(シヤク―)鈴佛具如意香爐水精(―シヤウ)半装束ノ珠数帽子(モウス)直綴(―トツ)。鼻高(ビ―)草鞋(―アイ)。〔山田俊雄藏本〕
鐃鉢(ニユウハチ)錫杖鈴佛具如意香爐水精(スイシヤウ)半装束(―シヤウゾク)ノ念珠(ジユズ)帽子直綴(ヂキトツ)鼻荒(ビカウ)草鞋(―カイ)〔経覺筆本〕
鐃鉢(ネウハチ)錫杖(シヤクシヤウ)鈴(レイ)佛具(ブツグ)如意香爐(―ロ)水精(―シヤウ)半装束(―シヤウソク)数珠(シユズ)帽子(ボウシ)直綴(チキトツ)鼻廣(ヒクワウ)草鞋(サウカイ)〔文明本〕「珠(ヅ)」
水精 スイシヤウ 俗。〔黒川本・雜物下110オ二〕
水精 スイシヤウ。〔卷第十・雜物501四〕
水精(スイシヤウ) 精ト与ト∨晶同ク用也。〔器財門103七〕
水晶(スイシヤウ/ミヅ,アキラカ)[上・平]晶與精同。〔器財門1125二〕
とあって、標記語「水晶」の語で収載し、その読みを「スイシヤウ」とし、その語注記に、「晶と精同じ」と記載し、「水精」の表記を認知しているのである。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
水晶(スイシヤウ) 或作水精。〔弘・財宝269五〕
水晶(スイシヤウ) ―精。〔永・財宝231二〕
水晶(スイシヤウ) 又水精。〔尭・財宝217一〕
水精(スイシヤウ) ―晶(シヤウ)。―瓶(ビン)。―嚢(ナウ)。〔器財門240三〕
418水精・半装束ノ念珠 珠数同也。〔謙堂文庫藏四一右E〕
とあって、標記語を「水精」とし、その語注記は、未記載にする。
水精(スイシヤウ)半装束(はんしやうぞく)の念珠(ねんしゆ)。帽子(もうす)直綴(ぢきとづ)。鼻高(びかう)。草鞋(さうあい) 何レモ不∨及∨記ニ。〔下十六オ二・三〕
香爐(かうろ)水精(すいしやう)半装束(はんしやうそく)の念珠(ねんしゆ)/香爐水精半装束念珠 念珠ハ数珠(じゆす)の事也。仏を念(ねん)する故念珠と云。数取(かすとり)にするゆへ珠数とも云。惣水精(そうすいしやう)は位(くらい)乃珠数なりとそ。〔55ウ四・五〕
繞(にやう)鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)鈴(れい)佛具(ぶつぐ)如意(によゐ)香爐(かうろ)水精(すいしやう)半装束(はんしやうそく)の念珠(ねんしゆ)帽子(もうす)直綴(ちきとづ)鼻高(びかう)草鞋(さうあい)/鐃。鉢錫杖。鈴。佛具。如意。香爐。水精半装束念珠。帽子直綴。鼻高。草鞋。〔41オ三〕
鐃(にやう)。鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)。鈴(れい)。佛具(ぶつぐ)。如意(によい)。香爐(かうろ)。水精(すゐしやう)半装束(はんしやうぞく)の念珠(ねんしゆ)。帽子(もうす)直綴(ぢきとづ)。鼻高(びかう)。草鞋(さうあい)。〔74オ一〕
Suixo<.スイシヤウ(水精・水晶) 水精,または,ガラス.〔邦訳587l〕
すゐ-しやう〔名〕【水晶・水精】又、すゐさう。こほりいし。珪酸鉱屬、自然なるは、形、皆、六稜にして石英(セキエイ)と云ひ、細工したるを水晶と云ふ、色、純白なるを常とす、これを白(しろ)水晶と云ふ、最も透明にして堅し、琢(みが)きて眼鏡、數珠、其外、種種の飾りとして珎重す。白石英。又満俺(マンガン)を含みて、色の、紫なるあり、紫(むらさき)水晶と云ふ。紫石英。又、酸化鐵を含みて、色、Kきを、K(くろ)水晶と云ふ。K石英。又、色の、紅なるあり、紅(べに)水晶、又、紅石英(クセキエイ)と云ふ。紅石英。本草「水精、亦、頗黎之屬、有‖K白二色|、倭國多‖水晶|第一」枕草子、九、百十段「月の、いと明きに、川を渡れば、牛の歩むままに、すゐしゃうなどの割れたるやうに、水の散りたるこそ、をかしけれ」榮花物語、五、浦浦別「えも云はず大きに、水晶の玉ばかりの涙、續きこぼるる」〔2-939-5〜940-1〕
香炉(―ロ) 。〔元亀二年本94二〕〔静嘉堂本116七〕〔天正十七年本上57ウ一〕
鐃鉢錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束念珠帽子直綴鼻高草鞋。〔至徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束數珠帽子直綴鼻高草鞋。〔宝徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴佛具如意香爐水精半装束帽子直綴鼻高草鞋。〔建部傳内本〕
鐃鉢錫杖(シヤク―)鈴佛具如意香爐水精(―シヤウ)半装束ノ珠数帽子(モウス)直綴(―トツ)。鼻高(ビ―)草鞋(―アイ)。〔山田俊雄藏本〕
鐃鉢(ニユウハチ)錫杖鈴佛具如意香爐水精(スイシヤウ)半装束(―シヤウゾク)ノ念珠(ジユズ)帽子直綴(ヂキトツ)鼻荒(ビカウ)草鞋(―カイ)〔経覺筆本〕
鐃鉢(ネウハチ)錫杖(シヤクシヤウ)鈴(レイ)佛具(ブツグ)如意香爐(―ロ)水精(―シヤウ)半装束(―シヤウソク)数珠(シユズ)帽子(ボウシ)直綴(チキトツ)鼻廣(ヒクワウ)草鞋(サウカイ)〔文明本〕「珠(ヅ)」
香爐 カウロ 俗。〔黒川本・雜物上81ウ三〕
香爐 カウロ。〔卷第三・雜物215五〕
香爐(カウロ) 。〔器財門105六〕
香爐(カウロ/カウバシ,ヤク・イルリ)[平・平]異名愽山。金鴨。鵲尾。睡鳧。金鳧。金猊。金愽。金爐。黄爐。寳薫。寳鼎。睡鴨。寳鴨。鵲毛。仁風。火舎。〔器財門267八〜268一〕
とあって、標記語「香爐」の語を収載し、その読みを「カウロ」とし、その語注記は未記載にし、異名語群を列ねている。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
香爐(カウロ) 炉同。〔弘・財宝83三〕
香爐(カウロ) ―合(バコ)。―筋(バシ)。〔永・財宝80三〕〔両・財宝87四〕
香爐(カウロ) ―合。―裹。―臺。―筋。―鋸。〔尭・財宝73一〕
香爐(―ロ) ―題(ダイ)。―盤(バン)。―包(ツヽミ)。―箸(バシ)。〔器財75五〕
417香爐 燒香ハ自‖佛ノ時|也。近代ハ漢ノ明帝返魂香ヨリ起也。惣シテ香ヲ燒処ニハ、佛~三宝付∨烟顕也。況ヤ霊魂等如∨此。〔謙堂文庫藏四一右D〕
とあって、標記語を「香爐」とし、その語注記は、「燒香は、佛の時よりなり。近代は、漢の明帝返魂香より起るなり。惣じて香を燒く処には、佛~三宝、烟を付して顕すなり。況や霊魂等此くのごとし」と記載する。
鐃鉢(ネウハチ)錫杖(シヤクテウ)鈴(レイ)佛具(ブツグ)ノ如意(ニヨイ)香爐(カウロ) 何レモ不∨及∨記ニ。〔下十六オ二・三〕
香爐(かうろ)水精(すいしやう)半装束(はんしやうそく)の念珠(ねんしゆ)/香爐水精半装束念珠 念珠ハ数珠(じゆす)の事也。仏を念(ねん)する故念珠と云。数取(かすとり)にするゆへ珠数とも云。惣水精(そうすいしやう)は位(くらい)乃珠数なりとそ。〔55ウ四・五〕
繞(にやう)鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)鈴(れい)佛具(ぶつぐ)如意(によゐ)香爐(かうろ)水精(すいしやう)半装束(はんしやうそく)の念珠(ねんしゆ)帽子(もうす)直綴(ちきとづ)鼻高(びかう)草鞋(さうあい)/鐃。鉢錫杖。鈴。佛具。如意。香爐。水精半装束念珠。帽子直綴。鼻高。草鞋。〔41オ三〕
鐃(にやう)。鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)。鈴(れい)。佛具(ぶつぐ)。如意(によい)。香爐(かうろ)。水精(すゐしやう)半装束(はんしやうぞく)の念珠(ねんしゆ)。帽子(もうす)直綴(ぢきとづ)。鼻高(びかう)。草鞋(さうあい)。〔74オ一〕
Co<ro.カウロ(香爐) 香炉.〔邦訳150r〕
かう-ろ〔名〕【香爐】灰、火を盛りて、香(カウ)を薫(た)くに用ゐる器。陶、銅などにて、種種の形に作る。西京雜記「丁緩作‖九層博山香爐|、鏤以‖奇禽怪獸|、皆自然飛動」〔0349-4〕
佛具(―グ) 。〔元亀二年本223七〕
佛具(―ク) 。〔静嘉堂本256二〕〔天正十七年本中57オ五〕
鐃鉢錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束念珠帽子直綴鼻高草鞋。〔至徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束數珠帽子直綴鼻高草鞋。〔宝徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴佛具如意香爐水精半装束帽子直綴鼻高草鞋。〔建部傳内本〕
鐃鉢錫杖(シヤク―)鈴佛具如意香爐水精(―シヤウ)半装束ノ珠数帽子(モウス)直綴(―トツ)。鼻高(ビ―)草鞋(―アイ)。〔山田俊雄藏本〕
鐃鉢(ニユウハチ)錫杖鈴佛具如意香爐水精(スイシヤウ)半装束(―シヤウゾク)ノ念珠(ジユズ)帽子直綴(ヂキトツ)鼻荒(ビカウ)草鞋(―カイ)〔経覺筆本〕
鐃鉢(ネウハチ)錫杖(シヤクシヤウ)鈴(レイ)佛具(ブツグ)如意香爐(―ロ)水精(―シヤウ)半装束(―シヤウソク)数珠(シユズ)帽子(ボウシ)直綴(チキトツ)鼻廣(ヒクワウ)草鞋(サウカイ)〔文明本〕「珠(ヅ)」
佛事(ブツジ) ―説(せツ)。―語(ゴ)。―詣(ケイ)。―像(サウ)。―教(ケウ)。―陀(ダ)。―後(ゴ)。―性(シヤウ)。―物(モツ)。―法(ホフ)。―知(チ)。―恵(エ)。―慧(エ)。―前(ぜン)。―具(グ)。―心(シム)。―果(クワ)。―意(イ)。―祖不傳(ソフデン)。―恩(オン)。〔言辞152一〕
416佛具如意 佛具ハ獨鈷三鈷五鈷火舎根(ケツ)閼伽(アカ)桶乳木標此八ハ真言道具也。 根ハ壇上ノ四隅ノ柱也。乳木ハ用‖護摩ニ|白膠(ヌルテ)ノ木也。火舎ハ香炉也。如意ハ自‖牛連比丘|始。即橋梵婆提之亊也。常居‖帝釈天|帝釈ハ貴∨心。又貴∨体牛連ハ。爪ハ似∨牛ニ。口ハ似‖牛ノ連(ミシカム)ニ|。形律ニ達得法善巧也。雖∨然ト似‖牛ノ連ムニ|。人笑∨之故為∨隠∨之。作如意顔ヲ隠也。〔謙堂文庫藏四一右A〕
とあって、標記語を「佛具」とし、その語注記は「佛具は、獨鈷三鈷五鈷火舎根(ケツ)閼伽(アカ)桶乳木標此八は、真言道具なり」と記載する。
鐃鉢(ネウハチ)錫杖(シヤクテウ)鈴(レイ)佛具(ブツグ)ノ如意(ニヨイ)香爐(カウロ) 何レモ不∨及∨記ニ。〔下十六オ二・三〕
佛具(ぶつく)/佛具 佛家に用る道具をいふ。〔55ウ一〕
繞(にやう)鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)鈴(れい)佛具(ぶつぐ)如意(によゐ)香爐(かうろ)水精(すいしやう)半装束(はんしやうそく)の念珠(ねんしゆ)帽子(もうす)直綴(ちきとづ)鼻高(びかう)草鞋(さうあい)/鐃。鉢錫杖。鈴。佛具。如意。香爐。水精半装束念珠。帽子直綴。鼻高。草鞋。▲佛具ハ輪燈(りんとう)鶴亀(つるかめ)花瓶(くハひん)の類をすべていふ。〔41ウ二〜五〕
鐃(にやう)。鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)。鈴(れい)。佛具(ぶつぐ)。如意(によい)。香爐(かうろ)。水精(すゐしやう)半装束(はんしやうぞく)の念珠(ねんしゆ)。帽子(もうす)直綴(ぢきとづ)。鼻高(びかう)。草鞋(さうあい)。▲佛具ハ輪燈(りんとう)鶴亀(つるかめ)花瓶(くハひん)の類をすべていふ。〔73ウ六〜74オ四〕
Butgu.ブツグ(佛具) Fotoqno do<gu.(仏の道具)祭壇の仏(fotoqe)の前などで用いる物.〔邦訳68l〕
ブツグ〔名〕【佛具】ぶっき(佛器)に同じ。ブグ。和漢三才圖會、十九、~祭佛器「佛具(ブツグ)、按、佛具、因宗派有異、云云」〔1762-1〕
鐃鉢錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束念珠帽子直綴鼻高草鞋。〔至徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束數珠帽子直綴鼻高草鞋。〔宝徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴佛具如意香爐水精半装束帽子直綴鼻高草鞋。〔建部傳内本〕
鐃鉢錫杖(シヤク―)鈴佛具如意香爐水精(―シヤウ)半装束ノ珠数帽子(モウス)直綴(―トツ)。鼻高(ビ―)草鞋(―アイ)。〔山田俊雄藏本〕
鐃鉢(ニユウハチ)錫杖鈴佛具如意香爐水精(スイシヤウ)半装束(―シヤウゾク)ノ念珠(ジユズ)帽子直綴(ヂキトツ)鼻荒(ビカウ)草鞋(―カイ)〔経覺筆本〕
鐃鉢(ネウハチ)錫杖(シヤクシヤウ)鈴(レイ)佛具(ブツグ)如意香爐(―ロ)水精(―シヤウ)半装束(―シヤウソク)数珠(シユズ)帽子(ボウシ)直綴(チキトツ)鼻廣(ヒクワウ)草鞋(サウカイ)〔文明本〕「珠(ヅ)」
錫杖 シヤクチヤウ。〔黒川本・雜物下73オ六〕
錫杖 シヤクチヤウ。〔卷第九・雜物163一〕
錫杖(シヤクヂヤウ/ナマリ,ツヱ)[○・上] 。〔器財門925五〕
とあって、標記語「錫杖」の語を収載し、その読みを「シヤクヂヤウ」とし、その語注記は未記載にする。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
錫杖(シヤクジヤウ) 。〔弘・財宝241五〕
錫杖(シヤクヂヤウ) 。〔永・財宝207五〕
錫杖(シヤクチヤウ) 又智杖。〔尭・財宝191七〕
錫杖(シヤクヂヤウ) 。〔器財209一〕
414錫杖・華厳ノ抄書也。專ス‖三宝|。又云、爰ニ佛具之亊也。〔謙堂文庫藏四一右@〕
とあって、標記語を「錫杖」とし、その語注記は未記載にする。
鐃鉢(ネウハチ)錫杖(シヤクテウ)鈴(レイ)佛具(ブツグ)如意(ニヨイ)香爐(カウロ) 何レモ不∨及∨記ニ。〔下十六オ二・三〕
錫杖(しやくぢやう)/錫杖 この音にあしき虫(むし)獸(けだもの)思ることいえり。知らすして小虫をふミ殺(ころ)さん事を氣遣(きつか)ひて行脚(あんきや)の時錫杖をふるとなり。〔55ウ二〕
繞(にやう)鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)鈴(れい)佛具(ぶつぐ)如意(によゐ)香爐(かうろ)水精(すいしやう)半装束(はんしやうそく)の念珠(ねんしゆ)帽子(もうす)直綴(ちきとづ)鼻高(びかう)草鞋(さうあい)/鐃。鉢錫杖。鈴。佛具。如意。香爐。水精半装束念珠。帽子直綴。鼻高。草鞋。▲錫杖ハ是によつて煩悩(ほんなう)を除(のそ)き三界(がい)を出るとかや。〔41オ二〜五〕
鐃(にやう)。鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)。鈴(れい)。佛具(ぶつぐ)。如意(によい)。香爐(かうろ)。水精(すゐしやう)半装束(はんしやうぞく)の念珠(ねんしゆ)。帽子(もうす)直綴(ぢきとづ)。鼻高(びかう)。草鞋(さうあい)。▲錫杖ハ是によつて煩悩(ほんなう)を除(のぞ)き三界(さんがい)を出るとかや。〔73ウ六〜74オ三〕
Xacugio<.シャクヂャゥ(錫杖) 山伏(Yamabuxis)の持つ一種の杖.これを揺り動かすと音を立てるように,〔上方の〕先端にたくさんの鐶をはめたもの.〔邦訳741r〕
しゃく-ぢゃう〔名〕【錫杖】〔翻譯名義集「錫杖、由≡振時作‖錫錫聲|也、亦名‖聲杖|」〕(一)又、さくぢゃう。僧、修験者の携ふる杖、頭に、數個の環あり、行くに、地を突きて、響をなさしめ、惡蟲、毒獸を警むと云ふ。王維詩「上人飛‖錫杖|」榮花物語、十七、音樂「ともかくも云はれで、涙ぞ出でくる僧の服装(なり)ども、皆、梵音、錫杖、皆、品品に從ひて、色色なり」盛衰記、四十六、南都御幸大佛開眼事「地藏菩薩を安置せり、右に、黄金の錫杖を突、左に、如意寳珠を持給へるが」源氏物語、四十、幻22「常よりも殊に、錫杖(さくぢやう)の聲聲など、あはれにおぼさる」(二)祭文讀の、振り鳴らす具。形、僧の携ふる錫杖の環を去りたる上部に似たり。〔0977-5〕
鐃鉢(―ハチ) 。〔元亀二年本164二〕
鐃鉢(ネウハチ) 。〔静嘉堂本181六〕
鐃糺(ネウハチ) 。〔天正十七年本中21ウ六〕
鐃糺錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束念珠帽子直綴鼻高草鞋。〔至徳三年本〕
鐃糺錫杖鈴仏具如意香爐水精半装束數珠帽子直綴鼻高草鞋。〔宝徳三年本〕
鐃鉢錫杖鈴佛具如意香爐水精半装束帽子直綴鼻高草鞋。〔建部傳内本〕
鐃糺錫杖(シヤク―)鈴佛具如意香爐水精(―シヤウ)半装束ノ珠数帽子(モウス)直綴(―トツ)。鼻高(ビ―)草鞋(―アイ)。〔山田俊雄藏本〕
鐃鉢(ニユウハチ)錫杖鈴佛具如意香爐水精(スイシヤウ)半装束(―シヤウゾク)ノ念珠(ジユズ)帽子直綴(ヂキトツ)鼻荒(ビカウ)草鞋(―カイ)〔経覺筆本〕
鐃糺(ネウハチ)錫杖(シヤクシヤウ)鈴(レイ)佛具(ブツグ)如意香爐(―ロ)水精(―シヤウ)半装束(―シヤウソク)数珠(シユズ)帽子(ボウシ)直綴(チキトツ)鼻廣(ヒクワウ)草鞋(サウカイ)〔文明本〕「珠(ヅ)」
鐃(ネウ) 。鉢(ハチ) 。〔器財門112三〕
鐃糺(ネウハチ/ドラ,―)[平・入] 。〔器財門427五〕
とあって、標記語「鐃糺」の語を収載し、その読みを「ネウハチ」とし、その語注記は未記載にする。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
饒鉢(ネウハチ) 。〔弘・財宝134三〕
鐃糺(ネウハチ) 。〔永・財宝107八〕〔尭・財宝98六〕〔両・財宝120六〕
鐃糺(ネウハチ) 。〔器財108二〕
413鐃鉢 {昔ハ土ニテ}土羅也。〔謙堂文庫藏四一右@〕
とあって、標記語を「鐃鉢」とし、その語注記は未記載にする。
鐃鉢(ネウハチ)錫杖(シヤクテウ)鈴(レイ)佛具(ブツグ)ノ如意(ニヨイ)香爐(カウロ) 何レモ不∨及∨記ニ。〔下十六オ二・三〕
鐃(ねよう)/鐃 佛具(ぶつぐ)なりあく魔(ま)この音に恐れて障礙(しやうげ)をなさすといふ。〔55ウ一〕
鉢(はち)/鉢 法事に打鳴(うちな)らすきんといふものなり。〔55ウ一〜二〕
繞(にやう)鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)鈴(れい)佛具(ぶつぐ)如意(によゐ)香爐(かうろ)水精(すいしやう)半装束(はんしやうそく)の念珠(ねんしゆ)帽子(もうす)直綴(ちきとづ)鼻高(びかう)草鞋(さうあい)/鐃。鉢錫杖。鈴。佛具。如意。香爐。水精半装束念珠。帽子直綴。鼻高。草鞋。▲繞ハ銅糺子(とらはちし)の大なるもの也。繞鉢(にやうはち)といふ。〔41オ三〜七〕
鐃(にやう)。鉢(はち)錫杖(しやくぢやう)。鈴(れい)。佛具(ぶつぐ)。如意(によい)。香爐(かうろ)。水精(すゐしやう)半装束(はんしやうぞく)の念珠(ねんしゆ)。帽子(もうす)直綴(ぢきとづ)。鼻高(びかう)。草鞋(さうあい)。▲繞ハ銅糺子(とらばちし)乃大なるもの也。繞鉢(ねうはち)といふ。〔73ウ六〜74オ三〕
Nho>fachi.l,Nho>fat.ニョゥハチ,または,ニョゥハッ(鐃糺) 青銅か真鍮(しんちゅう)かで作った,sestrosに似た二個の楽器で,それらを互いに触れ合わせて音を出すもの.§Nhio>fatuo narasu.(鐃糺を鳴らす)このsestrosを鳴らす. ※sistroに同じで,昔の楽器.弓形に彎曲した一枚の金属板に,同じく金属の小さな棒を数本動けるように貫通したもので,これを振動させると,長くひびく鋭い音を立てる.〔邦訳460r〕
ねう-はち〔名〕【鐃鉢】〔はちは梵語、跋陀羅(Iatra.)の略〕佛家の楽器。響銅(さはり)にて作る。圓くして皿の如く、中凹めり。中央に韋の紐を附け、二枚、撃合はせて聲を發せしむ。どうばちし(銅糺子)の條をも見よ。字類抄「鐃鉢、ネウハチ」書字考節用集、七、器財門「鐃鉢、ネウハチ、僧家樂器」唐書、禮樂志「鐃鉢鐘磬、幢簫琵琶」山門堂舎記(應永)寳幢院「寺家所司義憲等、西下禮堂着座、件夜四智讃、鐃鉢等之役無之、學侶不相交故也」榮花物語、廿二、鳥舞「樂のこゑ、笙、笛、琴、箜篌、琵琶、鐃、銅糺をしらべあはせたり」心中刃氷朔日(寳永、近松作)中「太鼓、鉦も繞糺も、やがて入らうと涙ぐみ」〔1518ー3〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨衣法服錦七條裳横尾鈍色下袴〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨衣法服錦七条裳横尾鈍色下袴〔建部傳内本〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨ノ衣法服錦(ニシキ)ノ七条裳横尾(ワウー)鈍色(ドンー)下ノ袴〔山田俊雄藏本〕
長絹素絹ノ袈裟精-好薄墨ノ衣法服錦ノ七條裳横尾鈍色下袴(ハカマ)〔経覺筆本〕
長-絹(ケン)素-絹(ケン)袈-裟(ケサ)精-好(/せイカウ)薄墨(ウススミ)ノ衣法-服(ホウフク)錦(ニシキ)ノ七-条裳(モ)横-尾(アウヒ)鈍-色(トンジキ)下(シタ)_ノ袴(―マ)〔文明本〕
鈍色(ドンシキ) 。〔絹布門96六〕
鈍色(ドンジキ/―シヨク、ニブシ,イロ)[去・入] 。〔絹布門130五〕
とあって、標記語「鈍色」の語を収載し、その読みを「ドンジキ」とし、その語注記は未記載にする。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
鈍色(トンジキ) 。〔弘・財宝43五〕
鈍色(ドンジキ/ニウイロ) 。〔永・財宝44五〕
鈍色(ドンジキ) 。〔尭・財宝41二〕
鈍色(ドンシキ) 。〔両・財寳48八〕
鈍色(ドンシキ) 。〔食服42五〕
412鈍(ドン)色ノ下ノ袴 灰色也。[謙堂文庫藏四〇左I]
とあって、標記語を「鈍色の下袴」とし、その語注記は「灰色なり」と記載する。
鈍色(ドンジキ)下ノ袴(ハカマ) 鈍色ト云ハ白キ練(ネリ)ノ衣ナリ。則(スナハ)チ下(シ)タ袴(ハカマ)有ベシ。〔下十五ウ七・八〕
鈍色(ドンジキ)/鈍色 ねりきぬの衣也。天台(てんたい)真言(しんこん)なとふまえる。〔54ウ八〜55オ一〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)乃分(ぶん)者(ハ)差合(さしあ)ひ候(さふら)ふ之間(あいだ)練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたかさね)候(さふら)ふ注文(ちうもん)之(の)外(ほか)使者(ししや)に屬(ぞく)して之(これ)を申(まう)し入(い)れら被(る)長絹(ちやうけん)素絹(そけん)袈裟(けさ)精好(せいこう)薄墨(うすすミ)の衣(ころも)法服(ほふふく)錦(にしき)の七條(しちてう)裳(も)横尾(わうび)鈍色(とんしき)下(した)乃袴(はかま)/但シ單衣ノ文要用ノ之分者。差合候ノ之間。練色ノ魚龍。白張。裏衣。二重候。注文之外。属シテ‖使者ニ|被∨申シ‖入レラ之ヲ|。長絹。素絹。袈裟。精-好。薄墨ノ衣。法服。錦ノ七條。裳。横尾。鈍色。下ノ袴。〔41オ三〜七〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)の分(ぶん)者(ハ)。差合(さしあひ)候(さふらふ)之(の)間(あひだ)。練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりよう)。白張(しらはり)。裏衣(うらきぬ)。二重(ふたかさね)候(さふらふ)。注文(ちゆうもん)之(の)外(ほか)。属(ぞく)して‖使者(ししや)に|被(る)∨申(まう)し‖入(い)れら之(これ)を|。長絹(ちやうけん)。素絹(そけん)。袈裟(けさ)。精-好(せいかう)。薄墨(うすすミ)の衣(ころも)。法服(ほふふく)。錦(にしき)の七條(しちでう)。裳(も)。横尾(わうび)。鈍色(どんじき)。下(した)の袴(はかま)。〔72オ二〜72ウ二〕
どん-じき〔名〕【鈍色】(一)にびいろ。(鈍色)に同じ。(二)僧の灰色に染めたる服にて、衣冠、直衣にあたるもの。袍に似て、僧綱(ソウガウ)領(えり)を立つ。晴には上(うへ)の袴、略儀には指貫を着す。法體装束抄「鈍色を可令著次第」海人藻芥、中「鈍色は俗の狩衣なり」〔1423-1〕
錦(ニシキ) 。〔元亀二年本41一〕〔天正十七年本上23オ三〕〔西來寺本〕
錦(―) 。〔静嘉堂本45一〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨衣法服錦七條裳横尾鈍色下袴〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨衣法服錦七条裳横尾鈍色下袴〔建部傳内本〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨ノ衣法服錦(ニシキ)ノ七条裳横尾(ワウー)鈍色(ドンー)下ノ袴〔山田俊雄藏本〕
長絹素絹ノ袈裟精-好薄墨ノ衣法服錦ノ七條裳横尾鈍色下袴(ハカマ)〔経覺筆本〕
長-絹(ケン)素-絹(ケン)袈-裟(ケサ)精-好(/せイカウ)薄墨(ウススミ)ノ衣法-服(ホウフク)錦(ニシキ)ノ七-条裳(モ)横-尾(アウヒ)鈍-色(トンジキ)下(シタ)_ノ袴(―マ)〔文明本〕
錦(キン) ニシキ/蜀江還郷。〔黒川本・雜物上30ウ五〕
錦 。〔卷第二・雜物263四〕
錦(ニシキ/キン)[上] 。説文云。錦ハ金也。其用∨功ヲ重價如∨金ノ。故制∨字ヲ従ヘリ‖帛与∨金也。錦ハ織∨文也。出‖於蜀|者為‖上綉ト|五色備也。諞(チウ)為メ∨質ト刺成ス故名∨諞ト也。綉綺羅皆文ノ閙也。異名蜀機。氷蚕織花。鮫室。氷緑。〔絹布門88一〕
とあって、標記語「錦」の語を収載し、標記語「七條」語は未収載にする。「錦」の語注記は、「説文云く、錦は金なり。其れ功を用ひ重ねて價金のごとし。故に字を制し帛に従へり金とすなり。錦は文を織るなり。蜀より出づるは、上綉と為し五色を備ふなり。諞(チウ)質と為して刺し成す故に諞と名づくなり。綉・綺・羅皆文の閙なり」と記載し、末尾に異名語彙を記載する。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
錦(ニシキ) 。〔弘・財宝28四〕〔永・財宝28七〕〔尭・財宝26四〕
七条(――) 。〔弘・京中小路名282二〕〔永・京中小路名266三〕〔尭・京中小路名237四〕
錦(ニシキ) 。〔食服26五〕
410薄墨ノ衣。法-服(フク)。錦ノ七条裳(モ) 或云、裙也。〔謙堂文庫藏四〇左E〕
とあって、標記語を「錦ノ七條」とし、その語注記は未記載にする。
錦(ニシキ)ノ七條 ハ位(クライ)ノ袈裟(ケサ)ナリ。〔下十五ウ七・八〕
錦の七条(しちでう)裳(も)/錦ノ七條 衣の上に加ふる物なり。又二十五条もあり。〔55オ五〜六〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)乃分(ぶん)者(ハ)差合(さしあ)ひ候(さふら)ふ之間(あいだ)練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたかさね)候(さふら)ふ注文(ちうもん)之(の)外(ほか)使者(ししや)に屬(ぞく)して之(これ)を申(まう)し入(い)れら被(る)長絹(ちやうけん)素絹(そけん)袈裟(けさ)精好(せいこう)薄墨(うすすミ)の衣(ころも)法服(ほふふく)錦(にしき)の七條(しちてう)裳(も)横尾(わうび)鈍色(とんしき)下(した)乃袴(はかま)/但シ單衣ノ文要用ノ之分者。差合候ノ之間。練色ノ魚龍。白張。裏衣。二重候。注文之外。属シテ‖使者ニ|被∨申シ‖入レラ之ヲ|。長絹。素絹。袈裟。精-好。薄墨ノ衣。法服。錦ノ七條。裳。横尾。鈍色。下ノ袴。▲錦七條ハ錦(にしき)にて作(つく)る袈裟也。大衣(だいえ)七條五條是を三衣(さんえ)といふ。〔41ウ一〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)の分(ぶん)者(ハ)。差合(さしあひ)候(さふらふ)之(の)間(あひだ)。練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりよう)。白張(しらはり)。裏衣(うらきぬ)。二重(ふたかさね)候(さふらふ)。注文(ちゆうもん)之(の)外(ほか)。属(ぞく)して‖使者(ししや)に|被(る)∨申(まう)し‖入(い)れら之(これ)を|。長絹(ちやうけん)。素絹(そけん)。袈裟(けさ)。精-好(せいかう)。薄墨(うすすミ)の衣(ころも)。法服(ほふふく)。錦(にしき)の七條(しちでう)。裳(も)。横尾(わうび)。鈍色(どんじき)。下(した)の袴(はかま)。▲錦七條ハ錦(にしき)にて作(つく)る袈裟也。大衣(だいえ)七條五條是を三衣(さんえ)といふ。〔73ウ四〕
Nixiqi.ニシキ(錦) 織物の一種でbrocadilhoに似たもの.※brocadoは,金糸,銀糸で模様を織り出した絹織物.brocadilhoは,本来brocado品質の劣った織物を指す語であるが,本書ではNixiqi(錦),Qinran(金襴)にあてている.〔邦訳468l〕
に-しき〔名〕【錦】〔丹繁(にしき)の義にて、赤きを本として、目の繁き意と云ふ。或は云ふ、丹敷の義と〕(一)五彩の絲にて、種種の模様を織出せる、厚くして、極めて美なる絹布の名。綺(かむはた)は、古代よりありて、直に、にしきと稱せり。(神功皇后、新羅を征して歸られし時、金銀、綵色、及、綾羅、鄂絹を從へしめられし事、日本紀に見え、萬葉集に綵色(にしき)とあり、新羅の王を尼師今(にしき)と云ふ)後に、韓國の織工來りて、製せるを韓錦(からにしき)と云ひ、後、又、支那より舶來するもの多く、これを唐錦(からにしき)と稱し、從來の者を大和錦(やまとにしき)と云ふ。後、織法、衰へて、後世、再び支那法を傳ふ。倭名抄、十二16錦綺類「錦、邇之岐」天治字鏡、六26「錦、爾志支」允恭紀、八年二月「ささらがた、邇之枳の紐を、解きさけて、あまたはねずに、ただ一夜のみ」天武紀、下、朱鳥元年四月「霞(かすみいろ)の錦(にしき)」(二)すべて、美しく麗しき物の稱。宇津保物語、梅花笠7「大空に、風の織りしく、にしきをば、谷より雲ぞ、たちわたるらし」古今集、一、春、上「見渡せば、楊櫻を、こきまぜて都ぞ春の、にしきなりけり」後撰集、七、秋、下「もみぢ葉を、わけつつ行ば、錦着て、家に歸ると、人や見るらむ」「紅葉の錦」春の錦」錦を着るとは、富貴の身となる。漢書、項羽傳「懐‖思東歸|曰、富貴不∨歸‖故郷|、如‖衣∨錦夜行|」同、朱買臣傳「富貴不∨歸‖故郷|、如‖衣∨繍夜行|」夜の錦など云ふも、これなり。古今集、五、秋、下「見る人も、なくてちりぬる、奥山の、紅葉はよるの、にしきなりけり」後撰集、十、戀、二「おもへども、あやなしとのみ、いはるれば、よるのにしきの、心ちこそすれ」〔1490-3〕
しち-でう〔名〕【七條】次條の語の略。顕密威儀便覧、上「官僧、七條」〔0902-4〕
しちでう-の-ケサ〔名〕【七條袈裟】けさ(袈裟)の條(一)を見よ。玄蕃寮式「講師法服、七條袈裟一條」〔0902-4〕
法服(―ブク) 。〔元亀二年本42四〕
法服(―フク) 。〔静嘉堂本46五〕〔天正十七年本上24オ五〕〔西來寺本〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨衣法服錦七條裳横尾鈍色下袴〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨衣法服錦七条裳横尾鈍色下袴〔建部傳内本〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨ノ衣法服錦(ニシキ)ノ七条裳横尾(ワウー)鈍色(ドンー)下ノ袴〔山田俊雄藏本〕
長絹素絹ノ袈裟精-好薄墨ノ衣法服錦ノ七條裳横尾鈍色下袴(ハカマ)〔経覺筆本〕
長絹(ケン)素-絹(ケン)袈-裟(ケサ)精-好(/せイカウ)薄墨(ウススミ)ノ衣法-服(ホウフク)錦(ニシキ)ノ七-条裳(モ)横-尾(アウヒ)鈍-色(トンジキ)下(シタ)_ノ袴(―マ)〔文明本〕
法服(ホフブク) 。〔衣服6ウ十〕
法服(ホウブク) 。〔財寳上21オ四〕
とあって、標記語「法服」の語を収載し、その読みを「ホフブク」「ホウブク」とし、その語注記は未記載にする。また、易林本『節用集』には、
法服(ホウブク) 。〔食服31二〕
410薄墨ノ衣。法-服(フク)。錦ノ七条裳(モ) 或云、裙也。〔謙堂文庫藏四〇左E〕
とあって、標記語を「法服」とし、その語注記は未記載にする。
法服(ホウフク) ハ法衣也。〔下十六オ一〕
法服(ほうぶく)/法服 真言宗にて着る衣なり。〔55オ五〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)乃分(ぶん)者(ハ)差合(さしあ)ひ候(さふら)ふ之間(あいだ)練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたかさね)候(さふら)ふ注文(ちうもん)之(の)外(ほか)使者(ししや)に屬(ぞく)して之(これ)を申(まう)し入(い)れら被(る)長絹(ちやうけん)素絹(そけん)袈裟(けさ)精好(せいこう)薄墨(うすすミ)の衣(ころも)法服(ほふふく)錦(にしき)の七條(しちてう)裳(も)横尾(わうび)鈍色(とんしき)下(した)乃袴(はかま)/但シ單衣ノ文要用ノ之分者。差合候ノ之間。練色ノ魚龍。白張。裏衣。二重候。注文之外。属シテ‖使者ニ|被∨申シ‖入レラ之ヲ|。長絹。素絹。袈裟。精-好。薄墨ノ衣。法服。錦ノ七條。裳。横尾。鈍色。下ノ袴。▲法服ハ僧衣也。〔41ウ一〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)の分(ぶん)者(ハ)。差合(さしあひ)候(さふらふ)之(の)間(あひだ)。練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりよう)。白張(しらはり)。裏衣(うらきぬ)。二重(ふたかさね)候(さふらふ)。注文(ちゆうもん)之(の)外(ほか)。属(ぞく)して‖使者(ししや)に|被(る)∨申(まう)し‖入(い)れら之(これ)を|。長絹(ちやうけん)。素絹(そけん)。袈裟(けさ)。精-好(せいかう)。薄墨(うすすミ)の衣(ころも)。法服(ほふふく)。錦(にしき)の七條(しちでう)。裳(も)。横尾(わうび)。鈍色(どんじき)。下(した)の袴(はかま)。▲法服ハ僧衣也。〔73ウ四〕
Fo>bocu.ホウフク(法服) 坊主(Bo~zos),すなわち,僧侶の着物,あるいは,それらの人々が勤行や儀式の際に着用する着物.〔邦訳255l〕
ほう-ふく〔名〕【法服】〔ほふふく(法服)の音便〕ほふ(ウ)え(法衣)に同じ。(佛教の語)源氏物語、三十四、上、若菜、上24「御忌事(いむこと)のあざり、三人さぶらひて、ほうふくなど奉る程」〔1827-4〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨衣法服錦七條裳横尾鈍色下袴〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨衣法服錦七条裳横尾鈍色下袴〔建部傳内本〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨ノ衣法服錦(ニシキ)ノ七条裳横尾(ワウー)鈍色(ドンー)下ノ袴〔山田俊雄藏本〕
長絹素絹ノ袈裟精-好薄墨ノ衣法服錦ノ七條裳横尾鈍色下袴(ハカマ)〔経覺筆本〕
長-絹(ケン)素-絹(ケン)袈-裟(ケサ)精-好(/せイカウ)薄墨(ウススミ)ノ衣法-服(ホウフク)錦(ニシキ)ノ七-条裳(モ)横-尾(アウヒ)鈍-色(トンジキ)下(シタ)_ノ袴(―マ)〔文明本〕
宿紙(シユクシ) 薄墨(ウススミ)帋(カミ)也。又云紙屋帋。公家所用也。〔文明・器財門41五〕
宿紙(シユクシ) 薄墨(ウススミ)帋也。又云‖紙屋紙|。公家所∨用。〔春林・器財門116四〕
宿紙(シユクシ) 薄墨(ウススミ)帋也。公家所∨用。又云‖紙屋帋トモ|。〔榊原・器財門66四〕
宿紙(シユクシ/ヤドル、カミ)[平・上] 薄墨(ウススミ)ノ紙也。又云‖紙屋紙(シクシ)ト|。公家用∨之也。綸旨所書之紙也。〔器財門924四〕
とあって、標記語「宿紙」の語を収載し、その語注記語として収載する。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、標記語「薄墨衣」の語を未収載にする。また、易林本『節用集』には、
宿紙(シユクシ) 薄墨(ウスズミ)色(イロ)ノ帋(カミ)也。公家所用也。〔器財210四〕
410薄墨ノ衣。法-服(フク)。錦ノ七条裳(モ) 或云、裙也。〔謙堂文庫藏四〇左E〕
とあって、標記語を「薄墨衣」とし、その語注記は未記載にする。
素絹(ソケン)袈裟(ケサ)精-好(せイカウ)薄墨(ウススミ)ノ衣 素絹(ソケン)トハ白キコロモナリ。〔下十五ウ七・八〕
精好(せいかう)薄墨(うすすミ)の衣(ころも)/精-好薄墨ノ衣 精好ハ衣地(ころもぢ)の名。薄墨ハ染色(そめいろ)也。〔55オ三〜四〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)乃分(ぶん)者(ハ)差合(さしあ)ひ候(さふら)ふ之間(あいだ)練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたかさね)候(さふら)ふ注文(ちうもん)之(の)外(ほか)使者(ししや)に屬(ぞく)して之(これ)を申(まう)し入(い)れら被(る)長絹(ちやうけん)素絹(そけん)袈裟(けさ)精好(せいこう)薄墨(うすすミ)の衣(ころも)法服(ほふふく)錦(にしき)の七條(しちてう)裳(も)横尾(わうび)鈍色(とんしき)下(した)乃袴(はかま)/但シ單衣ノ文要用ノ之分者。差合候ノ之間。練色ノ魚龍。白張。裏衣。二重候。注文之外。属シテ‖使者ニ|被∨申シ‖入レラ之ヲ|。長絹。素絹。袈裟。精-好。薄墨ノ衣。法服。錦ノ七條。裳。横尾。鈍色。下ノ袴。▲精好ハ絹(きぬ)。薄墨ハ染(そめ)色也。〔41オ八〜ウ一〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)の分(ぶん)者(ハ)。差合(さしあひ)候(さふらふ)之(の)間(あひだ)。練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりよう)。白張(しらはり)。裏衣(うらきぬ)。二重(ふたかさね)候(さふらふ)。注文(ちゆうもん)之(の)外(ほか)。属(ぞく)して‖使者(ししや)に|被(る)∨申(まう)し‖入(い)れら之(これ)を|。長絹(ちやうけん)。素絹(そけん)。袈裟(けさ)。精-好(せいかう)。薄墨(うすすミ)の衣(ころも)。法服(ほふふく)。錦(にしき)の七條(しちでう)。裳(も)。横尾(わうび)。鈍色(どんじき)。下(した)の袴(はかま)。▲精好ハ絹(きぬ)。薄墨ハ染(そめ)色也。▲精好ハ絹(きぬ)。薄墨ハ染(そめ)色也。〔73ウ四〕
Vsuzumi.ウスズミ(薄墨) 紙や着物などを染める薄い黒色の染料〔墨〕.〔邦訳734r〕
うす-ずみ〔名〕【薄墨】(一){墨の色の、淡(うす)きもの。淡墨。源氏物語、二十一、少女40「紛らはし書いたるこすみ、うすずみ、草(さう)がちに打ち混ぜまぜ亂れ」(二)次條の語の略。宿紙(しゆくし)の條を見よ。後拾遺集、一、春、上「薄墨に書(か)く玉章と、見ゆるかな、霞める空に、隠るかりがね」「薄墨の綸旨」(三)そばがきの女房詞。大上臈御名之事「そばのかゆ、うすずみ」〔0232-4〕
袈裟(ケサ) 。〔元亀二年本216十〕〔静嘉堂本247二〕〔天正十七年本中52ウ八〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨衣法服錦七條裳横尾鈍色下袴〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨衣法服錦七条裳横尾鈍色下袴〔建部傳内本〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨ノ衣法服錦(ニシキ)ノ七条裳横尾(ワウー)鈍色(ドンー)下ノ袴〔山田俊雄藏本〕
長絹素絹ノ袈裟精-好薄墨ノ衣法服錦ノ七條裳横尾鈍色下袴(ハカマ)〔経覺筆本〕
長-絹(ケン)素-絹(ケン)袈-裟(ケサ)精-好(/せイカウ)薄墨(ウススミ)ノ衣法-服(ホウフク)錦(ニシキ)ノ七-条裳(モ)横-尾(アウヒ)鈍-色(トンジキ)下(シタ)_ノ袴(―マ)〔文明本〕
袈裟(ケサ) 。〔絹布門95七〕
袈裟(ケサ/カ―、カワゴロモ)[平・平] 。又作‖加沙(ケサ)ト|。釋門正統法衣ニ有∨三。僧伽梨ハ大衣。鬱多羅七條。安陀會五條。五條ヲ名‖中着衣ト|。七條ヲ名‖上衣ト|。大衣ヲ名‖衆集時衣ト|。三世如來並(ナラヒ)ニ着‖如∨是衣ヲ。經云。五條ハ斷貪身ノ業ヲ|。七條ハ斷‖嗔口相業ヲ|。大衣ハ斷ス‖癡心業|。又云。三衣ハ生‖万善ヲ|。云云。在于釋氏要覧ニ|。異名方袍。白補忍辱鎧。紫伽梨又ハ。絮伽梨トモ。栗伽梨下衣五条也。衣孤衣鉢也。蓮華服。破伽梨。栗色―羅。屈孫(シユン)達磨ノ棉也。屈孫布傳灯六祖傳。僧伽服。僧伽梨衣也/貞。大福田。覆肩。金踉衣仏衣也。無垢(ク)衣。消痩衣。離塵衣。〔絹布門592七〕
とあって、標記語「袈裟」の語を収載し、その読みを「ケサ」とし、その語注記を記載する。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
袈裟(ケサ) 。〔弘・財宝174三〕〔永・財宝143三〕〔尭・財宝133一〕
袈裟(ケサ) 。〔食服145二〕
409袈裟精-好 架裟也。〔謙堂文庫藏四〇左D〕
とあって、標記語を「袈裟」とし、その語注記は「袈裟なり」と記載する。
素絹(ソケン)袈裟(ケサ)精-好(せイカウ)薄墨(ウススミ)ノ衣 素絹(ソケン)トハ白キコロモナリ。〔下十五ウ七・八〕
袈裟(ケサ)/袈裟 諸宗(しよしう)ともに衣の上に加るものなり。各宗旨(しうし)によりて其形異(こと)なり。〔55オ三〜四〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)乃分(ぶん)者(ハ)差合(さしあ)ひ候(さふら)ふ之間(あいだ)練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたかさね)候(さふら)ふ注文(ちうもん)之(の)外(ほか)使者(ししや)に屬(ぞく)して之(これ)を申(まう)し入(い)れら被(る)長絹(ちやうけん)素絹(そけん)袈裟(けさ)精好(せいこう)薄墨(うすすミ)の衣(ころも)法服(ほふふく)錦(にしき)の七條(しちてう)裳(も)横尾(わうび)鈍色(とんしき)下(した)乃袴(はかま)/但シ單衣ノ文要用ノ之分者。差合候ノ之間。練色ノ魚龍。白張。裏衣。二重候。注文之外。属シテ‖使者ニ|被∨申シ‖入レラ之ヲ|。長絹。素絹。袈裟。精-好。薄墨ノ衣。法服。錦ノ七條。裳。横尾。鈍色。下ノ袴。▲袈裟ハ僧衣(そうえ)の上に加ふるもの各(をの/\)宗旨(しうし)によつて其の制(せい)異(こと)なり。〔41オ三〜八〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)の分(ぶん)者(ハ)。差合(さしあひ)候(さふらふ)之(の)間(あひだ)。練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりよう)。白張(しらはり)。裏衣(うらきぬ)。二重(ふたかさね)候(さふらふ)。注文(ちゆうもん)之(の)外(ほか)。属(ぞく)して‖使者(ししや)に|被(る)∨申(まう)し‖入(い)れら之(これ)を|。長絹(ちやうけん)。素絹(そけん)。袈裟(けさ)。精-好(せいかう)。薄墨(うすすミ)の衣(ころも)。法服(ほふふく)。錦(にしき)の七條(しちでう)。裳(も)。横尾(わうび)。鈍色(どんじき)。下(した)の袴(はかま)。▲袈裟ハ僧衣(そうえ)の上に加(くハ)ふるもの各(おの/\)宗旨(しうし)によつて其制(せい)異(こと)なり。〔73ウ三〜四〕
Qesa.ケサ(袈裟) 坊主(Bonzos)が衣の上につける一種の飾りで,房のついた綬のような物.〔邦訳489r〕
け-さ〔名〕【袈裟】〔梵語、迦沙曳(カサヤ)(Kasaya)の略、不正雜色の義、五色の正色ならぬ意、色を見て、愛着心を起こさしめぬがためなりと云ふ〕(一){僧の服。又、功コ衣。木蘭色(モクランジキ)、即ち、香染(かうぞめ)なるを本義とすと云ふ、左の肩より、右の脇下に、斜に懸くる、長方形のもの、天竺の服なりと云ふ。支那、日本にては、氣候も違へば、下に、別に衣服を着て、其上に懸くるなり。五條の袈裟と云ふは、長短の、幅狭き布帛にて、五幅(いつの)に作る、作務、旅行、などに着る。七條の袈裟と云ふは、二長、一短にて、七幅、聴講、禮佛、等に着る。大衣(ダイエ)と云ふは、九條なるあり、廿五條あるあり、王宮に入る時などに着る。此三種の袈裟を、三衣と云ふ、これを容るるを、三衣匣(サンエのはこ)と云ふ。又、輪(わ)袈裟と云ふあり、其條を見よ。釋氏要覧、上、法衣「袈裟、云云、業疏云、本作迦沙、至梁ノ葛洪撰字苑、下方添衣、言道服也」同「一曰、僧伽梨、即、大衣也、二曰、鬱多羅僧、(又、鬱陀羅とも云ふ)即、七條也、三曰、安陀會、即、五條也、此是三衣也」倭名抄、十三3僧坊具「袈裟、介佐、天竺語也、此云‖無垢衣|、又、功コ衣、云云、即、沙門之服也」三衣匣、佐無江乃波古」宇津保物語、嵯峨院41「五でうのけさ具したる法服」(二)けさがけの略、其條を見よ。〔0607-4〕
素絹(ソケン) 。〔元亀二年本152八〕〔静嘉堂本167一〕〔天正十七年本中15オ二〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨衣法服錦七條裳横尾鈍色下袴〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨衣法服錦七条裳横尾鈍色下袴〔建部傳内本〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨ノ衣法服錦(ニシキ)ノ七条裳横尾(ワウー)鈍色(ドンー)下ノ袴〔山田俊雄藏本〕
長絹素絹ノ袈裟精-好薄墨ノ衣法服錦ノ七條裳横尾鈍色下袴(ハカマ)〔経覺筆本〕
長-絹(ケン)素-絹(ケン)袈-裟(ケサ)精-好(/せイカウ)薄墨(ウススミ)ノ衣法-服(ホウフク)錦(ニシキ)ノ七-条裳(モ)横-尾(アウヒ)鈍-色(トンジキ)下(シタ)_ノ袴(―マ)〔文明本〕
素絹(ソケン) 以上ノ十一種ハ聖道家ノ所用者也。〔絹布門96六〕
素絹(ソケン/シロシ,キヌ)[去・去] 。〔絹布門386四〕
とあって、標記語「素絹」の語を収載し、その読みを「ソケン」とし、その語注記は未記載にする。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
× 。〔弘・〕
素絹(ソケン) 衣。〔永・財宝101四〕〔尭・財宝91八〕〔尭・財宝111七〕
素絹(ソケン) 。〔食服100三〕
408白-張-ノ裡(ウ)-衣二重註文之外属(アツラヘ/ゾクス)‖使者ニ|被‖申入|候畢長衣素衣 衣也。若輩ノ間ハ、不∨爲∨K也。老成ハ素也。〔謙堂文庫藏四〇左C〕
△素絹ハ衣也。四十以前ハ白也。以後ハ薄墨也。素絹ノケサト読ハ悪也。素―ハ読み切テ袈裟ト読也。○注ハ不審也。袈裟自‖傳教十八代|玄惠大師始テ是ヲ作出ス也。背(せ)ノ皺六ハ六道カタトリ兩方ノ脇ヲアクルハ刀ヲサヽンカタメ也。〔東洋文庫蔵『庭訓之抄』頭注書込み〕
△私云。素絹ハ衣也。四十已前ハ白也。以后ハ薄墨也。自‖傳教十八代|玄惠大師始テ是ヲ作出ス也。背口ノ皺六ハ六道ヲ表ス。兩方ノ腋ヲアクルハ刀ヲサヽンカ為也。〔静嘉堂文庫蔵『庭訓徃來註』古冩頭注書込み〕
とあって、標記語を「素衣」とし、その語注記は未記載にする。
素絹(ソケン)袈裟(ケサ)精-好(せイカウ)薄墨(ウススミ)ノ衣 素絹(ソケン)トハ白キコロモナリ。〔下十五ウ七・八〕
素絹(そけん)/素絹 ねりきぬの衣也。天台(てんたい)真言(しんこん)なとふまえる。〔54ウ八〜55オ一〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)乃分(ぶん)者(ハ)差合(さしあ)ひ候(さふら)ふ之間(あいだ)練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたかさね)候(さふら)ふ注文(ちうもん)之(の)外(ほか)使者(ししや)に屬(ぞく)して之(これ)を申(まう)し入(い)れら被(る)長絹(ちやうけん)素絹(そけん)袈裟(けさ)精好(せいこう)薄墨(うすすミ)の衣(ころも)法服(ほふふく)錦(にしき)の七條(しちてう)裳(も)横尾(わうび)鈍色(とんしき)下(した)乃袴(はかま)/但シ單衣ノ文要用ノ之分者。差合候ノ之間。練色ノ魚龍。白張。裏衣。二重候。注文之外。属シテ‖使者ニ|被∨申シ‖入レラ之ヲ|。長絹。素絹。袈裟。精-好。薄墨ノ衣。法服。錦ノ七條。裳。横尾。鈍色。下ノ袴。▲素絹ハ白衣(はくい)也。天台(てんだい)真言(しんごん)の僧(そう)着用(ちやくよう)す。〔41オ八〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)の分(ぶん)者(ハ)。差合(さしあひ)候(さふらふ)之(の)間(あひだ)。練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりよう)。白張(しらはり)。裏衣(うらきぬ)。二重(ふたかさね)候(さふらふ)。注文(ちゆうもん)之(の)外(ほか)。属(ぞく)して‖使者(ししや)に|被(る)∨申(まう)し‖入(い)れら之(これ)を|。長絹(ちやうけん)。素絹(そけん)。袈裟(けさ)。精-好(せいかう)。薄墨(うすすミ)の衣(ころも)。法服(ほふふく)。錦(にしき)の七條(しちでう)。裳(も)。横尾(わうび)。鈍色(どんじき)。下(した)の袴(はかま)。▲素絹ハ白衣(はくえ)也。天台(てんだい)真言(しんごん)の僧(そう)着用(ちやくよう)す。〔72オ二〜72ウ二〕
Soqen.ソケン(素絹) XIroi qinuno coromo.(白い絹の衣)白い絹の衣で,若い坊主(Bonzos)が上に重ねて着るもの.〔邦訳574r〕
そ-けん〔名〕【素絹・麁絹】(一)織文なき生絹(すずし)。(貞丈雑記)(二)素(しろ)き絹の服。(僧服に云ふ)一説に、素絹は宛字にて、繪絹なりと云ふ。平家物語、二、教訓事、清盛「腹卷の上に、素絹の衣を、周章着(あはてぎ)着給ひけるが」庭訓往來、七月「長絹素絹ノ袈裟」海人藻芥、中「麁絹衣者、山門三井寺方用∨之、無‖機袖|、單衣也」七〔1149-5〕
長絹(―ケン) 。〔元亀二年本65八〕〔静嘉堂本本76八〕〔天正十七年本上38ウ四〕〔西來寺本65八〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨衣法服錦七條裳横尾鈍色下袴〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨衣法服錦七条裳横尾鈍色下袴〔建部傳内本〕
長絹素絹袈裟精-好薄墨ノ衣法服錦(ニシキ)ノ七条裳横尾(ワウー)鈍色(ドンー)下ノ袴〔山田俊雄藏本〕
長絹素絹ノ袈裟精-好薄墨ノ衣法服錦ノ七條裳横尾鈍色下袴(ハカマ)〔経覺筆本〕
長-絹(ケン)素-絹(ケン)袈-裟(ケサ)精-好(/せイカウ)薄墨(ウススミ)ノ衣法-服(ホウフク)錦(ニシキ)ノ七-条裳(モ)横-尾(アウヒ)鈍-色(トンジキ)下(シタ)_ノ袴(―マ)〔文明本〕
長絹(チヤウケン・ヲサ/ナガシ,キヌ)[平去・去] 。〔絹布門162二〕
とあって、標記語「長絹」の語を収載し、その読みを「チヤウケン」とし、その語注記は未記載にする。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
長絹(チヤウケン) 衣。〔弘・財宝50五〕〔永・財宝52二〕〔尭・財宝47五〕〔両・財宝56三〕
長絹(チヤウケン) 。〔食服50四〕
408白-張-ノ裡(ウ)-衣二重註文之外属(アツラヘ/ゾクス)‖使者ニ|被‖申入|候畢長衣素衣 衣也。若輩ノ間ハ、不∨爲∨K也。老成ハ素也。〔謙堂文庫藏四〇左C〕
△長絹ハ児之上下也。之ヲ絹ニテ作ル也。尋常ノ人ハ紅色ヲ付位高人ニハ紫色ヲ付也。〔静嘉堂本『庭訓徃來註』古冩頭注書込み〕
△長絹ハ児之上下也。スヽシ絹テ作ル也。尋常ノ人ハ紅色ヲ付位高人ニハ紫色ヲ付也。〔東洋文庫蔵『庭訓之抄』頭注書込み〕
※天理図書館藏『庭訓私記』には、「長絹ハ御児ノ上下スヽシノ絹ヲスル。袖ノ端ニ紅ノ結リ入テ赤キ鏑菊トチヲ付ク表ノ衣也」と記載する。
とあって、標記語を「長絹」(但し、上記謙堂文庫藏本は「長衣」と表記)とし、その語注記は「衣なり。若輩の間は、Kをなさずなり。老成は素なり」と記載する。
長絹(チヤウケン) トハ。児(チゴ)ノ著(キル)表(ヲモテ)ノ衣。〔下十五ウ八〕
申(まう)し入(い)れら被(る)長絹(ちやうけん)/被ルヽ‖申入|之長絹 児(ちご)の表着(うハき)なり。〔55オ二・三〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)乃分(ぶん)者(ハ)差合(さしあ)ひ候(さふら)ふ之間(あいだ)練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたかさね)候(さふら)ふ注文(ちうもん)之(の)外(ほか)使者(ししや)に屬(ぞく)して之(これ)を申(まう)し入(い)れら被(る)長絹(ちやうけん)素絹(そけん)袈裟(けさ)精好(せいこう)薄墨(うすすミ)の衣(ころも)法服(ほふふく)錦(にしき)の七條(しちてう)裳(も)横尾(わうび)鈍色(とんしき)下(した)乃袴(はかま)/但シ單衣ノ文要用ノ之分者。差合候ノ之間。練色ノ魚龍。白張。裏衣。二重候。注文之外。属シテ‖使者ニ|被∨申シ‖入レラ之ヲ|。長絹。素絹。袈裟。精-好。薄墨ノ衣。法服。錦ノ七條。裳。横尾。鈍色。下ノ袴。▲長絹ハ直垂(ひたゝれ)に似(に)て白色也。菊綴(きくとぢ)露紐(つゆひも)等あり。〔41オ三〜八〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)の分(ぶん)者(ハ)。差合(さしあひ)候(さふらふ)之(の)間(あひだ)。練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりよう)。白張(しらはり)。裏衣(うらきぬ)。二重(ふたかさね)候(さふらふ)。注文(ちゆうもん)之(の)外(ほか)。属(ぞく)して‖使者(ししや)に|被(る)∨申(まう)し‖入(い)れら之(これ)を|。長絹(ちやうけん)。素絹(そけん)。袈裟(けさ)。精-好(せいかう)。薄墨(うすすミ)の衣(ころも)。法服(ほふふく)。錦(にしき)の七條(しちでう)。裳(も)。横尾(わうび)。鈍色(どんじき)。下(した)の袴(はかま)。▲長絹ハ直垂(ひたゝれ)に似(に)て白色也。菊綴(きくとぢ)露紐(つゆひも)等あり。〔72オ二〜72ウ二〕
Cho<qen.チヤウケン(長絹) Nagai qinu.(長い絹)すなわち,Xo<zocu.(装束) 坊主(Bo~zos)が上に重ねて着る,ある種の着物.〔邦訳127r〕
ちゃう-けん〔名〕【長絹】(一)古へ、一種の絹布の名。美しき生絹(すずし)、笋(たけのこ)の皮の裏の如く光澤あるものと云ふ。平絹(ひらぎぬ)などと別つ。水干(スイカン)、直衣(なほし)、狩衣(かりぎぬ)などに作る。狩衣抄「長絹と云ふは、如‖笋絹|也」(二)服の名。即ち、長絹の水干、の略なり。製、直垂の如くにして、袖括(そでくくり)あり、菊綴(きくとぢ)は、水干の如くにして、前に四處、背に三處なり。元、長絹にて作れり、後には、紗(シヤ)、練(ねり)など、定めなし。色、多くは、白きを用ゐる。胸紐は、衣の内にて、左右へ内交へ、項をめぐらし、左右の肩より下げて、兩脇より衣の外へ出して胸にて結ぶ。袴も直垂の如し。假名装束抄「長絹雁衣、おとなしき人の着るものなり」貞丈雑記、五、装束「或説に云、いにしへ、絹に四品あり、長絹(チヤウケン)、平絹(ヘイケン)、麁絹(ソケン)、細絹(サイケン)、是也、云云、装束の長絹は、右の長絹と云ふ絹にて作り始し故、長絹と名づくと云へり」〔1279-4〕
但單衣又要用分者指合候之間練色魚龍白之張裏衣二重候注文之外属使者被申入之〔至徳三年本〕
但單衣文要用分者捐{指カ}合候之間練色魚龍白張裏衣二重候注文之外屬使者被申入之〔宝徳三年本〕
但單衣文要用之分者指合候之間練色魚龍白張裡衣二重候注文之外属使者被申入〔建部傳内本〕
但シ單衣(ヒトヘ―)ノ文要用ノ之分者ハ。指合候之間練色魚龍。白張ノ裏衣。二重候。注文ノ之外ニ。属ス‖使者ニ|被‖申入|分。〔山田俊雄藏本〕
但シ單衣(ヒトヘキヌ)ノ文要用之分者指合候之間ダ練色(ネリイロ)ノ魚竜(―レウ)白張ノ裡衣二重ネ註文之外属シテ‖使者ニ|被‖申入|〔経覺筆本〕
但シ單衣(ヒトヘキヌ/ヒトエ)ノ文(ヒ)要用ノ分者指合候之間練色(ネリ―)ノ魚龍(キヨレウ)白張(シラハリ)裏衣(ウラキヌ)二重(―カサネ)候注文之外属(ゾクス)シテ‖使者|被申‖入レ之|〔文明本〕※属(シヨク)
408白-張-ノ裡(ウ)-衣二重註文之外属(アツラヘ/ゾクス)‖使者ニ|被‖申入|候畢長衣素衣 衣也。若輩ノ間ハ、不∨爲∨K也。老成ハ素也。〔謙堂文庫藏四〇左C〕
とあって、標記語を「属」とし、その語注記は未記載にする。
白-張(シラハリ)裏衣(ウラキヌ)二重(カサネ)註文(チウ―)ノ之外属(ゾク)シテ‖使者ニ|被ラル∨申‖入之ヲ| 二重(シラハリ)二重(ウラキヌ)ウラノシロキ。ヲンゾナリ。〔下十五ウ七・八〕
注文(ちうもん)之(の)外(ほか)使者(ししや)に嘱(ぞく)して/注文之外。嘱シテ‖使者ニ|嘱ハ言含(いひふくめ)る亊也。口上にて申送るをいふ。〔54ウ八〜55オ一〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)乃分(ぶん)者(ハ)差合(さしあ)ひ候(さふら)ふ之間(あいだ)練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたかさね)候(さふら)ふ注文(ちうもん)之(の)外(ほか)使者(ししや)に屬(ぞく)して之(これ)を申(まう)し入(い)れら被(る)長絹(ちやうけん)素絹(そけん)袈裟(けさ)精好(せいこう)薄墨(うすすミ)の衣(ころも)法服(ほふふく)錦(にしき)の七條(しちてう)裳(も)横尾(わうび)鈍色(とんしき)下(した)乃袴(はかま)/但シ單衣ノ文要用ノ之分者。差合候ノ之間。練色ノ魚龍。白張。裏衣。二重候。注文之外。属シテ‖使者ニ|被∨申シ‖入レラ之ヲ|。長絹。素絹。袈裟。精-好。薄墨ノ衣。法服。錦ノ七條。裳。横尾。鈍色。下ノ袴。〔41オ三〜七〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)の分(ぶん)者(ハ)。差合(さしあひ)候(さふらふ)之(の)間(あひだ)。練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりよう)。白張(しらはり)。裏衣(うらきぬ)。二重(ふたかさね)候(さふらふ)。注文(ちゆうもん)之(の)外(ほか)。属(ぞく)して‖使者(ししや)に|被(る)∨申(まう)し‖入(い)れら之(これ)を|。長絹(ちやうけん)。素絹(そけん)。袈裟(けさ)。精-好(せいかう)。薄墨(うすすミ)の衣(ころも)。法服(ほふふく)。錦(にしき)の七條(しちでう)。裳(も)。横尾(わうび)。鈍色(どんじき)。下(した)の袴(はかま)。〔72オ二〜72ウ二〕
Zocuxi,suru,ita.ゾクシ,スル,シタ(属し,する,した) 従属させる,または,征服する.§Cuniuo xeifitni zocu suru.(国を静謐に属する)国を征服し,従属させ,静穏な状態にするる.〔邦訳843l〕
ぞく-すスル・スレ・セ・シ・セヨ〔自動、左變〕【属】(一)つく。たぐふ。附屬す。淮南子、天文訓「龍擧而景雲屬」「其種類に屬す」(二)從ふ。くみす。下に屬(つ)く。史記、項羽紀「羽渡淮、騎能屬者、百餘人耳」「敵に屬す」〔1147-3〕
但單衣又要用分者指合候之間練色魚龍白之張裏衣二重候注文之外属使者被申入之〔至徳三年本〕
但單衣文要用分者捐{指カ}合候之間練色魚龍白張裏衣二重候注文之外屬使者被申入之〔宝徳三年本〕
但單衣文要用之分者指合候之間練色魚龍白張裡衣二重候注文之外属使者被申入〔建部傳内本〕
但シ單衣(ヒトヘ―)ノ文要用ノ之分者ハ。指合候之間練色魚龍。白張ノ裏衣。二重候。注文ノ之外ニ。属ス‖使者ニ|被‖申入|分。〔山田俊雄藏本〕
但シ單衣(ヒトヘキヌ)ノ文要用之分者指合候之間ダ練色(ネリイロ)ノ魚竜(―レウ)白張ノ裡衣二重ネ註文之外属シテ‖使者ニ|被‖申入|〔経覺筆本〕
但シ單衣(ヒトヘキヌ/ヒトエ)ノ文(ヒ)要用ノ分者指合候之間練色(ネリ―)ノ魚龍(キヨレウ)白張(シラハリ)裏衣(ウラキヌ)二重(―カサネ)候注文之外属(ゾクス)シテ‖使者|被申‖入レ之|〔文明本〕※属(シヨク)
408白-張-ノ裡(ウ)-衣二重註文之外属(アツラヘ/ゾクス)‖使者ニ|被‖申入|候畢長衣素衣 衣也。若輩ノ間ハ、不∨爲∨K也。老成ハ素也。〔謙堂文庫藏四〇左C〕
とあって、標記語を「二重」とし、その語注記は未記載にする。
白-張(シラハリ)裏衣(ウラキヌ)二重(カサネ)註文(チウ―)ノ之外属(ゾク)シテ‖使者ニ|被ラル∨申‖入之ヲ| 白張(シラハリ)裏衣(ウラキヌ)ウラノシロキ。ヲンゾナリ。〔下十五ウ七・八〕
白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたゑ)候/白-張裏衣二重候 これらの品をさし合たる品のぬりにけすとなり。〔54ウ八〜55オ一〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)乃分(ぶん)者(ハ)差合(さしあ)ひ候(さふら)ふ之間(あいだ)練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたかさね)候(さふら)ふ注文(ちうもん)之(の)外(ほか)使者(ししや)に屬(ぞく)して之(これ)を申(まう)し入(い)れら被(る)長絹(ちやうけん)素絹(そけん)袈裟(けさ)精好(せいこう)薄墨(うすすミ)の衣(ころも)法服(ほふふく)錦(にしき)の七條(しちてう)裳(も)横尾(わうび)鈍色(とんしき)下(した)乃袴(はかま)/但シ單衣ノ文要用ノ之分者。差合候ノ之間。練色ノ魚龍。白張。裏衣。二重候。注文之外。属シテ‖使者ニ|被∨申シ‖入レラ之ヲ|。長絹。素絹。袈裟。精-好。薄墨ノ衣。法服。錦ノ七條。裳。横尾。鈍色。下ノ袴。〔41オ三〜七〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)の分(ぶん)者(ハ)。差合(さしあひ)候(さふらふ)之(の)間(あひだ)。練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりよう)。白張(しらはり)。裏衣(うらきぬ)。二重(ふたかさね)候(さふらふ)。注文(ちゆうもん)之(の)外(ほか)。属(ぞく)して‖使者(ししや)に|被(る)∨申(まう)し‖入(い)れら之(これ)を|。長絹(ちやうけん)。素絹(そけん)。袈裟(けさ)。精-好(せいかう)。薄墨(うすすミ)の衣(ころも)。法服(ほふふく)。錦(にしき)の七條(しちでう)。裳(も)。横尾(わうび)。鈍色(どんじき)。下(した)の袴(はかま)。〔72オ二〜72ウ二〕
ふた-へ〔名〕【二重】(一){ふたつに重ること。又、ふたつ重ぬること。ニヂュウ。仁コ紀、廿二年正月「夏蟲の、ひむしの衣、赴多弊着て、かく宮邊りは、あによくもあらず」夫木集、廿四、瀬「あやのせに、紅葉の錦、立ち重ね、ふたへに織れる、立田姫かな」(二)老いて、腰以上、前へ屈むこと。大和物語、下「この媼、いといたう老いて、ふたへにて居たり」清輔集「四位の正下したりける喜びを、若き人人のいへりければ、云云、今日こそは、位の山の、峯までに、腰ふたへにて、上りつきぬれ」萬代集、廿、賀、六「若菜摘む、腰はふたへに、ありながら、野邊の小松を、たのみてぞ引く」〔1757-3〕
裏絹(ウラギヌ) 。〔元亀二年本180八〕
裏絹(ウラキヌ) 。〔静嘉堂本202五〕
但單衣又要用分者指合候之間練色魚龍白之張裏衣二重候注文之外属使者被申入之〔至徳三年本〕
但單衣文要用分者捐{指カ}合候之間練色魚龍白張裏衣二重候注文之外屬使者被申入之〔宝徳三年本〕
但單衣文要用之分者指合候之間練色魚龍白張裡衣二重候注文之外属使者被申入〔建部傳内本〕
但シ單衣(ヒトヘ―)ノ文要用ノ之分者ハ。指合候之間練色魚龍。白張ノ裏衣。二重候。注文ノ之外ニ。属ス‖使者ニ|被‖申入|分。〔山田俊雄藏本〕
但シ單衣(ヒトヘキヌ)ノ文要用之分者指合候之間ダ練色(ネリイロ)ノ魚竜(―レウ)白張ノ裡衣二重ネ註文之外属シテ‖使者ニ|被‖申入|〔経覺筆本〕
但シ單衣(ヒトヘキヌ/ヒトエ)ノ文(ヒ)要用ノ分者指合候之間練色(ネリ―)ノ魚龍(キヨレウ)白張(シラハリ)裏衣(ウラキヌ)二重(―カサネ)候注文之外属(ゾクス)シテ‖使者|被申‖入レ之|〔文明本〕※属(シヨク)
裏无(ウラナシ) ―衣(キヌ)。〔食服117六〕
408白-張-ノ裡(ウ)-衣二重註文之外属(アツラヘ/ゾクス)‖使者ニ|被‖申入|候畢長衣素衣 衣也。若輩ノ間ハ、不∨爲∨K也。老成ハ素也。〔謙堂文庫藏四〇左C〕
とあって、標記語を「裏衣」とし、その語注記は未記載にする。
白-張(シラハリ)裏衣(ウラキヌ)二重(カサネ)註文(チウ―)ノ之外属(ゾク)シテ‖使者ニ|被ラル∨申‖入之ヲ| 白張(シラハリ)裏衣(ウラキヌ)ウラノシロキ。ヲンゾナリ。〔下十五ウ七・八〕
白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたゑ)候/白-張裏衣二重候 これらの品をさし合たる品のぬりにけすとなり。〔54ウ八〜55オ一〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)乃分(ぶん)者(ハ)差合(さしあ)ひ候(さふら)ふ之間(あいだ)練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたかさね)候(さふら)ふ注文(ちうもん)之(の)外(ほか)使者(ししや)に屬(ぞく)して之(これ)を申(まう)し入(い)れら被(る)長絹(ちやうけん)素絹(そけん)袈裟(けさ)精好(せいこう)薄墨(うすすミ)の衣(ころも)法服(ほふふく)錦(にしき)の七條(しちてう)裳(も)横尾(わうび)鈍色(とんしき)下(した)乃袴(はかま)/但シ單衣ノ文要用ノ之分者。差合候ノ之間。練色ノ魚龍。白張。裏衣。二重候。注文之外。属シテ‖使者ニ|被∨申シ‖入レラ之ヲ|。長絹。素絹。袈裟。精-好。薄墨ノ衣。法服。錦ノ七條。裳。横尾。鈍色。下ノ袴。〔41オ三〜七〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)の分(ぶん)者(ハ)。差合(さしあひ)候(さふらふ)之(の)間(あひだ)。練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりよう)。白張(しらはり)。裏衣(うらきぬ)。二重(ふたかさね)候(さふらふ)。注文(ちゆうもん)之(の)外(ほか)。属(ぞく)して‖使者(ししや)に|被(る)∨申(まう)し‖入(い)れら之(これ)を|。長絹(ちやうけん)。素絹(そけん)。袈裟(けさ)。精-好(せいかう)。薄墨(うすすミ)の衣(ころも)。法服(ほふふく)。錦(にしき)の七條(しちでう)。裳(も)。横尾(わうび)。鈍色(どんじき)。下(した)の袴(はかま)。〔72オ二〜72ウ二〕
Vraguinu.ウラギヌ(裏衣) 着物の裏地として用いる日本の布地.〔邦訳731r〕
但單衣又要用分者指合候之間練色魚龍白之張裏衣二重候注文之外属使者被申入之〔至徳三年本〕
但單衣文要用分者捐{指カ}合候之間練色魚龍白張裏衣二重候注文之外屬使者被申入之〔宝徳三年本〕
但單衣文要用之分者指合候之間練色魚龍白張裡衣二重候注文之外属使者被申入〔建部傳内本〕
但シ單衣(ヒトヘ―)ノ文要用ノ之分者ハ。指合候之間練色魚龍。白張ノ裏衣。二重候。注文ノ之外ニ。属ス‖使者ニ|被‖申入|分。〔山田俊雄藏本〕
但シ單衣(ヒトヘキヌ)ノ文要用之分者指合候之間ダ練色(ネリイロ)ノ魚竜(―レウ)白張ノ裡衣二重ネ註文之外属シテ‖使者ニ|被‖申入|〔経覺筆本〕
但シ單衣(ヒトヘキヌ/ヒトエ)ノ文(ヒ)要用ノ分者指合候之間練色(ネリ―)ノ魚龍(キヨレウ)白張(シラハリ)裏衣(ウラキヌ)二重(―カサネ)候注文之外属(ゾクス)シテ‖使者|被申‖入レ之|〔文明本〕※属(シヨク)
白張(シラハリ) 。〔絹布門98五〕
白張(シラハリ/ハクチヤウ)[入・平] 。〔絹布門924四〕
とあって、標記語「白張」の語を収載し、その読みを「シラハリ」とし、その語注記は未記載にする。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
白張(シラハリ) 。〔弘・衣服243二〕
白張(シラハリ) 。〔永・衣服208八〕
白張(シラハリ) 。〔尭・衣服192九〕
白張(シラハリ) 。〔食服208八〕
408白-張-ノ裡(ウ)-衣二重註文之外属(アツラヘ/ゾクス)‖使者ニ|被‖申入|候畢長衣素衣 衣也。若輩ノ間ハ、不∨爲∨K也。老成ハ素也。〔謙堂文庫藏四〇左C〕
とあって、標記語を「白張」とし、その語注記は未記載にする。
白-張(シラハリ)裏衣(ウラキヌ)二重(カサネ)註文(チウ―)ノ之外属(ゾク)シテ‖使者ニ|被ラル∨申‖入之ヲ| 白張(シラハリ)裏衣(ウラキヌ)ウラノシロキ。ヲンゾナリ。〔下十五ウ七・八〕
白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたゑ)候/白-張裏衣二重候 これらの品をさし合たる品のぬりにけすとなり。〔54ウ八〜55オ一〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)乃分(ぶん)者(ハ)差合(さしあ)ひ候(さふら)ふ之間(あいだ)練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたかさね)候(さふら)ふ注文(ちうもん)之(の)外(ほか)使者(ししや)に屬(ぞく)して之(これ)を申(まう)し入(い)れら被(る)長絹(ちやうけん)素絹(そけん)袈裟(けさ)精好(せいこう)薄墨(うすすミ)の衣(ころも)法服(ほふふく)錦(にしき)の七條(しちてう)裳(も)横尾(わうび)鈍色(とんしき)下(した)乃袴(はかま)/但シ單衣ノ文要用ノ之分者。差合候ノ之間。練色ノ魚龍。白張。裏衣。二重候。注文之外。属シテ‖使者ニ|被∨申シ‖入レラ之ヲ|。長絹。素絹。袈裟。精-好。薄墨ノ衣。法服。錦ノ七條。裳。横尾。鈍色。下ノ袴。〔41オ三〜七〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)の分(ぶん)者(ハ)。差合(さしあひ)候(さふらふ)之(の)間(あひだ)。練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりよう)。白張(しらはり)。裏衣(うらきぬ)。二重(ふたかさね)候(さふらふ)。注文(ちゆうもん)之(の)外(ほか)。属(ぞく)して‖使者(ししや)に|被(る)∨申(まう)し‖入(い)れら之(これ)を|。長絹(ちやうけん)。素絹(そけん)。袈裟(けさ)。精-好(せいかう)。薄墨(うすすミ)の衣(ころも)。法服(ほふふく)。錦(にしき)の七條(しちでう)。裳(も)。横尾(わうび)。鈍色(どんじき)。下(した)の袴(はかま)。〔72オ二〜72ウ二〕
Xirafari.シラハリ(白張) 例,Xirafari xo<zocu.(白張装束)神(Cami),または,内裏(Dairi),公家(Cungues)に仕える人々が着る,ある薄い白い着物.〔邦訳777l〕
しら-はり〔名〕【白張】はくちゃう。白き布の狩衣の名。糊を強く張る。布の淨衣。しらはり、しやうぞく。古今著聞集、二、釋教、攝津。清澄寺「白張に、立烏帽子きたる男」〔1022-2〕
×〔元亀本271三〕
魚龍(キヨリウ) 袷也。魚綾(同) 。〔静嘉堂本327七〕
但單衣又要用分者指合候之間練色魚龍白之張裏衣二重候注文之外属使者被申入之〔至徳三年本〕
但單衣文要用分者捐{指カ}合候之間練色魚龍白張裏衣二重候注文之外屬使者被申入之〔宝徳三年本〕
但單衣文要用之分者指合候之間練色魚龍白張裡衣二重候注文之外属使者被申入〔建部傳内本〕
但シ單衣(ヒトヘ―)ノ文要用ノ之分者ハ。指合候之間練色魚龍。白張ノ裏衣。二重候。注文ノ之外ニ。属ス‖使者ニ|被‖申入|分。〔山田俊雄藏本〕
但シ單衣(ヒトヘキヌ)ノ文要用之分者指合候之間ダ練色(ネリイロ)ノ魚竜(―レウ)白張ノ裡衣二重ネ註文之外属シテ‖使者ニ|被‖申入|〔経覺筆本〕
但シ單衣(ヒトヘキヌ/ヒトエ)ノ文(ヒ)要用ノ分者指合候之間練色(ネリ―)ノ魚龍(キヨレウ)白張(シラハリ)裏衣(ウラキヌ)二重(―カサネ)候注文之外属(ゾクス)シテ‖使者|被申‖入レ之|〔文明本〕※属(シヨク)
御綾 キヨリン/キヨリヨウ 上品唐綾名也。〔卷第八・雜物501三〕
魚龍(ギヨレウ) 或綾。〔食服187四〕
407更非‖輕賤之儀|抑被‖申入|用物之亊任‖目録|所∨被∨下也。用竭(ツキ)テノ後者急可∨被‖持参|也。但単(ウス)-衣要-用之-分者指合候間練色魚-竜 織付タル文也。地ハ練也。《頭注書込み》練色魚龍トハ款冬色ノ衣ナリ。〔謙堂文庫藏四〇左@〕
とあって、標記語を「魚龍」とし、その語注記は未記載にする。
練色(ギヨレウ)ノ魚龍(ギヨレウ) トハ。款冬(ヤマブキ)色ノ衣也。〔下十五ウ六〜七〕
差合(さしあい)候之間練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)/差合候之間練色魚龍 白地に魚龍の模様(もやう)を織付(をりつけ)たるなり。〔54ウ八〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)乃分(ぶん)者(ハ)差合(さしあ)ひ候(さふら)ふ之間(あいだ)練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたかさね)候(さふら)ふ注文(ちうもん)之(の)外(ほか)使者(ししや)に屬(ぞく)して之(これ)を申(まう)し入(い)れら被(る)長絹(ちやうけん)素絹(そけん)袈裟(けさ)精好(せいこう)薄墨(うすすミ)の衣(ころも)法服(ほふふく)錦(にしき)の七條(しちてう)裳(も)横尾(わうび)鈍色(とんしき)下(した)乃袴(はかま)/但シ單衣ノ文要用ノ之分者。差合候ノ之間。練色ノ魚龍。白張。裏衣。二重候。注文之外。属シテ‖使者ニ|被∨申シ‖入レラ之ヲ|。長絹。素絹。袈裟。精-好。薄墨ノ衣。法服。錦ノ七條。裳。横尾。鈍色。下ノ袴。▲練色魚龍ハ圖抄(づせう)に山吹色(やまぶきいろ)の絹(きぬ)に魚龍乃紋(もん)を織(をり)つけたると云々。〔41オ七〜八〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)の分(ぶん)者(ハ)。差合(さしあひ)候(さふらふ)之(の)間(あひだ)。練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりよう)。白張(しらはり)。裏衣(うらきぬ)。二重(ふたかさね)候(さふらふ)。注文(ちゆうもん)之(の)外(ほか)。属(ぞく)して‖使者(ししや)に|被(る)∨申(まう)し‖入(い)れら之(これ)を|。長絹(ちやうけん)。素絹(そけん)。袈裟(けさ)。精-好(せいかう)。薄墨(うすすミ)の衣(ころも)。法服(ほふふく)。錦(にしき)の七條(しちでう)。裳(も)。横尾(わうび)。鈍色(どんじき)。下(した)の袴(はかま)。▲練色魚龍ハ圖抄(づせう)に山吹色(やまぶきいろ)の絹(きぬ)に魚龍乃紋(もん)を織(おり)つけたる歟と云々。〔73ウ二〕
Guioreo.(ママ)ギョレゥ(魚龍) Yamabuqi irono qinu.(山吹色の絹) ある黄色い花の色をした絹の織物.※Guioreo>の誤植.〔邦訳302l〕
ぎょ-りょう〔名〕【魚龍】〔御とは、上品なる意か、(天子御料の綾の意にもあるか)字類抄に、ぎょりんと、唐音にも云へれば、支那舶來のものなるべし、魚は、借字と知らる〕唐綾の、上品なるもの。字類抄「御綾、ギョリン、ギョリャウ、上品唐綾名也」増鏡、第八、北野の雪、文永四年「からあや、ぎよれうなどにて、二階造られて」長門本、平家物語、十四「武藏三郎左衞門有國は、練色のぎよりようの直垂に」〔0505-3〕
但單衣又要用分者指合候之間練色魚龍白之張裏衣二重候注文之外属使者被申入之〔至徳三年本〕
但單衣文要用分者捐{指カ}合候之間練色魚龍白張裏衣二重候注文之外屬使者被申入之〔宝徳三年本〕
但單衣文要用之分者指合候之間練色魚龍白張裡衣二重候注文之外属使者被申入〔建部傳内本〕
但シ單衣(ヒトヘ―)ノ文要用ノ之分者ハ。指合候之間練色魚龍。白張ノ裏衣。二重候。注文ノ之外ニ。属ス‖使者ニ|被‖申入|分。〔山田俊雄藏本〕
但シ單衣(ヒトヘキヌ)ノ文要用之分者指合候之間ダ練色(ネリイロ)ノ魚竜(―レウ)白張ノ裡衣二重ネ註文之外属シテ‖使者ニ|被‖申入|〔経覺筆本〕
但シ單衣(ヒトヘキヌ/ヒトエ)ノ文(ヒ)要用ノ分者指合候之間練色(ネリ―)ノ魚龍(キヨレウ)白張(シラハリ)裏衣(ウラキヌ)二重(―カサネ)候注文之外属(ゾクス)シテ‖使者|被申‖入レ之|〔文明本〕※属(シヨク)
練色(ネリイロ/レンシヨク)[去・入] 。〔態藝門427四〕
とあって、標記語「練色」の語を収載し、その読みを「ネリイロ」とし、その語注記は未記載にする。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、標記語「練色」の語を未収載にする。また、易林本『節用集』には、
練貫(ネリヌキ) ―緯(ヌキ)。―色(イロ)。〔器財31六〕
407更非‖輕賤之儀|抑被‖申入|用物之亊任‖目録|所∨被∨下也。用竭(ツキ)テノ後者急可∨被‖持参|也。但単(ウス)-衣要-用之-分者指合候間練色魚-竜 織付タル文也。地ハ練也。《頭注書込み》練色魚龍トハ款冬色ノ衣ナリ。〔謙堂文庫藏四〇左@〕
とあって、標記語を「練色」とし、その語注記は未記載にする。
練色(ネリイロ)ノ魚龍(ギヨレウ) トハ。款冬(ヤマブキ)色ノ衣也。〔下十五ウ六〜七〕
差合(さしあい)候之間練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)/差合候之間練色魚龍 白地に魚龍の模様(もやう)を織付(をりつけ)たるなり。〔54ウ八〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)乃分(ぶん)者(ハ)差合(さしあ)ひ候(さふら)ふ之間(あいだ)練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたかさね)候(さふら)ふ注文(ちうもん)之(の)外(ほか)使者(ししや)に屬(ぞく)して之(これ)を申(まう)し入(い)れら被(る)長絹(ちやうけん)素絹(そけん)袈裟(けさ)精好(せいこう)薄墨(うすすミ)の衣(ころも)法服(ほふふく)錦(にしき)の七條(しちてう)裳(も)横尾(わうび)鈍色(とんしき)下(した)乃袴(はかま)/但シ單衣ノ文要用ノ之分者。差合候ノ之間。練色ノ魚龍。白張。裏衣。二重候。注文之外。属シテ‖使者ニ|被∨申シ‖入レラ之ヲ|。長絹。素絹。袈裟。精-好。薄墨ノ衣。法服。錦ノ七條。裳。横尾。鈍色。下ノ袴。〔41オ三〜七〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)の分(ぶん)者(ハ)。差合(さしあひ)候(さふらふ)之(の)間(あひだ)。練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりよう)。白張(しらはり)。裏衣(うらきぬ)。二重(ふたかさね)候(さふらふ)。注文(ちゆうもん)之(の)外(ほか)。属(ぞく)して‖使者(ししや)に|被(る)∨申(まう)し‖入(い)れら之(これ)を|。長絹(ちやうけん)。素絹(そけん)。袈裟(けさ)。精-好(せいかう)。薄墨(うすすミ)の衣(ころも)。法服(ほふふく)。錦(にしき)の七條(しちでう)。裳(も)。横尾(わうび)。鈍色(どんじき)。下(した)の袴(はかま)。〔72オ二〜72ウ二〕
ねり-いろ〔名〕【練色】 うすき黄色。淡黄色。枕草子、七、七十一段、きたなげなるもの「ねり色のきぬこそきたなけれ」鎌田兵衞名所盃(元禄、近松作)上「嫡子惡源太義平は、練色の魚綾(ぎよりよう)の直垂」〔1530-3〕
指合(サシアイ)。〔元亀本271三〕
指合(サシアイ)。〔静嘉堂本309六〕
但單衣又要用分者指合候之間練色魚龍白之張裏衣二重候注文之外属使者被申入之〔至徳三年本〕
但單衣文要用分者捐{指カ}合候之間練色魚龍白張裏衣二重候注文之外屬使者被申入之〔宝徳三年本〕
但單衣文要用之分者指合候之間練色魚龍白張裡衣二重候注文之外属使者被申入〔建部傳内本〕
但シ單衣(ヒトヘ―)ノ文要用ノ之分者ハ。指合候之間練色魚龍。白張ノ裏衣。二重候。注文ノ之外ニ。属ス‖使者ニ|被‖申入|分。〔山田俊雄藏本〕
但シ單衣(ヒトヘキヌ)ノ文要用之分者指合候之間ダ練色(ネリイロ)ノ魚竜(―レウ)白張ノ裡衣二重ネ註文之外属シテ‖使者ニ|被‖申入|〔経覺筆本〕
但シ單衣(ヒトヘキヌ/ヒトエ)ノ文(ヒ)要用ノ分者指合候之間練色(ネリ―)ノ魚龍(キヨレウ)白張(シラハリ)裏衣(ウラキヌ)二重(―カサネ)候注文之外属(ゾクス)シテ‖使者|被申‖入レ之|〔文明本〕※属(シヨク)
指合(サスアイ/シカフ、ユビ,―)[上・入] 又作‖差(サシ)合|。〔態藝門790二〕
とあって、標記語「指合」の語を収載し、その読みを「サスアイ」とし、その語注記は、「又作‖○○|」の形式で別表記「差合」の語を記載する。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
指合(―アイ) 。〔弘・言語進退215四〕
指合(サシアイ) 。〔永・言語178九〕〔尭・言語168一〕
指圖(サシヅ) ―寄(ヨス)。―向(ムカフ)。―簪(カザス)。―泗(マネク)。―懸(カクル)。―合(アヒ)。〔言辞181六〜七〕
407更非‖輕賤之儀|抑被‖申入|用物之亊任‖目録|所∨被∨下也。用竭(ツキ)テノ後者急可∨被‖持参|也。但単(ウス)-衣要-用之-分者指合候間練色魚-竜 織付タル文也。地ハ練也。《頭注書込み》練色魚龍トハ款冬色ノ衣ナリ。〔謙堂文庫藏四〇左@〕
とあって、標記語を「指合」とし、その語注記は未記載にする。
目録ニ‖所∨被∨下∨之ヲ也用竭(ツキ)テ后者ハ急(イソキ)可被‖持参|也。但要用(ヨウ―)ノ之分者指(サシ)合ノ候間 目録トハ。頭(カシラ)々ヲ記(シル)シタツルヲ云フナリ。〔下十五ウ三〜四〕
差合(さしあい)候之間練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)/差合候之間練色魚龍 白地に魚龍の模様(もやう)を織付(をりつけ)たるなり。〔54ウ八〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)乃分(ぶん)者(ハ)差合(さしあ)ひ候(さふら)ふ之間(あいだ)練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたかさね)候(さふら)ふ注文(ちうもん)之(の)外(ほか)使者(ししや)に屬(ぞく)して之(これ)を申(まう)し入(い)れら被(る)長絹(ちやうけん)素絹(そけん)袈裟(けさ)精好(せいこう)薄墨(うすすミ)の衣(ころも)法服(ほふふく)錦(にしき)の七條(しちてう)裳(も)横尾(わうび)鈍色(とんしき)下(した)乃袴(はかま)/但シ單衣ノ文要用ノ之分者。差合候ノ之間。練色ノ魚龍。白張。裏衣。二重候。注文之外。属シテ‖使者ニ|被∨申シ‖入レラ之ヲ|。長絹。素絹。袈裟。精-好。薄墨ノ衣。法服。錦ノ七條。裳。横尾。鈍色。下ノ袴。〔41オ三〜七〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)の分(ぶん)者(ハ)。差合(さしあひ)候(さふらふ)之(の)間(あひだ)。練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりよう)。白張(しらはり)。裏衣(うらきぬ)。二重(ふたかさね)候(さふらふ)。注文(ちゆうもん)之(の)外(ほか)。属(ぞく)して‖使者(ししや)に|被(る)∨申(まう)し‖入(い)れら之(これ)を|。長絹(ちやうけん)。素絹(そけん)。袈裟(けさ)。精-好(せいかう)。薄墨(うすすミ)の衣(ころも)。法服(ほふふく)。錦(にしき)の七條(しちでう)。裳(も)。横尾(わうび)。鈍色(どんじき)。下(した)の袴(はかま)。〔72オ二〜72ウ二〕
Saxiai.サシアヒ(指合) さしさわり,または,用事.§Cono renganiua saxiaiga vouoi.(この連歌には指合が多い)この歌には,誤謬や破格,あるいは,欠陥がたくさんある.〔邦訳562r〕
さし-あひ〔名〕【指合】(一)さしあふこと。(二)ささはり。さしつかへ。故障。今、下略して、さしとのみも云ふ。支溲。喫茶徃來(玄恵)「御會之日、云云、早旦望會所、可相待其期也、不然者、自然指合、又有之歟」海人藻芥(あまのもくづ)(應永)中「權上座於∨有‖指合|者、次第次第、次ノ人可‖與奪|」「今日は、さしで會はれない」(三)連歌に云ふ語。さりきらひの條の(一)を見よ。狂言記、盗人連歌「一段と出來た、さりながら、少しさし合ひがある」(四)婦女の、月經あること。又、其もの。大上臈御名之事「女房詞、不浄になる事を、さしあひと云ふ」〔0799-4〕
要用(――)。〔元亀本132九〕
要用(ヨウ/\/カナラス)。〔静嘉堂本139五〕
但單衣又要用分者指合候之間練色魚龍白之張裏衣二重候注文之外属使者被申入之〔至徳三年本〕
但單衣文要用分者捐{指カ}合候之間練色魚龍白張裏衣二重候注文之外屬使者被申入之〔宝徳三年本〕
但單衣文要用之分者指合候之間練色魚龍白張裡衣二重候注文之外属使者被申入〔建部傳内本〕
但シ單衣(ヒトヘ―)ノ文要用ノ之分者ハ。指合候之間練色魚龍。白張ノ裏衣。二重候。注文ノ之外ニ。属ス‖使者ニ|被‖申入|分。〔山田俊雄藏本〕
但シ單衣(ヒトヘキヌ)ノ文要用之分者指合候之間ダ練色(ネリイロ)ノ魚竜(―レウ)白張ノ裡衣二重ネ註文之外属シテ‖使者ニ|被‖申入|〔経覺筆本〕
但シ單衣(ヒトヘキヌ/ヒトエ)ノ文(ヒ)要用ノ分者指合候之間練色(ネリ―)ノ魚龍(キヨレウ)白張(シラハリ)裏衣(ウラキヌ)二重(―カサネ)候注文之外属(ゾクス)シテ‖使者|被申‖入レ之|〔文明本〕※属(シヨク)
要用 エウヨウ。〔黒川本・疉字下14ウ三〕
要便 〃人。〃樞シユ/一作須。〃容。〃門。〃劇。〃書。〃實。〃害。〃用。〃路。〃須。〔卷第七・疉字214六〜215一〕
要用(ヨウヨウ/ナイガシロ,モチイル)[平・上] 。〔態藝門318四〕
とあって、標記語「要用」の語を収載し、その読みを「ヨウヨウ」とし、その語注記は、未記載にする。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
要用(ヨウヨウ) 。〔弘・言語進退94三〕
要用(――) ―須(ス)。―顔(ガン)。―害(ガイ)。〔永・言語88八〕
要用(ヨウヨウ) ―須。―顔。―害。〔尭・言語80七〕
要用(ヨウヨウ) ―須(ス)。―顔(ガン)。―害(ガイ)。〔両・言語97四〕
要道(ヨウタウ) ―術(シユツ)。―路(ロ)。―望(マウ)。―文(モン)。―須(ス)。―器(キ)。―略(リヤク)。―用(ヨウ)。―亊(シ)。―劇(ケキ)。〔言語86四〕
407更非‖輕賤之儀|抑被‖申入|用物之亊任‖目録|所∨被∨下也。用竭(ツキ)テノ後者急可∨被‖持参|也。但単(ウス)-衣要-用之-分者指合候間練色魚-竜 織付タル文也。地ハ練也。《頭注書込み》練色魚龍トハ款冬色ノ衣ナリ。〔謙堂文庫藏四〇左@〕
とあって、標記語を「要用」とし、その語注記は未記載にする。
目録ニ‖所∨被∨下∨之ヲ也用竭(ツキ)テ后者ハ急(イソキ)可被‖持参|也。但要用(ヨウ―)ノ之分者指(サシ)合ノ候間 目録トハ。頭(カシラ)々ヲ記(シル)シタツルヲ云フナリ。〔下十五ウ三〜四〕
但(たゝ)し単衣(ひとへきぬ)の文(もん)要用(よう/\)分(ふん)者(ハ)/但シ単衣ノ要-用之分者 要はかなめなり。無(なく)て叶(かなハ)さる物を要用と云。〔54ウ六〜七〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)乃分(ぶん)者(ハ)差合(さしあ)ひ候(さふら)ふ之間(あいだ)練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりゆう)白張(しらはり)裏衣(うらきぬ)二重(ふたかさね)候(さふら)ふ注文(ちうもん)之(の)外(ほか)使者(ししや)に屬(ぞく)して之(これ)を申(まう)し入(い)れら被(る)長絹(ちやうけん)素絹(そけん)袈裟(けさ)精好(せいこう)薄墨(うすすミ)の衣(ころも)法服(ほふふく)錦(にしき)の七條(しちてう)裳(も)横尾(わうび)鈍色(とんしき)下(した)乃袴(はかま)/但シ單衣ノ文要用ノ之分者。差合候ノ之間。練色ノ魚龍。白張。裏衣。二重候。注文之外。属シテ‖使者ニ|被∨申シ‖入レラ之ヲ|。長絹。素絹。袈裟。精-好。薄墨ノ衣。法服。錦ノ七條。裳。横尾。鈍色。下ノ袴。▲要用ハ差當(さしあた)り入用の義。〔41オ三〜七〕
但(たゞ)し單衣(ひとへぎぬ)の文(もん)要用(えうよう)の分(ぶん)者(ハ)。差合(さしあひ)候(さふらふ)之(の)間(あひだ)。練色(ねりいろ)の魚龍(ぎよりよう)。白張(しらはり)。裏衣(うらきぬ)。二重(ふたかさね)候(さふらふ)。注文(ちゆうもん)之(の)外(ほか)。属(ぞく)して‖使者(ししや)に|被(る)∨申(まう)し‖入(い)れら之(これ)を|。長絹(ちやうけん)。素絹(そけん)。袈裟(けさ)。精-好(せいかう)。薄墨(うすすミ)の衣(ころも)。法服(ほふふく)。錦(にしき)の七條(しちでう)。裳(も)。横尾(わうび)。鈍色(どんじき)。下(した)の袴(はかま)。▲要用ハ差當(さしあた)り入用の義。〔72オ二〜72ウ二〕
Yo>yo>.ヨゥヨゥ(要用) 用事.〔邦訳832r〕
えう-よう〔名〕【要用】 必ず入用なること。必要なること。要須。漢書、藝文志「凡百八十二家、册‖取要用|、定著‖三十五家|」舊、今昔物語集、十七、第四十一語「要用あるに依て、馬に乘て里に出づる程に」〔0272-3〕
持参(チサン)。〔元亀本63九〕
持参(―サン)。〔静嘉堂本74二〕〔天正十七年本上37オ七〕〔西來寺本114四〕
用竭後者急可被持参也〔至徳三年本〕
用竭後者両可被持參也〔宝徳三年本〕
用竭之後者可被持参也〔建部傳内本〕
用_竭(ツキ)テ後ハ者急キ可∨被‖持-参せ|也〔山田俊雄藏本〕
用竭(ツキ)テ之后者ハ急キ可∨被‖持参|也〔経覺筆本〕
用竭(ツキ)テ後者急可∨被‖持参(ぢさ―)|也〔文明本〕
持参(ヂサン/モツ,マイル)[平・平] 。〔態藝門174四〕
とあって、標記語「持参」の語を収載し、その読みを「ヂサン」とし、その語注記は、未記載にする。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
持参(ヂサン) 。〔弘・言語進退52六〕
持齋(ヂサイ) ―律(チリツ)。―病(ヒヤウ)。―物(モツ)。―疑(キ)。―參(サン)。〔永・言語53三〕
持齋 ―律。―病。―物。―疑。―参。〔尭・言語48四〕
持參(―サン) 。〔言語52三〕
407更非‖輕賤之儀|抑被‖申入|用物之亊任‖目録|所∨被∨下也。用竭(ツキ)テノ後者急可∨被‖持参|也。但単(ウス)-衣要-用之-分者指合候間練色魚-竜 織付タル文也。地ハ練也。《頭注書込み》練色魚龍トハ款冬色ノ衣ナリ。〔謙堂文庫藏四〇左@〕
とあって、標記語を「持参」とし、その語注記は未記載にする。
目録ニ‖所∨被∨下∨之ヲ也用竭(ツキ)テ后者ハ急(イソキ)可被‖持参|也。但要用(ヨウ―)ノ之分者指(サシ)合ノ候間 目録トハ。頭(カシラ)々ヲ記(シル)シタツルヲ云フナリ。〔下十五ウ三〜四〕
急(いそ)き持参(じさん)せ被可(らるべき)也/急可∨被‖持参|也 用事済(すミ)たらハはやく持参して返上(へんしやう)せられよとなり。〔54ウ三〜四〕
白紙(はくし)拂底(ふつてい)の間(あいだ)反故(ほうぐ)を用(もち)ゆる所(ところ)也(なり)更(さら)に輕賤(けいせん)之(の)儀(ぎ)に非(あら)ず。抑(そも/\)申(まう)し入(い)れら被(る)る用物(ようもつ)の事(こと)目録(もくろく)に任(まか)せ之(これ)を下(くだ)さ被(る)る所(ところ)也。用(よう)竭(つき)て後(のち)者(ハ)急(いそ)ぎ持參(ちさん)せら被(る)可(べ)き也(なり)/白紙拂底ノ之間所∨用‖反故ヲ|也更非‖輕賤之儀|抑被‖申入|用物之亊任‖目録|所∨被∨下也。用竭(ツキ)テノ後者急可∨被‖持参|也。〔41オ三〕
白紙(はくし)拂底(ふつてい)之(の)間(あひだ)所(ところ)∨用(もちふる)‖反故(ほうご)を|也(なり)更(さら)に非(あら)す‖輕賤(けいせん)之(の)儀(ぎ)に|抑(そも/\)被(るゝ)‖申入(まうしいられ)|用物(ようもつ)の亊(こと)任(まかせ)‖目録(もくろく)に|所(ところ)∨被(るゝ)∨下(くださ)之(これ)を也(なり)。用(よう)竭(つき)て後(のち)者(ハ)急(いそぎ)可(べき)∨被(る)‖持参(ぢさん)せら|也(なり)。〔72オ二・三〕
Gisan.ヂサン(持参) Motte mairu.(持って参る)何か物を自分で持って行く,または,持って来る.例,Gisan itasu,l,tcucamatcuru.(持参致す,または,仕る)§Saqeua core yori gisan mo<so<zu.(酒はこれより持参申さうず)酒については,私がこちらから持って行こう.〔邦訳317r〕
ぢ-さん〔名〕【持参】物を持(も)ちてまゐること。たづさへ行くこと。〔3-0319-3〕
用竭後者急可被持参也〔至徳三年本〕
用竭後者両可被持參也〔宝徳三年本〕
用竭之後者可被持参也〔建部傳内本〕
用_竭(ツキ)テ後ハ者急キ可∨被‖持-参せ|也〔山田俊雄藏本〕
用竭(ツキ)テ之后者ハ急キ可∨被‖持参|也〔経覺筆本〕
用竭(ツキ)テ後者急可∨被‖持参(ぢさ―)|也〔文明本〕
後 ノチ。晩。遺。没。后。昆。髦。雌 已上同。〔黒川本・方角中60オ三〕
後 ノチ 先―猶 奴。晩。遺。没。后。昆。髦。雌 已上同。〔卷第五・方角258二〕
後(ノチ) 。〔言辞124四〕
407更非‖輕賤之儀|抑被‖申入|用物之亊任‖目録|所∨被∨下也。用竭(ツキ)テノ後者急可∨被‖持参|也。但単(ウス)-衣要-用之-分者指合候間練色魚-竜 織付タル文也。地ハ練也。《頭注書込み》練色魚龍トハ款冬色ノ衣ナリ。〔謙堂文庫藏四〇左@〕
とあって、標記語を「後者」とし、その語注記は未記載にする。
目録ニ‖所∨被∨下∨之ヲ也用竭(ツキ)テ后者ハ急(イソキ)可被‖持参|也。但要用(ヨウ―)ノ之分者指(サシ)合ノ候間 目録トハ。頭(カシラ)々ヲ記(シル)シタツルヲ云フナリ。〔下十五ウ三〜四〕
用(よう)竭(つき)て後(のち)者(ハ)/用竭テ後者 竭とハ済(すむ)といふかことし。〔54ウ五〕
白紙(はくし)拂底(ふつてい)の間(あいだ)反故(ほうぐ)を用(もち)ゆる所(ところ)也(なり)更(さら)に輕賤(けいせん)之(の)儀(ぎ)に非(あら)ず。抑(そも/\)申(まう)し入(い)れら被(る)る用物(ようもつ)の事(こと)目録(もくろく)に任(まか)せ之(これ)を下(くだ)さ被(る)る所(ところ)也。用(よう)竭(つき)て後(のち)者(ハ)急(いそ)ぎ持參(ちさん)せら被(る)可(べ)き也(なり)/白紙拂底ノ之間所∨用‖反故ヲ|也更非‖輕賤之儀|抑被‖申入|用物之亊任‖目録|所∨被∨下也。用竭(ツキ)テノ後者急可∨被‖持参|也。〔41オ二〕
白紙(はくし)拂底(ふつてい)之(の)間(あひだ)所(ところ)∨用(もちふる)‖反故(ほうご)を|也(なり)更(さら)に非(あら)す‖輕賤(けいせん)之(の)儀(ぎ)に|抑(そも/\)被(るゝ)‖申入(まうしいられ)|用物(ようもつ)の亊(こと)任(まかせ)‖目録(もくろく)に|所(ところ)∨被(るゝ)∨下(くださ)之(これ)を也(なり)。用(よう)竭(つき)て後(のち)者(ハ)急(いそぎ)可(べき)∨被(る)‖持参(ぢさん)せら|也(なり)。〔73ウ一〕
Nochi.ノチ(後) 後.例.Icusano nochi.(軍の後)戦争の後.§Maitte nochi.(参つて後) その人が来たあとで、または,その人が来たならば.〔邦訳469r〕
のち〔名〕【後】(一)次なること。後れたる方。あと。うしろ。(前(まへ)、先(さき)の反)字類抄「後、ノチ、先後、后」(二){年、月、日、時の未來の方。後來。神代紀、上「天先成而地後(のち)に定」萬葉集、十九27「少女らが後(のち)のしるしと、つげを櫛、おほかはりおひて、靡きけらしも」「後の爲に」後の世」後の年」後の春」(三){後胤。子孫。枕草子、五、四十六段「もとすけが、のちと云はるる、君しもや、今宵の歌は、はづれては居る」宇津保物語、藏開、上5「この世に、仲忠をはなちては、御のちなし」(四){なきあと。死後。歿後。天智紀、八年十月「臣既不敏、當‖復何言|、但其ノ葬事(ノチノワザ)、宜∨用‖輕易|、生則無∨務‖於軍國|、死則何敢重難」宇津保物語、俊蔭22「但し、命の後、女子の爲に、氣近き寳とならむ物を奉らむ」後の弔」後の事」 後の親とは、ままおや。源氏物語、二、帚木37「まうとののちのおや、さなん侍ると申すに、にげなきおやをも、まうけたりけるかな」〔1537-3〕
目録(モクロク)。〔元亀本348五〕〔静嘉堂本419一〕
更非輕賤之儀抑被申入用物亊任目録所被下之也〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕
更非輕賤之儀抑被申入用物亊任目録所被下也〔建部傳内本〕
更ニ非ス‖輕-賤ノ之儀ニ|抑被‖申_入|用-物ノ亊任テ‖目-録ニ|所∨被∨下也〔山田俊雄藏本〕
更非‖輕賤(キヤウせン)之儀ニ|抑被‖申入|用物ノ之亊任セ‖目録ニ|可∨被∨下∨之ヲ也〔経覺筆本〕
更ニ非‖輕賤(キヤウせン)之儀ニ|抑被‖申入|用物ノ亊任テ∨目録ニ|所∨被∨下∨之也〔文明本〕
目録 文書部/モクロク。〔黒川本・疉字下100オ八〕
目録 々代。々筆。〔卷第十・疉字424一〕
目録(モクロク/メ,シルス)[入・平] 帳。〔器財門1067六〕
とあって、標記語「目録」の語を収載し、その読みを「モクロク」とし、その語注記は、「帳」と記載する。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
目録(モクロク) 帳。〔弘・財宝259六〕〔永・財宝221六〕〔尭・財宝208一〕
目録(モクロク) 。〔器財230六〕
407更非‖輕賤之儀|抑被‖申入|用物之亊任‖目録|所∨被∨下也。用竭(ツキ)テノ後者急可∨被‖持参|也。但単(ウス)-衣要-用之-分者指合候間練色魚-竜 織付タル文也。地ハ練也。《頭注書込み》練色魚龍トハ款冬色ノ衣ナリ。〔謙堂文庫藏四〇左@〕
とあって、標記語を「目録」とし、その語注記は未記載にする。
輕賤(キヤウせン)之儀ニ|抑(ソモ/\)被(ラルヽ)‖申入|目録之亊任(マカせテ) 目録トハ。頭(カシラ)々ヲ記(シル)シタツルヲ云フナリ。〔下十五ウ三〜四〕
抑(そも/\)申入(もふしいれら)るゝ用物(ようぶつ)の事(こと)目録(もくろく)に任(まか)す/抑被‖申入|用物之亊任‖目録|注文書の事なり。〔54ウ三〜四〕
白紙(はくし)拂底(ふつてい)の間(あいだ)反故(ほうぐ)を用(もち)ゆる所(ところ)也(なり)更(さら)に輕賤(けいせん)之(の)儀(ぎ)に非(あら)ず。抑(そも/\)申(まう)し入(い)れら被(る)る用物(ようもつ)の事(こと)目録(もくろく)に任(まか)せ之(これ)を下(くだ)さ被(る)る所(ところ)也。用(よう)竭(つき)て後(のち)者(ハ)急(いそ)ぎ持參(ちさん)せら被(る)可(べ)き也(なり)/白紙拂底ノ之間所∨用‖反故ヲ|也更非‖輕賤之儀|抑被‖申入|用物之亊任‖目録|所∨被∨下也。用竭(ツキ)テノ後者急可∨被‖持参|也。▲目録ハ用物乃品(しな)がき也。〔41オ三〕
白紙(はくし)拂底(ふつてい)之(の)間(あひだ)所(ところ)∨用(もちふる)‖反故(ほうご)を|也(なり)更(さら)に非(あら)す‖輕賤(けいせん)之(の)儀(ぎ)に|抑(そも/\)被(るゝ)‖申入(まうしいられ)|用物(ようもつ)の亊(こと)任(まかせ)‖目録(もくろく)に|所(ところ)∨被(るゝ)∨下(くださ)之(これ)を也(なり)。用(よう)竭(つき)て後(のち)者(ハ)急(いそぎ)可(べき)∨被(る)‖持参(ぢさん)せら|也(なり)。▲目録ハ用物乃品(しな)がき也。〔72オ二・三〕
Mocurocu.モクロク(目録) Nauo xirusu(名を録す).書物の目次.§また,贈物として送られる品物,たとえば,酒樽,肴(Sacanas),馬,太刀などの品目表.もし,他の品物,たとえば,反物などの品目表であれば,Chu<mon(注文)と言われる。⇒Chi<mon(注文).〔邦訳416r〕
もく-ろく〔名〕【目録】(一)書中の題目のみを録(しる)し掲げたるもの。目次。みだし。又、進物などの品品の名を竝べ記せる文書(かきつけ)をも云ふ。掲帖。儀状。晉書、曹志傳「先王有‖手所∨作目録|」台記、天養二年四月十四日「會文士調文書書目録納倉、其筥皆有録(一二三之類也)」宇津保物語、國讓、下44「おとどに申し給ふ、云云、もくろくとて、その文奉り給ふ」(二)贈物の金銀を目録に書き載するより、直に其金銀の稱。「御目録頂戴」(三)師より弟子に、藝術の奥義を傳ふるに就きての名目。皆傳(カイデン)の下に註す。〔2002-2〕
更非輕賤之儀抑被申入用物亊任目録所被下之也〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕
更非輕賤之儀抑被申入用物亊任目録所被下也〔建部傳内本〕
更ニ非ス‖輕-賤ノ之儀ニ|抑被‖申_入|用-物ノ亊任テ‖目-録ニ|所∨被∨下也〔山田俊雄藏本〕
更非‖輕賤(キヤウせン)之儀ニ|抑被‖申入|用物ノ之亊任セ‖目録ニ|可∨被∨下∨之ヲ也〔経覺筆本〕
更ニ非‖輕賤(キヤウせン)之儀ニ|抑被‖申入|用物ノ亊任テ∨目録ニ|所∨被∨下∨之也〔文明本〕
用物(ヨウモツ/フツ、モチイル,モノ)[上・入] 。〔態藝門317八〕
とあって、標記語「用物」の語を収載し、その読みを「ヨウモツ」とし、その語注記は、未記載にする。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』、易林本『節用集』には、標記語「用物」の語は未収載にする。標記語「用物」の語を未収載にする。
407更非‖輕賤之儀|抑被‖申入|用物之亊任‖目録|所∨被∨下也。用竭(ツキ)テノ後者急可∨被‖持参|也。但単(ウス)-衣要-用之-分者指合候間練色魚-竜 織付タル文也。地ハ練也。《頭注書込み》練色魚龍トハ款冬色ノ衣ナリ。〔謙堂文庫藏四〇左@〕
とあって、標記語を「用物」とし、その語注記は未記載にする。
輕賤(キヤウせン)之儀ニ|抑(ソモ/\)被(ラルヽ)‖申入|用物之亊任(マカせテ) 軽賤ト書テカロシメイヤシムルトヨムナリ。〔下十五ウ三〜四〕
抑(そも/\)申入(もふしいれら)るゝ用物(ようぶつ)の事(こと)目録(もくろく)に任(まか)す/抑被‖申入|用物之亊任‖目録|注文書の事なり。〔54ウ二〜三〕
白紙(はくし)拂底(ふつてい)の間(あいだ)反故(ほうぐ)を用(もち)ゆる所(ところ)也(なり)更(さら)に輕賤(けいせん)之(の)儀(ぎ)に非(あら)ず。抑(そも/\)申(まう)し入(い)れら被(る)る用物(ようもつ)の事(こと)目録(もくろく)に任(まか)せ之(これ)を下(くだ)さ被(る)る所(ところ)也。用(よう)竭(つき)て後(のち)者(ハ)急(いそ)ぎ持參(ちさん)せら被(る)可(べ)き也(なり)/白紙拂底ノ之間所∨用‖反故ヲ|也更非‖輕賤之儀|抑被‖申入|用物之亊任‖目録|所∨被∨下也。用竭(ツキ)テノ後者急可∨被‖持参|也。〔41オ一〕
白紙(はくし)拂底(ふつてい)之(の)間(あひだ)所(ところ)∨用(もちふる)‖反故(ほうご)を|也(なり)更(さら)に非(あら)す‖輕賤(けいせん)之(の)儀(ぎ)に|抑(そも/\)被(るゝ)‖申入(まうしいられ)|用物(ようもつ)の亊(こと)任(まかせ)‖目録(もくろく)に|所(ところ)∨被(るゝ)∨下(くださ)之(これ)を也(なり)。用(よう)竭(つき)て後(のち)者(ハ)急(いそぎ)可(べき)∨被(る)‖持参(ぢさん)せら|也(なり)。〔72ウ五〕
×〔元亀本42九〕
輕賤(―せン)。〔静嘉堂本325七〕
更非輕賤之儀抑被申入用物亊任目録所被下之也〔至徳三年本〕〔宝徳三年本〕
更非輕賤之儀抑被申入用物亊任目録所被下也〔建部傳内本〕
更ニ非ス‖輕-賤ノ之儀ニ|抑被‖申_入|用-物ノ亊任テ‖目-録ニ|所∨被∨下也〔山田俊雄藏本〕
更非‖輕賤(キヤウせン)之儀ニ|抑被‖申入|用物ノ之亊任セ‖目録ニ|可∨被∨下∨之ヲ也〔経覺筆本〕
更ニ非‖輕賤(キヤウせン)之儀ニ|抑被‖申入|用物ノ亊任テ∨目録ニ|所∨被∨下∨之也〔文明本〕
輕賎(キヤウせン/ケイ、カロシ,イヤシ)[平・上] 軽微乏少。〔態藝門830三〕
とあって、標記語「輕賤」の語を収載し、その読みを「キヤウセン」とし、その語注記は、「軽微乏少」と記載する。印度本系統の弘治二年本・永祿二年本・尭空本・両足院本『節用集』には、
輕賤(―セン) 。〔弘・言語進退223一〕
輕忽(キヤウコツ) ―重(デウ)。―賎(せン)/―犯(ホン)。―慢(マン)/又作―瞞。〔永・言語184七〕
輕忽(キヤウコツ) ―重。―賎。―犯/―瞞。又慢。〔尭・言語174二〕
輕慢(キヤウマン) ―賎(せン)。―忽(コツ)/―罪(ザイ)。―重(デウ)。〔器財31六〕
407更非‖輕賤之儀|抑被‖申入|用物之亊任‖目録|所∨被∨下也。用竭(ツキ)テノ後者急可∨被‖持参|也。但単(ウス)-衣要-用之-分者指合候間練色魚-竜 織付タル文也。地ハ練也。《頭注書込み》練色魚龍トハ款冬色ノ衣ナリ。〔謙堂文庫藏四〇左@〕
とあって、標記語を「輕賤」とし、その語注記は未記載にする。
輕賤(キヤウせン)之儀ニ|抑(ソモ/\)被(ラルヽ)‖申入|用物之亊任(マカせテ) 軽賤ト書テカロシメイヤシムルトヨムナリ。〔下十五ウ三〜四〕
更(さら)に輕賤(けいせん)の儀(ぎ)に非(あら)す/更ニ非‖輕賤之儀ニ| 輕賤ハかろしめいやしむと讀(よむ)。反故を用るハ失礼なる事故其言訳(いひわけ)をしたるなり。〔54ウ二〜三〕
白紙(はくし)拂底(ふつてい)の間(あいだ)反故(ほうぐ)を用(もち)ゆる所(ところ)也(なり)更(さら)に輕賤(けいせん)之(の)儀(ぎ)に非(あら)ず。抑(そも/\)申(まう)し入(い)れら被(る)る用物(ようもつ)の事(こと)目録(もくろく)に任(まか)せ之(これ)を下(くだ)さ被(る)る所(ところ)也。用(よう)竭(つき)て後(のち)者(ハ)急(いそ)ぎ持參(ちさん)せら被(る)可(べ)き也(なり)/白紙拂底ノ之間所∨用‖反故ヲ|也更非‖輕賤之儀|抑被‖申入|用物之亊任‖目録|所∨被∨下也。用竭(ツキ)テノ後者急可∨被‖持参|也。▲輕賤ハかろんじいやしむと訓(よ)む。人をあなとる意(い)。〔41オ三〕
白紙(はくし)拂底(ふつてい)之(の)間(あひだ)所(ところ)∨用(もちふる)‖反故(ほうご)を|也(なり)更(さら)に非(あら)す‖輕賤(けいせん)之(の)儀(ぎ)に|抑(そも/\)被(るゝ)‖申入(まうしいられ)|用物(ようもつ)の亊(こと)任(まかせ)‖目録(もくろく)に|所(ところ)∨被(るゝ)∨下(くださ)之(これ)を也(なり)。用(よう)竭(つき)て後(のち)者(ハ)急(いそぎ)可(べき)∨被(る)‖持参(ぢさん)せら|也(なり)。▲輕賤ハかろんじいやしむと訓(よ)む。人をあなどる意(い)。〔72オ二・三〕
Qeixen.ケイセン(輕賤) 人をけなしたり,軽んじいやしめたりすること.§Fitouo qeixenni atcuco<.(人を軽賎に扱ふ)人を卑しめて遇する.〔邦訳483l〕
Qio<xen.キャゥセン(輕浅) Caroqu asaxi.(軽く浅し)軽微な,つまらないこと.文書語.〔邦訳503r〕
けい-せん〔名〕【輕賤】(一)かろんじ、いやしむること。庭訓往來、七月「白紙拂底之間、所∨用‖反故|也、更非‖輕賤之儀|」(二)かろく、少なきこと。庭訓往來、七月「佛布施幵被物、禄物等、用意輕賤也」〔0598-5〕
反古(ホウク/ホンコ)。翻古(同)。〔元亀本42九〕
反古(ホング)。翻古(同)。〔静嘉堂本47二・三〕
反古(ホンコ)。翻古(ホンコ)。〔天正十七年本中57ウ六〕
薄帋拂底之間所反故也〔至徳三年本〕
薄紙拂底之間所用反故也〔宝徳三年本〕
薄帋拂底之間所用反故也〔建部傳内本〕
薄紙(ハク―)拂底ノ之際所下用‖反故(ホウコ)ヲ|候上也()ノ_。-〔山田俊雄藏本〕
薄紙拂底之間所∨用‖反故|也〔経覺筆本〕
薄紙(ハク―)拂底(フツテイ)之間所∨用‖反故(ホウク)|也〔文明本〕
反故(ホング/ハンコ、ソムク・クツカヘス,フルシ)[去・上] 旧文也。〔器財門99八〕
反故(ホウグ) 古紙。〔弘・財宝32三〕〔永・財宝32七〕
反故(ホウク) 古紙。〔尭・財宝31二〕
反故(ホンゴ) 古紙。〔両・財宝37三〕
反古(ホウグ) 。〔器財31六〕
406薄紙拂底之間所∨用‖反故|也 古文ヲ、又來書ノ内ニ書ク。別ノ非‖反故ニ|來レル書也。〔謙堂文庫藏四〇左@〕
とあって、標記語を「反故」とし、その語注記は、「古文を、また來書の内に書く。別の反故にあらず、來れる書なり」と記載する。
拂底(フツテイ)ノ之間所ロ∨用‖反故(ホンコ)ヲ|也更ラニ非ス 拂底トハ。ソコヲハラフトヨムナリ。悉(コト/\)ク数(カス)ヲ尽(ツク)シハテタル事也。反故(ホンコ)トワホウグノ事也。餘所(ヨソ)ヨリ状ナンド來ルニハ。必返事(ヘンジ)ヲスル也。紙(カミ)若シ無クハ。反故(ホンゴ)ノ裏(ウラ)ニテモ用。サモ無ハ其文ヲウラガヘシテ可シ∨書。抑人ノ許トヨリ來ル文ニ返事せザル事不∨可∨有。翌日(ヨクジツ)ニモ返事スベシ。翌日(ヨクジツ)トハ。明(アク)ル日ノ事ナリ。〔下十五ウ一〜三〕
反故(ほうぐ)を用(もち)ゆる所(ところ)也(なり)/所∨用‖反故ヲ|也 反故ハ一たひ用たる帋なり。むかしハ紙も今の如く多くなかりしゆへふるきふみのうらなとに書て徃来(わうらい)たる事あり。〔54オ八〜54ウ二〕
白紙(はくし)拂底(ふつてい)の間(あいだ)反故(ほうぐ)を用(もち)ゆる所(ところ)也(なり)更(さら)に輕賤(けいせん)之(の)儀(ぎ)に非(あら)ず。抑(そも/\)申(まう)し入(い)れら被(る)る用物(ようもつ)の事(こと)目録(もくろく)に任(まか)せ之(これ)を下(くだ)さ被(る)る所(ところ)也。用(よう)竭(つき)て後(のち)者(ハ)急(いそ)ぎ持參(ちさん)せら被(る)可(べ)き也(なり)/白紙拂底ノ之間所∨用‖反故ヲ|也更非‖輕賤之儀|抑被‖申入|用物之亊任‖目録|所∨被∨下也。用竭(ツキ)テノ後者急可∨被‖持参|也。▲反故ハ一旦(いつたん)用達(ようだち)たる紙(かみ)也。〔40ウ八〜41オ二〕
白紙(はくし)拂底(ふつてい)之(の)間(あひだ)所(ところ)∨用(もちふる)‖反故(ほうご)を|也(なり)更(さら)に非(あら)す‖輕賤(けいせん)之(の)儀(ぎ)に|抑(そも/\)被(るゝ)‖申入(まうしいられ)|用物(ようもつ)の亊(こと)任(まかせ)‖目録(もくろく)に|所(ところ)∨被(るゝ)∨下(くださ)之(これ)を也(なり)。用(よう)竭(つき)て後(のち)者(ハ)急(いそぎ)可(べき)∨被(る)‖持参(ぢさん)せら|也(なり)。▲反故ハ一旦(いつたん)用達(ようだち)たる紙(かみ)也。〔72オ二・三〕
Fo>gu.ホウゴ(反古) 書きよごした紙.または,もう役に立たない紙.または,書き直したり書きよごしたりした習字手本.⇒Fongo(反古).〔邦訳258l〕
ほ-ぐ〔名〕【反故・反古】(一){又ほうぐ。ほご。ほうご。ほんご。文字など書きたる紙の、用なくなれるもの。ほぐがみ。ほごがみ。ふるほぐ。倭名抄五、23文書具「反故、齊春秋云、沈麟士字雲禎、少清貧無∨紙、以‖飜古|書寫數千巻」(案、飜與反通) 字類抄下、言辭門「反古、ホク、ホンゴ」源氏物語、五十、浮舟64「むづかしきほぐなど破りて」大鏡、上、三條院「古ほぐとおぼして、打捨てさせたまはで」夫木抄、十二、秋「秋の田の、ほぐとも雁の、見ゆるかな、誰れ大空に、書き散らすらん」右京大夫集「ほぐえり出して、料紙にすかせて、云云、さすがに積りにけるほうぐなれば、多くて云云」狭衣物語、二、上28「ほうぐの端だに落ち散らぬは」拾玉集、四「ほご燒く灰の、風に吹かれて」徒然草、第廿二段「文の詞などぞ、昔のほうごどもは、いみじき」紫式部日記「古きほんご引きさがし」〔1830-4〕
ほう-ご〔名〕【反故・反古】ほぐ(反故)の條を見よ。宇津保物語、國譲、上49「昔もて使ひ給ひし調度、いささかに手馴らし給ふほうごなど、取りちらし」十訓抄、中、第五、第十六條「これよりぞ、反故(ほうご)の色紙は、世にはじまりける」〔1824-3〕
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