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学長メッセージ

国連が2030年までに世界中の国々が達成を目指すべき共通の目標として掲げた「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」を受け、世界中で、また日本国内でもさまざまな取り組みが進んでいます。

駒澤大学のSDGsの原点は、建学の理念「仏教の教えと禅の精神」にある「智慧(ちえ)と慈悲(じひ)」の心にあります。「智慧と慈悲」は、本質の洞察に基づいて、あらゆるものを大切に扱うということです。この心は、SDGsの基本理念である「誰一人取り残さない社会の実現(leave no one behind)」と通じるものであり、SDGsの17の目標は、本学が目指し続けてきた社会の実現ための目標でもあります。

2021年4月に学長就任の際、本学の目指すべき方向性として、「デジタル化(DX)の推進による大学のマネジメント改革」と「ダイバーシティ(多様性)の尊重による個を活かす大学」の2つを掲げ、今日までこれを推進して参りました。

ダイバーシティの尊重は、SDGsの17の目標の中の目標5であるジェンダー平等につながっています。多様性といってもその内容は多岐に渡りますが、中でもわかりやすいのがジェンダーギャップ指数です。その分かり易い項目について、わが国は先進国の中で最下位にあります。本学が掲げる「ダイバーシティの尊重による個を活かす大学」という目標は、共生社会の実現につながるものです。

そして、デジタル化はダイバーシティの尊重を支える大切な手段です。オンラインツールを使うことによって、学び方、働き方にさまざまな選択肢が出現しました。一人ひとりが自分に合った選択ができることは、ダイバーシティの尊重、個の尊重につながります。

SDGsの1つ1つの目標をみてみると、個人では達成が難しいように感じるかもしれません。昨年度、本学では数多くのSDGsの取り組みがありました。それぞれの取り組みの報告を読みますと、多様なステークホルダーが互いを思い合い、意見を交わし、協働して課題解決のために取り組まれたことが伝わってまいりました。「誰かのために行う」ということが、すべてSDGsにつながるのだということを改めて感じております。

持続可能な社会を実現する方法は多様にあります。『駒澤大学×SDGs活動報告書』に掲載されている取り組み事例が、個人レベルでの取り組みのヒントになれば幸甚です。本報告書を通じて、これからも本学のSDGs活動について紹介してまいります。

今後も、駒澤大学の根幹である「仏教の教えと禅の精神」にある「智慧と慈悲」をSDGs活動に取り組む際の心のよりどころとしながら、個が活きる社会の実現に向けて、教職員、学生、地域社会、様々なステークホルダーと協働し、一層取り組みを推進いたします。

2023年3月24日
駒澤大学学長 各務 洋子

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