福島ゼミ生による在日ベトナム寺院訪問日記
福島ゼミの経済学科2年、折橋美祐さん、窪 華音さんによる在日ベトナム寺院訪問日記です。
埼玉県越谷市にある在日ベトナム人が集う南和寺を訪れる貴重な機会に恵まれました。
ここは日本で働き、学ぶベトナム人たちが、母国語で気兼ねなく情報交換や生活相談ができる「心の拠りどころ」です。南和寺の由来は、ベトナムをあらわす「越南」と日本の「和」にあります。
はじめに、本堂で読経を体験しました。日本とはちがい、演歌を彷彿させるメロディが印象的です。ベトナム人留学生もたくさんいて、仏教が生活にしっかりと根付いていると感じました。着用する衣装の説明もありました。「世の中には様々な人間がいるが、この場では同じ衣装を身につけてみな平等――」という意味が込められているそうです。競争社会を生きる私たちにとって「平等」を意識することがないため、普段の生活のあり方を見つめ直す機会になりました。手作りの精進料理やヴィーガンをいただくこともできました。動物性の食材を一切使わないにもかかわらず、満足感たっぷりの料理で、ベトナムの食文化の奥深さを垣間見たように思います。ベトナム人留学生の皆さんと交流する時間もあり、人気観光地、料理、文化的習慣、遊びなど、色々な話を聞くことができました。同世代ということもあって、緊張もほぐれ楽しいひと時でした。伝統衣装のアオザイも着せてもらい、異文化に溶け込んだような特別な気分を味わうことができました。
南和寺の訪問を通して、ベトナムの方々の人柄に魅了されました。生まれ育った環境がどれほど違っていても、お互いの文化を理解し受け入れることで、人と人との心の繋がりが出来ることを学んだように感じます。ベトナムに対する興味がますます深まり、日本の中の異文化コミュニティーにも関心を持つきっかけになりました。南和寺の皆さま、そしてベトナム人留学生の皆さんに心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。本当にありがとうございました。