駒澤大学文学部社会学科社会学専攻

主任挨拶

駒澤大学の社会学専攻では、教員も学生もそれぞれの興味関心をベースにした多様な切り口から「社会」について日々、学びを深め研究を進めています。社会学はその名前のとおり社会について学び研究する学問分野です。社会学のテーマは多岐にわたります。地域社会や井戸端会議のような私達の生活に身近な「社会」もあれば、グローバリゼーションやマス?メディアといった国境を越える大規模な「社会」もあります。おしゃべりや SNS上での個人的なやりとりも、産業や紛争による大きなインパクトも、私達の社会を大なり小なり構成し、変化させているのです。

例えばグローバリゼーションが進んできたことで私達の生活はこれまでよりもさらに便利になっていると同時に、複雑にもなってきました。地域や国境を越えて人やモノやお金や情報が行き交うことで、私達の生活には様々な選択肢が用意されるようになりました。ひとりひとりが情報を世界に向けて発信できるようになったことも最近の社会に起きた大きな変化のひとつです。しかし、その一方で、これまで当たり前だと思っていた「常識」が揺さぶられる場面にも遭遇します。生まれた国や育った地域が違うと、食事の習慣やゴミの出し方が違っていることがあります。ジェンダーやエネルギーの問題がしばしば世界中で大きな話題になるのは、皆さんもよくご存知だろうと思います。

多様な社会は私達の視野を広げ生活を豊かにしてくれます。しかし多様な社会では問題はより複雑になり、シンプルに解決することが難しくなります。構造が複雑に入り組んでいるうえに、すごいスピードで今も変化し続けているからです。では、もっと分かりやすくて簡単な社会の仕組みにできないのでしょうか。どうして社会は今のカタチになったのでしょうか。あるいは、あなたにとってこの社会は十分快適でしょうか。

人間の社会とはどういうもので、どんなふうに変化しているのか。どうすればそれを捉えられるのか。社会にはどんな問題があり、希望があるのか。社会学はこうした問いに様々な切り口とアプローチで研究を重ねる学問分野です。そのためテーマは多岐にわたります。家族?ジェンダー?セクシュアリティ?若者?シニア?労 働?メディア?市民社会や地域社会?移民?難民?教育など、あげればキリがありません。研究の手法も同様です。

駒澤大学の社会学専攻の特色は学生の皆さんが社会学を体系的に学べるカリキュラムが整っているところです。1年生から4年生まで、学年ごとに社会を理解し分析するために、身近なところでは友達との コミュニケーションから、スケールの大きいところでは国際社会での出来事まで、これまでの社会学の研究 成果の基礎を学ぶことができます。幅広い知識をまずは身につけ、社会について調べる技術を基礎から習得することに本専攻は重点を置いています。さらに、学生が自分たちでテーマを設定し、実際に現地に出かけていく「フィールドワーク(実地調査)」の機会も多く設けています。このように本専攻では、学生の皆さんが4年間を通して、社会学らしい視点と考え方、そして論理の組み立て方を身につけます。

社会は知れば知るほど複雑で多様です。私達が生き、影響を与え合う社会について、ともに学び、考え、行動してみませんか。


社会学専攻主任 土田久美子

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