新入生セミナー×現応ラボ企画 「働き方(キャリア形成)についてエシカルの視点から考える」 開催報告
新入生セミナー×現応ラボ企画として、2025年6月26日に「働き方(キャリア形成)についてエシカルの視点から考える」を実施しました。SDGs認知活動の分野で学生起業し、現在は女性起業家として活躍する難波 遥 氏(株式会社Hands UP 代表取締役)をゲスト講師としてお招きしました。
本企画では、ワークショップ形式でキャリア形成における価値観の発見方法を学び、エシカルな企業活動?事業内容についてお話しいただきました。ソーシャル?ビジネスとエシカルの最前線で活躍する難波さんのお話は、新時代を生き抜くうえで有意義なものとなりました。何より一年生の早い段階から、卒業後の生き方やキャリア形成に対して、エシカルな視点から問題意識を持つことで、将来のキャリアを考える絶好の機会となりました。
以下は、現代応用経済学科ラボラトリ学生広報委員の若林 陸さんによる当日イベントの報告です。
まず、難波さんはこれまでのキャリアや株式会社HandsUPを起業されるまでの経緯について話した。大学在学中からアクティブに活動をされる中で、発展途上国に旅行した際に物乞いの子どもに出会い、ご自身のこれまでの価値観や生き方が揺さぶられるという出来事を通して、これからの生き方について深く考える事になったという。その後、SDGsの認知活動を目指した学生団体Hands UPを立ち上げ、2021年には活動を持続するために法人化された株式会社Hands UPの代表に就任した。現在は、Z世代の学生スタッフと共に、環境問題や人権問題など地球に存在する課題の解決、AI事業としてAIを使える人材育成、AIサービスの普及活動などを展開している。
私は株式会社Hands UPは難波さんの価値観や考え方に基づく会社であると感じた。難波さんは自身の活動と会社について、「真面目にやっていても人は集まらない」、そして「仕事は探さない、創るもの」と話したことがとても印象に残った。「楽しそうな」?「ワクワクする」事業化されている、もっと言えば、その人が「これをしたい」と思うことがビジネスになっているのだと理解することができた。
続けて、難波さんは価値観の話をする際に「キャリアとは?」という問いかけをした。辞書を引けばキャリアの定義は「個人が積み重ねてきた経歴や経験」となる。しかし、難波さんはキャリアとは「自分の価値観に基づき行動すること」と定義した。私はこの言葉を聞くまでは「キャリアを積むということは困難の連続であり、何か素晴らしい業績や経歴を積み上げていかなくてはならない」と思っていた。自分の価値観を知って行動すれば、それがキャリアを得ることができるという解釈にとても驚いた。
しかし、自分自身を見つめ、価値観を知るというのはとても難しい。そこで、難波さんは「バリューズカード?ゲーム」というワークショップを企画された。このカードゲームは4名程度のグループを作り、「愛」、「思考」、「家族」、「お金」、「幸せ」などの価値観を示すカードが手札として5枚配布され、それを山札のカードと交換していって、最終的に残る5枚の価値観を示すカードから、自分自身が大切にする価値観を知るというものだ。そして、この自分自身の価値観に基づいて自己紹介をすると、驚くほどスラスラと自分のことを他者に話すことができた。私は「愛」や「つながり」といったカードが多く残り、あまり意識していなかった自分の価値観を知ることができた。
私は今回のゲスト講演の内容だけでなく、難波さんの話の構成や伝え方も参考にしたいと思った。私たちに問いかけを発して自分事として考えることを促す、カードゲームを通して実感を伴って理解させるなど、その多彩な手法は時間を忘れるほど充実したものだった。